PBP 2015 本編①Saint-Quentin ~ Mortagne-au-Perche(140km)

ばる

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スタートからSaint-Quentinの街を出るまでは交通規制が敷かれている。ブルベで交通規制なんて聞いたことがないが、やはりPBPは特別ということらしい。間もなく、泊まっていたホテルの前に差し掛かる。フィリップさんのご家族と、ホテルの従業員の方が手を振ってくれていたので、それに応えた。「まずは一仕事終えたな」と、ふぃりっぷさんと談笑。しばらくは大集団で街を駆け抜けた。


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15kmほど走った所で街が終わり、辺りが田園風景に変わった。フランスでは街の始まりと終わりに標識が置かれており、その間にしか基本的に民家はない。街と街の間はひたすらに田園風景が広がる。端的に言えばドラクエの世界。街は連続しておらず、点在しているわけだ。


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この辺りから集団のペースに満足できなくなったふぃりっぷさんがペースを上げ始める。同時刻スタートの先頭を早々に追い越し、15分前スタートの人たちに追いつく勢い。50km地点まではなんとか付いていったものの、そこからは付いていくのを諦めた。


21時が近づくと、徐々に空が暗くなり始める。ヨーロッパの夕暮れは遅く、真っ暗になるのは22時頃。ここで反射ベストを纏う。日本のブルベでは最初から最後まで反射ベストを着ることを求められるが、少なくともPBPにおいては夜間のみ着ていれば問題ない。なお、今回着たのはPBP公式の反射ベストではなく、AudaxJapanのロゴが入った日本独自の反射ベスト。反射面積は小さいが、日本人同士の目印としてはとても役に立った。

ふと前方を見ると、赤い光が線のように続いているのが見えた。ランドヌールたちのテールライトだ。何キロも先を見通せる風景の中を、どこまでも連なる赤い光。なんてスケールの大きなブルベなのだろうか。


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時折現れる街は、基本的に小さな丘を登った先にある。ピークには教会があり、そこを中心に街が広がるのがフランスの街の構造だ(ここもドラクエっぽい)。予備知識としてそのことは知っていたが、せいぜい小さな教会がある程度を想像していた。しかし、すべての街で教会は想像の遥か上を行く荘厳さを持っていた。如何にヨーロッパの文化が宗教に根ざしているかを思い知る。

広がる街並みはツール・ド・フランスなどで出てくるそれであり、自分がその風景の中を走っていることに素直に感動した。石造りの建物の間を通る細い道を駆け抜けていく。時折出現する本場の石畳の振動には辟易したが、テンションは不思議と上がる。


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そして深夜だというのに、家の前で応援してくれている人たちが沢山いた。中には沿道に机を構えて、飲み物や食べ物を振る舞ってくれる人もいる。なるほど、このイベントは走者だけではなく、コースが通る街の人にとっても4年に一度のお祭りなのだ。祭の主役の一人として、この先も出来うる限り声援に応えていくことを心に決めた。


(つづく)
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