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クローバー1200 : 1日目(襟裳・様似方面) 0~315km

8/15 4:50起床。5:00までは朝食が提供される予定となっていたが、さすがにこの時間に大量に食べられないことは分かっていたので、ギリギリまで寝ていた。その分、手持ちの補給食を増やし、走りながら徐々に食べていく作戦である。8時間近く寝られた意味は大きい。

窓の外を見ると、やはり雨。そこまで強く降ってはいないものの、路面はがっつりウェットだ。足元は、ビニールシューズカバー+mont-bellのシューズカバーでしっかりとガード。手元は、テムレス+チコリンパフ。レインジャケットとパンツは小雨用のものにした。

着替えて外に出ると、結構気温が低い。15度前後だろうか。しばらく30度を切らない生活をしていたので、気温以上に寒く感じる。昨日掛けておいたバイクカバーを外すと、大量の雨水が地面に落ちた。どうやら、寝ている間に結構降ったようだ。

慌ただしく残りの準備を行い、下に降りると参加者全員での記念撮影が始まった。そして、間もなく6:00スタートの第一ウェーブの走者が出発。タイヤに追加の空気を入れていると、あっという間に10分が経過し、私たちのスタート時間が訪れた。井手マヤさんの「スタートしてくださーい!」の声を聞き、出発しようとすると同ウェーブの妻が何故か出発する人に手を振って「頑張ってくださーい」と言っている。いやいや、その人たち同じウェーブの人だよ!!

妻を急かし、共に出発。目標は、夫婦揃っての完走。1200㎞の旅路が始まった。

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1日目はホテルを出て南方面へ走る。襟裳岬を回って帰ってくる315km。獲得標高は1600mほどと平坦に近く、特別な難所はない。強いて言うならばトンネルの多発する黄金道路を気を付けるくらいだろう。

開始0kmで妻とは離れ、単独走行。路面がウェットで前走者の跳ね上げる水をもらわないように、なるべく今日は単独で走ることを決める。

スタート後しばらくは帯広の市街地を走行。信号が多い。帰りもここを通るはずなので、結構ストレスになりそうだ。そこから住宅街を抜け、ようやく農道のような道に入る。今日は210㎞地点に現れる野塚トンネル以外は登りが無い印象だったが、序盤は丘越えのコースレイアウトらしい。

一応、雨天装備はパーフェクトにしてきたつもりだが、開始30kmくらいでグローブに浸水を感じた。いくらなんでも早すぎる……と思ったら、カペルミュールのレインジャケットの袖部分の防水ラミネートが剥がれ、穴が開いていた。なるほど、ここから侵入を許したのか。後から知ったことだが、このジャケットは洗濯機では洗ってはいけないらしい。こちらに来る前に一度洗ったが、その時に穴が開いたのだろう。ジャケットはホテルに戻って即処分した。

43km地点の「道の駅さらべつ」でトイレ休憩。ここでフロントバッグの中を見ると、メインコンパートメントに乳白色の池が出来ていた。私は長距離ブルベではここに大量にお菓子を入れる。特に飴が多い。今回も飴を入れていたのだが、その飴はヴェルタースオリジナル。個包装の方法はいわゆる「キャンディ包み」で密閉はされていない。雨が入ってしまい、飴が溶けだしたようだ。トイレットペーパーで拭き取ったものの、かなり甘い香りが残ってしまった。明日の朝、フロントバッグが虫だらけになっていたら嫌だな……と思いつつ先を急ぐ。

弘和での分岐点を越え、大樹の街を抜けてしばらく走ると広尾町。ここに最初のPCがある。混雑防止のため、PCは手前のセイコーマートと、100m先のセブンイレブンの2か所が用意されていた。セイコーマートは道路の右側にあって入りにくそうだったので、左側にあるセブンイレブンへ。

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8/15 9:50 PC1:セブンイレブン広尾本通店(86km)に到着。そんなに早く走ったつもりはないし、一度休憩しているのにグロス平均速度が23km/hを超えている。さすが北海道だ。

中まで濡れてしまったテムレスの代わりにゴム手袋を購入。タオルも買って出来うるかぎり浸水した場所を拭いておく。しばらく無補給区間が続くので、弁当とおにぎりも食べて補給を完了。自分にしては長めな15分ほど休んで出発した。やはり、雨の日はPCでのタイムロスが大きい。

さて、ここからは海沿いの黄金道路を走って襟裳岬を目指す。なぜ黄金道路という名前なのかと思って調べてみたが、「黄金が敷き詰められるほどお金の掛かった道路」ということらしい。確かに山が道のすぐそばにせり出しており、東海道における由比あたりの地形がずっと続く印象。確かにこれは工事が大変だったのだろう。

黄金道路は通行止めになることが多いことでも知られており、なんと10年間で112回。運営側もそれを予期して代替ルートが提示されていたが、幸いにも今回は通行止めにはならなかった。

ただ、雨脚はPCを出てから強くなった。こうなると、断続的に現れるトンネルと洞門がありがたい。そういえば、本州では「洞門」と呼ばれる片方が開いたタイプのトンネルは、北海道では「覆道」と呼ばれるらしい。

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もう一つ気になったのが、この「昆布作業中」。調べてみると、昆布漁のシーズンに漁師さんがよく道を横断するので、こうした看板が立っているようだ。道に昆布が散乱していなくて良かった。

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そして、ある意味本日のクライマックス「えりも黄金トンネル」。北海道最長を誇る、長さ約5kmのトンネルだ。笹子トンネルのような狭さと暗さを想像していたが、2011年完成のこのトンネルは路肩も広く、明るい。車の通行台数も天気のせいか少ないので、結果的には雨を避けられる快適な区間だった。……が、えりも黄金トンネルを抜けると、豪雨。叩きつける雨が痛い。空は明るくなってきているのに、なんだろうこの天気は。

襟裳岬に近づくと、徐々に高い木が減ってくる。そして、それに伴って少しずつ太陽が見えだした。これはようやく晴れるのか?

 「baruさんですか?」

と不意に近くにいた参加者から声を掛けられる。Twitterで知り合った「っきー」さんであった。話しながら襟裳岬まで。

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8/15 11:55、フォトチェック:襟裳岬(131㎞)到着。相変わらずグロス平均速度は23km/h近く。やはり北海道は、貯金を作りやすい。

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襟裳岬で気になったミステリーラーメン。うに丼も有名らしく、食べていこうか迷ったが、先を急ぐことに。宿での睡眠時間確保が最重要命題なので。

再出発すると、雨が上がった。この先の空を見る限り、しばらく雨に降られることは無さそうだ。Yahoo地図の雨雲レーダーでも確認したが、次のPCまでは雨具を脱いでも良さそうである。路面はウェットなのでレインパンツとシューズカバーは着たままとし、ジャケットのみを脱いだ。たった一枚の差でもかなり空気抵抗が減るのを実感できる。

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襟裳岬から様似町の区間は追い風。雨もなく、非常に快適な40㎞だった。様似のセブンイレブンでトイレ休憩&食べ物を買い込み、近くのホームセンターでテムレスを2セット追加購入。やはり普通のゴム手袋は蒸れるので処分した。

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8/15 14:10、PC2:セイコーマート 浦河西幌別店(178km地点)に到着。

ここでフロントバッグからチェーンオイルを取り出して注油。東京大阪キャノンボールでも油切れを起こさず、長時間の使用で信頼していた「Vipro's muon」を今回はチョイスしたが、さすがに雨の区間が多すぎたらしい。ギシギシと鳴りだしてしまったので、小分けにして持ってきていたオイルを継ぎ足した。

スマホを見ると、妻から13時に襟裳岬に到着したとの連絡が。中々良いペースだ。

出発してしばらく走ると、スタッフ仲間のkajisanが馬を撮影していた。この辺りは競走馬のふるさととしても有名で、馬のいる牧場がたくさんあった。私はそこまで馬には興味が無いのでそのまま進む。

……ポツリ。頬に雨粒が当たった。そのまましばらく走っていると、道路に広がる雨の染みがだんだんと大きくなってくる。もう今日は雨具を着ずに走れると思っていたが、そうはいかないらしい。路肩に自転車を停めてレインジャケットを着こんでいると、kajisanが横を走り抜けていった。

さて、ここからは本日最大のヒルクライム。野塚トンネルへの登りである。最大と言っても距離が18㎞と長いだけで、平均斜度は約3%と緩い。北海道の国道は除雪車が走る前提で設計されているので、基本的には「長く」「斜度が緩い」ところが多いようだ。斜度的には5%以下なのだが、何故か辛い。レインウェアのせいだろうか。

1時間ほど登り続け、標高580mの野塚トンネルに到着。このトンネルは2011年に「えりも黄金トンネル」が出来るまでは北海道最長を誇ったトンネルである。妻はどうしているかとスマホを取り出すも、圏外。一応、それなりのカバー範囲を誇るUQモバイルであっても、北海道は電波の届かない場所は結構多いようだ。

トンネルを抜けると、雨の中のダウンヒル。道幅も広く、勾配も緩やかなので恐怖感は余り無い。そして、今回のためにチョイスしたブレーキシュー・BBBのウルトラストップがとても良かった。ウェットでもコントローラブル。コレを付けてきて正解だった。

一気に28㎞の下りをこなし、往路でも通った豊似の交差点に戻ってくる。この辺りまで来ると人里となり、少し安心する。が、どうもこの交差点のすぐ手前で熊が出たらしい。私が通過する30分程前のこと。結構熊って人里近くに降りてきているのね……出会ってしまったらどうしようもないが、気を引き締めた。

再び雨脚は強くなる。腹も減ってきたので、大樹町のセブンイレブンで休憩。多くの参加者たちがここで休んでいた。ハンバーガーを食べて暖を取る。あまり休みすぎても体が冷えるので、さっさと出発。残り63㎞。

しばらく走っていると、バックミラーに映る影。一人後ろに付いてきている。顔を見ると、台湾から参加のStanleyだった。彼と走るのは初めてだが、PBPにも参加しているだけあって速い。このままゴールまで一緒に走ろうかと思っていたが、残り30kmほどになった所で痛恨のボトル落下。雨でボトルが手から滑ってしまった。なかなかボトルは見つからず、5分ほどロス。幸い、草むらの中からボトルは見つかり、特に破損も無かった。

残り10㎞。帯広の市街地に入ると、懐かしき信号峠に遭遇。しばらく北海道らしい信号の無い走りに慣れていたので、なんとなくリズムが崩れる。本来、キャノンボーラーなのでこちらの方が体には合っているはずなのだけど。

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十勝大橋を越え、ホテル横の電波塔が見えてきた。この電波塔はNTTドコモの帯広無線塔で、高さは106.5m。夜になると光り、帰ってくるときの良きランドマークとなっていた。

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8/15 20:41、PC3:ホテルクロスコート(315km)に到着。1日目が終わった。結局、315km中の270kmくらいは雨だった。

サドルバッグを取外してホテルに入ると、ロビーのソファーにはビニールシートが被せてあった。ここに座ってウェアを脱ぐようにとのことらしい。ウェアを脱いでいる間にブルべカードをスタッフの方に渡して1日目のチェック。通常のブルベではゴール時に纏めてレシートのチェックを行うが、今回は1日ごとにレシートを提出する形式となっている。レシートを無くしたらと思うと気が気ではないので、この形式はありがたい。

そして、受付を待つ間に、ロビーにいた外国人女性に、

 「ピンクガールはまだなの?」

と聞かれる。この方はShabさんと言い、「ブルベスタッフのプロ」のような方らしい。ベストサポーターとして表彰もされているとか。ピンクガールとはうちの妻のこと(自転車もウェアもピンクづくし)。どうやらShabさんは、うちの妻がいたく気に入ってしまったようだ。

1日目のレシートと襟裳岬のフォトチェックはどちらも問題なし。ブルべカードを返却頂き、自室へと戻った。

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さて、まだすぐには寝られない。洗濯峠という大きな峠が残っている。

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まずは部屋でシューズを靴乾燥機に掛ける。驚くことに、中はほとんど濡れていなかった。汗や結露によって湿ってはいるものの、普段の雨天ライド後とは雲泥の差だ。そして、部屋から自転車カバーを持ち出し、自転車にかぶせる。恐らくこの雨でカバー無しだとチェーンオイルは全て流れてしまうだろう。買っておいてよかった。

次に、ウェア類を全て洗濯。一応着替えは4日分あるが、どちらにせよレインウェアは一度洗わなければならない。知らない人も多いが、レインウェアは内側と外側の汚れを落とし、更に乾燥機で熱を掛けることで撥水性能が維持される。汚れたままだと性能は低下してしまうのだ。

洗濯している間に大浴場へ。スポーツホテルと言うことで、普通の風呂の他に水風呂も用意されている。水風呂にもしっかり浸かり、筋肉の炎症を取った。

風呂から上がったら、洗濯機から乾燥機へウェアを移動。乾燥機を動かしたら、そのまま食堂へ。少しでも時間を効率的に使うように動く。

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食堂では20時~翌朝5時まで夕食が提供される。てっきり作り置きのものが出てくると思っていたが、調理担当の人がキッチンに詰めていた。この方も一緒に戦ってくれている。そして、このカレーがとっても美味しい。業務用カレーでは無く、しっかりと作られたカレーだ。更にサラダバーもある。長時間のロングライドでは繊維質不足から便秘などにもなりやすいので、これは嬉しい。

乾燥機からウェアを取り出して部屋に戻る。何とか1人分なら30分で乾くようだ。しかし、二人分となると1時間は見ておかないとならないだろう。

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部屋の気温を24.5度にセット。これは少し肌寒い方が入眠がスムーズであるため。歯磨きもしっかりして布団にもぐりこむ。時刻は22:20。やはり、洗濯峠+風呂+夕食を済ませると1時間半ほどは掛かってしまうようだ。恐らくグローブを水没させて帰ってくるであろう妻用に、道中買った新品のテムレスを置いておいた。


……………

………




物音で目が覚める。妻が帰ってきたようだ。時刻を見ると0:20。予定タイムより20分遅れだが、雨でこの時間なら上出来だ。そのまま大浴場に行ってしまったようで、しばらくはウトウト。大浴場から妻が帰ってきたところで、

 「3時にアラームをセットしておいてね」
 
とだけ言い、そのまま寝落ち。今度こそ1日目が終わった。


(つづく)
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Author:ばる
群馬産のキャノンボーラー。
普段はラーメンかカレーを食べに行くグルメライドばっかりやってます。

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【長距離自転車TT記録】
大阪→東京:23時間02分
東京→大阪:23時間18分
東京⇔大阪:67時間38分
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2005年に書かれた東京~大阪の自転車向けルートガイド。情報は古くなっているものの、今でも十分使えます。


拙著の「東京→大阪キャノンボール」レポート掲載。タイムテーブルや、戦略等を詳しく書いています。


シクロツーリストの田村編集長による長距離走行ガイド本。時短法やキャノンボール挑戦時のエピソードが掲載されています。

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