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クローバー1200 : 2日目(富良野・美瑛方面) 315~616km

8/16 3:00、起床。二日目の始まりだ。妻は眠いらしく「あと5分」と言っていたので、その間に準備を進める。

天気予報をチェックすると、やはり今日も雨。ただ、帯広のあたりは強く降るものの、今日向かう富良野方面の雨は1mm前後の予報だ。昨日、カペルミュールのレインジャケットは捨ててしまったので、mont-bellのサイクルレインジャケットを取り出す。

妻を起こして、二人で準備開始。昨日よりも低温の予報であるため、長袖ジャージを装備。レーパンもタイツタイプとした。その他の装備は基本的に昨日と同様。充電しておいたライトを持って自転車へ。雨はほとんど降っていなかったが、やはり路面は完全ウェット。掛けておいた自転車カバーには今日も大量の水が溜まっていた。

自転車カバーを外して、2台ともチェーンに注油を行う。恐らくこのオイル……というか大抵のオイルは一日雨だと150km程度しか持たない。妻も昨日のPC2で注油をしたと言っていたが、恐らく復路で流れてしまっているだろう。雨だと本当にやることが増える。

そして、妻が昨日足元の暗さに不安を持っていたようだったので、持ってきていたハブ軸ライトホルダーを取り付け、Volt800を装着。これで今日は問題ないだろう。

一応、フロアポンプも借りて空気を入れたが、ほとんど空気圧は落ちていない。これは明日以降の空気入れは省略できそうだ。

受付にあるスタートボードに出発時刻を書き込む。2日目以降はここに毎日時間を書く運用らしい。確かにこれがあると帰ってくる時刻もだいたい予想できる。上手い仕掛けだ。

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8/16 3:50、ホテルを出発。昨日とは異なり、まだ夜は明けていない。雨は弱め。これくらいなら全く問題ないのだが。

CH1200_day2.jpg

2日目は西方面へと走る。景勝地として有名な美瑛まで行って帰ってくる298km。狩勝峠と樹海峠という2つの峠を往路と復路で越える中級山岳コースだ。獲得標高は4日間のうちで2番目に多い2060mとなっている。

昨日は早々に妻とは別行動になったが、今日は前半の平坦部分はペースメーカーとして帯同することに。獲得標高の多いコースで、少しでも平坦部分で貯金を作ってもらえれば後が楽になるはず。スタート時間を揃えた最大の理由は2日目と3日目の序盤のペースメイクであった。狩勝峠の手前、40km地点の新得までをグロス20km/hのペースで引いて解散。そこからは別行動となった。


狩勝峠は9kmで420mを登る。北海道らしく、緩く長い峠だ。ただ、何故か「1合目」「2合目」とご丁寧なカウントがあるので距離以上に長く感じる。大して高くないのに、何か謂れのある峠なのだろうか? ちなみに、名前の由来は「石狩」「十勝」の間にある、という所かららしい。峠の勾配は厳しくないのだが、登るほどに雨脚が強くなった。朝の霧雨は鳴りを潜め、本降りの雨の峠。今日もまたこれか……。

8/16 7:16、狩勝峠を越えて下りに入るが……寒い!! とにかく寒い。レインウェアを着ているとはいえ、雨粒が付着した状態でのダウンヒルは気化熱が容赦なく奪われる。それでも昨日は気温が高かったから良かったのだが、恐らくこの時の気温は一桁。北海道の早朝の峠を舐めていた。ギヤを軽くし、なるべく脚を回して体温を上げつつ下っていく。

峠を下りきった場所、幾寅の街にはセブンイレブンがあることは事前の調査で分かっていた。迷わず立ち寄り、カレーヌードルを購入する。こういう時はやはり温かい汁物である。一気に体温が上がるのを感じる。周りを見ると同じように吸い込まれてきたランドヌールがたくさん。またすぐに峠が控えているので、ここで休んでおくのは皆に共通した判断だったのだろう。15分ほど休んで出発。


樹海峠は物騒な名前だが、峠としては全く大したことはなかった。いつの間にか峠を通過。ただ、下りはやはり寒い。

西達布郵便局の先を右折し、麓郷方面へと進む。この辺りは後ろから追いついてきた外国人の集団と前後しながら走っていた。話している言葉から推測するにアメリカからの参加者だろう。この辺りは丘を何度も越えるレイアウトとなっているが、彼らは登りはそこまで早くはないにもかかわらず、下りは異常に早い。PBPでも見たが、欧米のランドヌールはこうした走り方をする人が多い。どうしても日本、特に本州の急な山に慣れていると、下りでそこまで稼げないので登りで頑張る走り方が身についてしまう。北海道では彼らの走り方のほうが間違いなく適しているだろう。

この外国人集団の中で、体の力が抜けているにもかかわらず、一人だけやたら早い人物がいた。チタンフレームを駆り、前輪にはハブダイナモが付いているのに登りはかなり早い。身長は185cm近くはあるだろうか。どこの誰かはわからないが、さぞや名のあるランドヌールだろう。


IMG_20180816_110446.jpg

美瑛が近づくにつれ、開けた風景が増えてきた。恐らく晴れていれば渋峠の上のような開放感が楽しめるのだが、残念ながら雨はしっかり降っている。スタッフの見せたかったであろう風景が見られないのは残念だ。

ベベルイの急坂を降りた辺りで、ようやく雨が止んだ。このまま晴れてくれれば……と思ったが、有名な観光スポットでもある「新栄の丘展望公園」に差し掛かった所でまた雨が降ってきた。霧も出てしまい、残念ながら眺望は霞んでしまっていた。返す返すも残念である。

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8/16 11:19、PC4: セブンイレブン 上川美瑛店(462km地点)に到着。クローズまで1時間40分。果たして妻は間に合うだろうか?

 「あれ、baruさんだ。」
 
振り向くと、北狼さんが立っていた。彼は今回のブルベには参加していないが、たまたま美瑛の丘を見に来てここに寄ったらしい。コンビニで買ったうどんを食べながら、しばし立ち話。そして、チェーンから異音がしていたことを思い出し、注油。やはりずっと雨だとオイルは持って150km。今回のライドで身を持って得た知見である。

ここで少し不安になり、北狼さんに伝言を頼むことにした。

 「妻がチェーンオイルを注油してなかったら差すように言っておいてください。」
 
普通に連絡をすれば良いとも思ったが、何故か今日は全く返信が帰ってこない。もしかしたらスマホが水没したのかもしれないと思い、念のため伝言を頼んだのであった。


体が冷え切る前に出発。次のPCまでの区間は今回のブルベで最も短く33kmしかない。本降りの雨ではあるが、この区間は平坦だし楽が出来そう……と思ったが、それは大きな間違いだった。

上富良野駅前を過ぎ、国道237号から市道に入る。この道は見渡す限り周囲に田んぼしか無い平坦路で、容赦なく向かい風に襲われることになる。更に北海道にしては道幅が狭く、水たまりも多かった。必然、車が巻き上げた水が体に掛かりまくる。今日のルートは平地が少なく、しかもここは微妙に下り勾配が付いている。本来であれば貯金を作ってもらおうという温情溢れる区間のはずが、全く進まない区間となっていた。大排気量の外国人参加者たちもここでは苦戦をしていたようだ。

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8/16 13:08、PC5: セブンイレブン 富良野若松店(495km地点)に到着。早速スマホを取り出して確認すると、北狼さんが12:30頃に妻が到着した旨のツイートをしていた。クローズ30分前到着。かなり頑張ったようだ。

コンビニの中では外国人参加者たちが店内のゴミ箱前で長々と談笑している。彼らは走り方も特徴的だが、休憩の仕方も特徴的だ。ガーッと走って長く休む。休みを最小限にして巡航スピードを落とす私とは真逆の走り方だ。コンビニで買い物を済ませて出てくると、自転車が倒れていた。先程からの風で倒れたらしく、フレームの塗装に無残な傷が……それでもやっぱり凹んだりしていない辺り、スチールフレームは丈夫である。


20分ほどゆっくり休んで出発。ここからは行きに通った峠を逆の順番で越える。まずは目指すは樹海峠だ。

PC5を出て30分ほど走ったところで、コンビニで談笑していた外国人参加者の集団が追いついてきた。

 「Hey!!」
 
そう言って、集団の先頭にいた例のやたら登りの早い外国人が自らの後ろを指差す。どうやら集団に加わるように誘ってくれているらしい。刺激の少ない区間であるので、せっかくだから乗っていくことにした。妻以外の参加者とトレインを組むのはこれが初めてだ。集団の人数は6名ほどだったが、明らかに楽。負荷は2割減、スピードは1割増と言った所。

そのまま集団で10kmほど。このまま狩勝峠まで行けたら楽だな……と思っていたが、何故か自分が先頭に出て牽こうとしたら誰も付いてこなかった。うーん、何か不味いことをしてしまっただろうか? だが、戻るのも変なのでそのまま一人で先を急ぐ。

樹海峠を下り、往路でも通った幾寅の街に入ると外国人集団が追いついてきた。そしてそのまま、示し合わせたように往路でも寄ったセブンイレブンにIN。それもそのはず、この先は狩勝峠を下るまでコンビニは一切ない。往路で全員がそれを分かっているので、やはりここで多くの人が休んでいた。イートインの椅子にレジ袋を敷いて座り、一息つく。

Yahoo地図の雨雲レーダーを見ると、周囲は完全に雨雲に包まれている。

 「うわー、緑色だ!」
 「え、緑って?」
 「この雨雲レーダーで緑色は結構な豪雨ってことなんですよね……」

 
周りに雨雲レーダーの画面が見えるように掲げると、イートインコーナーに居た人たちの視線が画面に集まる。それを聞いていた例の登りが早い外国人が仲間たちにすかさず翻訳を行っていた。

 「Green color means strong rain.」
 
彼の名前はEricというらしい。自転車に乗っていない姿を見てもやはり強そうだ。


同時に着いた人たちは雨が弱まるのを待とうとしていたが、雨雲レーダーを見る限りしばらくは雨脚の強さは変わらないだろう。覚悟を決めて出発することにした。

往路の狩勝峠は400mほどを登る必要があるが、復路は200mほど登れば峠に辿り着く。淡々と登っていると、後ろからEricが追いついてきて、そのまま追い抜いていった。やはり早い。あれでハブダイナモが付いているのだから恐ろしい。峠手前で後から追いついてきた他の外国人2人にもパスされる。自分も結構弱っているらしい。


復路の狩勝峠には16:51到着。往路同様に気温はかなり低い。そして全身濡れねずみ。この状況で400mの標高差を一気に下ることになる。往路よりも恐らく冷えは酷いだろう。頂上のトンネルではジャケットから外していたフードを装着。少しでも体温を逃さないように努める。

ダウンヒル開始。寒い。そして、雨脚が強いところを下るので、雨粒が痛い。何だって北海道まで来てこんな状況で走っているのだろう。最初に思い描いていたライドとはあまりにも違う。ただ、泣き言を言っても始まらない。今は一刻も早く下りきってコンビニに入ることだけを考えよう。


峠から15kmほど下ってきた所にあったセブンイレブンに入る。低体温寸前。ホットコーヒーとフライドチキンを食べると、即座に体温の上昇を感じる。我ながらチョロい体である。恐らくそろそろ狩勝峠に差し掛かるであろう妻に向けて「とにかく幾寅のセブンイレブンで温かいものを食べておくように!」とだけメッセージを送っておく。あとは妻の対応力を信じる。ハブ軸のライトがここで役に立つはずだ。

ここまで来ればあと42km。しかも下り基調。ログを見ると、セブンイレブンからホテルまでを僅か1時間38分で駆け抜けている。グロス平均速度は約26km/h。ゴールが近づくとこれだけパワーが出るのは現金なものだ。

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8/16 19:26、PC6: ホテルクロスコート(616km地点)に到着。600kmを越えたので、ここからはしばらく制限時間が緩む。しかし、今日は丸一日、乾いた路面を見ることがなかった。そろそろ乾いた路面が見たい。

1日目と同様に、スタッフのエイコさんにブルベカードとレシートを手渡す。今日もチェックは問題なし。良かった。そして今日もまた、Shabさんに「ピンクガールはまだ?!」と聞かれたのだった。

そして、ロビーではYO-TAさんにお会いする。残念ながら雨で皮膚に問題が起きてしまい、リタイヤとなったそうだ。やはり雨は過酷である。

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さて、ここから寝るまでが長い。長いので一覧表で書いていく。

 ・シューズを靴乾燥機に掛ける
 ・ライトを充電する
 ・自転車にカバーを掛ける
 ・ウェア類を洗濯機に掛ける
 ・風呂に入る
 ・ウェア類を乾燥機に掛ける
 ・夕食を食べる
 ・歯を磨く

 
IMG_20180816_202236.jpg

今日の夕食は麻婆豆腐と豚汁。これもまた美味い。欲を言えば花椒が欲しいところだが、そんな贅沢は言ってられない。毎日座って温かい飯が食べられるとは、なんて幸せなのだろう。

スマホでTwitterを見ると、AH2400の方は大変なことになっているようだ。知床峠で熊が出没し、まさかの10時間足止め。こちらもサバイバルな気候だったが、向こうは完全なる大自然との戦いになっている。


食後は乾燥機からウェアの取り出し。やはり予想通りまだ湿っている。今日の洗濯物には妻の1日目に濡らしたウェアも含まれる。これを乾かさないと明日着るウェアは無いはずだ。すかさず乾燥機の30分延長を決める。

IMG_20180816_203209.jpg

乾燥を待つ間に、本日特有の任務「eTrex30の電池交換」を行う。今回はリチウム乾電池を使ったので40時間は持つはずだが、既に使用時間が30時間を越えた。ここで新しいリチウム乾電池に交換すれば残り2日は問題なく最後まで持つだろう。……が、裏蓋を開けてびっくり。水滴が付いている。結露か浸水か分からないが、これは良くない。翌朝まで裏蓋を開けたまま乾かすことにした。

乾燥機からウェア類を取り出し、自分と妻の分に分類して、本日の夜任務は終了。時刻は21時20分。到着からの時間は2時間ほど。やはり昨日より長い時間が掛かった。

妻からのメッセージは特になかったが、きっと頑張っているのだろう。とりあえず休みつつ、妻の帰りを待つことにした。


……………

………




ドアの開く音で目を覚ます。雨天走行を二日間も強いられ、流石に妻の消耗も激しい。特に暗くなってからの狩勝峠の下りはかなり辛かったはずだ。さっさと寝られるよう、シューズを受け取り靴乾燥機へ。eTrexも受け取って電池を交換。さっさと風呂に行くように促す。

風呂から戻ってくると、歯を磨いて即布団に入る妻。ものの1~2分で寝息を立て始めていた。その様子を確かめて、再度の就寝。一度起きてからの再睡眠は可能か不安であったが、割とスムーズに入眠出来たようだ。

これにてようやく2日目終了。明日は一番山岳が厳しい正念場の日だ。


(つづく)
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Author:ばる
群馬産のキャノンボーラー。
普段はラーメンかカレーを食べに行くグルメライドばっかりやってます。

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2005年に書かれた東京~大阪の自転車向けルートガイド。情報は古くなっているものの、今でも十分使えます。


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