PBP 2019 準備記事の自己採点

ばる

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PBP2019が終了しました。

結果としては、

92時間58分(時間外完走)


ということになりました。夫婦揃って、無事に最後まで走りきることが出来ました。トラッキングなどを見て応援してくださった方、ありがとうございました。

詳細についてはレポート記事を今後更新していく予定です。この記事では、まずは今回の備忘録代わりに、事前の準備記事で書いた内容がどの程度正しかったかを確かめていきたいと思います。



各準備記事の妥当性検証


今回のPBPに向けてはさまざまな観点から準備記事を書きました。割と道中で声をかけられた際に、「この記事は役に立った」「読んでおいてよかった」という嬉しい声も頂きました。

各記事がどの程度の妥当性だったのか、覚えているうちに検証しておきます。



飛行機周りの手配
今回は、アエロフロート(モスクワ乗り継ぎ)に、自作プラダン輪行箱の組み合わせでした。

アエロフロートの私達が乗る便の前日、知人の乗った飛行機がロストバゲージを起こし、あわやDNSの危機に。最終的に荷物が見つかって知人は出場できましたが、それを見ていた側としては気が気ではありませんでした。

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私達は、往路は幸いロストバゲージなしで無事に荷物を受け取りました。しかし、復路はロストバゲージとなり、自転車は2日後に帰ってくることになりました。さすがにロストバゲージ頻度が高すぎて、今後使うかと言われれば微妙です。

【追記】
ロストバゲージとなった自転車が破損していました。二度と使いません、アエロフロート。


次回あるなら、ロストバゲージの心配もなく、寝ていれば到着する直行便に戻すと思います。

輪行箱は、203cmだと軽くて取り回しも楽ですが、パッキングが大変です。ハンドルを外さないと入らないので、事前に「入れてみる」テストは必須でしょう。大会終了後のパッキングはかなり苦戦しました。荷物が多少重い&航空会社のサイズ制限がゆるいなら、一回り上のサイズを選んだほうが楽かもしれないと思いました。ただ、次もこれを使う気はしますけど。



通信手段の手配
今回は、SIMフリーのAndroidスマホ+orangeのSIMという組み合わせで臨みました。

orangeのSIMは、入れ替えただけでフツーに開通しました。回線状況も悪くなく、Twitter活動が捗りました。「4G」「H」「E」の3種類の回線表示を見た記憶があります。ただ、何もない野原ではさすがに圏外になることもありました。

あと、しょっちゅう知らない番号から電話が掛かってくるのは何故なのか。電話番号の使いまわしでもされてるんですかね?



レギュレーションの変更点
いくつかの変更点について気づいたことを。

① エアロバーの解禁
今回から、ブレーキレバーよりバー先端が前に出ないことを条件に、エアロバーの使用が認められました。そこまで利用者は多くなかったですが、1-2割の割合で見かけました。

② スタート地点の変更
今回はサンカンタンではなくランブイエの野原がスタートでした。特に出店などはなく、食事をするには1km離れたメイン会場に行かねばならないのは不便でしたね。

あと、スタートからしばらくの交通規制や先導はありませんでした。



反射ベスト要件
今回は、EN1150とEN20471のいずれかの要件を満たした反射ベストを夜間に着るように規定されていました。

ほとんどの人はPBP公式ベスト(EN1150)を着ていましたが、日本人はAJベスト(EN20471)を着ている人が多かったです。

一方、RaphaやNATHAN、オダックス埼玉のベストと言った、規定を満たさない反射ベストの人もそこそこ見かけました。

なお、法律的にはフランスでの夜間自転車走行は反射ベストの着用が義務付けられていますが、パリの街中では誰一人着ていませんでした。日本におけるベルの装着と同じくらい軽視されているのかもしれません。



フランス国内の交通ルール
とりあえず記事に書いたことを覚えていれば、PBPを走る上では問題なかったです。

ルールではないのですが、気になったのは時折出現した「白線に見える微妙な縁石」です。1-2cmほどの微妙な段差なのですが、夜間に見ると白線に見えます。一度前輪を擦ってしまい、転倒するかと思いました。



コースプレビュー
1232→1218kmへと最終的に15kmほどの短縮になりましたが、やはりタフなコースです。きっちり12000m登りました。

なお、今回はスタート3日前になって最終区間のコース変更がありました。すでに家を出てしまっていたので、最終区間はGPSに頼らず、路上の矢印を追って走りましたが、特に不便は感じませんでした。



マイマップの紹介
せっかく作ったマイマップですが、あまり使う機会はありませんでした。パン屋などはバカンスシーズンでやっていない店も多く…また、私設エイドで飲み物や食べ物はある程度手に入るので。ただ、作る過程で公衆トイレの外観を覚えていたので、割とその点では役に立ったとも言えます。



必要なフランス語の単語・熟語
この記事に書いた内容でほぼ網羅できていたと思います。



PCの構造と設備
こちらも記事に書いた内容からほぼ変化はなかったと思います。

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細かい変化としては、ルデアックのシャワー室でもらえるタオルが、紙タオルではなく布タオルになっていました。また、全身シャンプーも置かれていました。タオルの吸水性はイマイチなので、タオルはやはり持参したほうが良さそう。

PCによってはスマホの充電ブースもありました。時代の変化ですね。ドロップバッグに縛られる必要は低くなりそうです。

クレジットカード使用可の施設は増えていました。次回は更に増えると予想されます。



走行時に必要な荷物
概ね足りていましたが、困ったのがライトの不調でした。

Volt800を2本に予備バッテリー1本の構成で走りましたが、本来9時間は持つはずなのに2時間ほどで赤ランプ点灯。残りの2本のバッテリーも同じ状態になり、夜中の山の中で取り残されるところでした。なんとかギリギリでPCにたどりつきましたが、全力で踏んでアキレス腱の痛みの直接原因になりました。「こんなのPCで買うやついないでしょ」と思っていた聞いたこともないメーカーのライトを買う羽目に。

原因は分かりませんが、低温でしょうか?でも、冬でもバリバリ使っていたライトなので説明が付きません。若干、Voltへの信頼が揺らぎました。


こんなこともあるので、予備の電池式ライト(キャットアイのアーバンとか)を持っていくべきかと思いました。

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他にリストにない中で役に立ったのは、スタート受付で貰った薄いナップサックです。「これは良いな」と思い、直前にサドルバッグに入れておきましたが、これが大正解。

駐輪場からPC内を歩き回る際に、これにボトルやツールケースと言ったものを入れて持ち歩きました。仮眠時には枕になるし、これは必携品ですね。

市販のアイテムだと、こちらが使えそうです。超軽量リュック。サドルバッグのインナーバッグ代わりに使うと良さそう。

仮眠関連だと、アイマスクと耳栓はあって良かったと思いました。アイマスクはリストに入れていませんでしたが、行きの飛行機で貰ったものを持っていきました。



機材の選び方
ここに書いた通りの機材で臨みました。

序盤の妻の不調により、予定外にペースを落として長い距離を走ったため、足にも手にも負担が掛かり、手足はかなり痺れました。恐らくソロで淡々と走れば特に痺れなどは出ない機材だったはずですが、現状では評価が難しいです。



タイヤにグラベルキングを選んだのは正解でした。荷物の積載量が多くても変にグニャっと変形もせず、巡航と耐パンク性のバランスが取れています。前日にガラスを踏んでパンクしましたが、それはそれということで。



走行時のウェア
ここに書いた通りのウェアで臨みました。

今回の天気は、ほぼ雨なし。気温の範囲は5~27度(Garmin調べ)と、前回よりも朝の冷え込みがキツくなっていました。記事で予想していた「5℃~30℃くらいまで対応できるようにしておけば安心」という部分はまさに正解だったと言えます。熱波なんて全く心配する必要はありませんでした。

概ね、記事に書いたウェア構成で問題はありませんでしたが、明け方にカロリー不足が重なっていると、かなり寒さを感じました。ウェアも重要ですが、PCや私設エイドで熱量のある食べ物を食べて、体温を上げておく工夫も必要ですね。ジェルやバーといった補給食ではなく、レストランで食べられる伸びたパスタやスープといった、暖かいものが体温を上げるのに有効です。



ドロップバッグに入れる荷物
こちらも、書いたとおりのものをドロップバッグに入れました。

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特段、入れたものに対して後悔は無いのですが、「ドロップバッグのある場所で寝る」ということに縛られすぎた感じはあります。PBPのPCの仮眠所のクオリティはPCによって全く違うのですが、ドロップバッグの置かれるルデアックの仮眠所のクオリティは高くありません。

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ハンモック型のベッドと、マットを敷いたベッドのどちらかを割り当てられる(選べない)んですが、ハンモック型のベッドは地面から冷気が伝わってきて何度も目が冷めました。また、今回はルデアックで音楽ライブみたいなものをやっていたのも最悪でしたね。うるさくて眠れない。

単純に寝るだけならば、ルデアックから60km離れたケディヤックの仮眠所が最高です。A~Eで評価をつけると、ルデアックはD、ケディヤックはAです。ドロップバッグを使うにしても、着替えと予備電源を入れておくくらいにしておき、そこで寝ることにはこだわらないほうが良いと思いました。



シークレットPCの傾向と対策
今回のシークレットPCは以下の場所でした。

2019年
 往路: St.NICOLAS-DU-PELEM(WP/488km)
 復路: St.NICOLAS-DU-PELEM(WP/738km)



なんと往復同じ場所でした。これは初パターン。ただ、「WPがシークレットPCになりやすい」という点はピタリと正解。次回以降も、WPはスルーせずに立ち寄るべきでしょう。



海外ライド向けアプリ
掲載したアプリは大体全て使いました。必要なアプリは大体網羅できていたと思います。

特に、Googlemapのオフラインマップは役立ちました。やはり、OrangeのSIMと言えども電波が入らないところはあり、そういった場所でも現在地の確認に役立ちました。



まとめ


概ね、書いた記事の対策内容は妥当であったと評価します。

足りなかったとすれば、トレーニング面の記事ですね。PBPは小さな丘を無限に越えるという特性上、坂への耐性を十分に付けておく必要がありました。前回2015年のPBPでは私は相当走り込んでいたので大してPBPの坂リピートを辛いとは感じなかったので、その辺の対策を「そこまで必要がないだろう」と考えていたフシがあります。そのため、今回は平坦ブルベを中心として参加し、大して山岳練習をせずに本番に臨んでいたのですが、これは不味かったなと思います。一応、AJ千葉の「雲岩寺300」には出ましたが、他にも山岳ブルベを入れておくべきでしたね。

PBPイヤーに入ったら、エベレスティングをやってみるとか、山岳ブルベに集中して出てみるなど、PBPの登坂を意識した練習は大切だということを強調しておきます。次チャレンジするときには、その辺りの記事もきっちりと書く予定です。

(完)
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