PBP2019: 本編⑬ Quédillac~Tinténiac(869km)

ばる

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8/21 8:40、WP: Quedillac(843km地点)に到着。

駐輪場に自転車を停め、そのまま一目散に仮眠所へと向かう。


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このポイントの構造はこのような感じ。建物の奥に仮眠所がある。前回はトイレを使う際にチラッと覗いただけだったが、素晴らしく快適そうな仮眠所だったことが記憶に残っていた。「整った環境でないと寝られない」私でも熟睡出来る……はず。


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ビンゴ!! 記憶の通り、Quedillacの仮眠所は全てベッド用のマットレスが直接床に置いてある仕様だった。外の気温はまだ肌寒かったが、仮眠所は暖房も効いている。素晴らしい。

受付で4ユーロを支払い、自分の寝床へと案内してもらう。起床時刻は一時間半後の10:10を指定。既にピーク時間を過ぎているためか、利用者はまばらだ。イビキの音も少ない。


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有難いことに、この仮眠所には荷物置き場用の椅子まで用意されている。さらに、毛布とシーツは使用のたびに洗濯されたものに交換されているようだった。至れり尽くせりである。ここまでに使ったFougeres、Loudeacの仮眠所と比べるとホテルの格が3ランクくらい上がったように感じる。

マットに寝転ぶと、体が沈み込む。素晴らしく柔らかい。そして暖かい。

耳栓を付け、アイマスクを付ける。すると、瞼の裏に昨日からの出来事が走馬灯のようにグルグルと再生され始めた。睡眠中は記憶の整理と定着の手続きが脳内で行われていると聞いたことがあるが、目を瞑った瞬間にそれが始まったということだろうか。脳もようやく宿主が寝る瞬間を捉え、「待ってました!」とばかりに記憶の定着に動き出したようだ。

その映像をボーっと見ていると、すぐに意識は遠のいて行く。ここまで入眠が早かったのは生まれて初めてだったかもしれない。

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身体を揺すられて目を覚ます。スタッフの人にお礼を言ってスマホを見ると、時刻はきっかり10:10。時間通りに起こしてくれない仮眠所も多いと聞くが、この仮眠所はその点も言う事が無かった。

入眠時こそ走馬灯のような映像が見えていたが、寝ている間は夢も見ずに熟睡していたようだ。恐ろしく頭がスッキリしている。Loudeacでも同じくらいの時間を寝たはずだが、あちらとは睡眠のクオリティも雲泥の差だったようである。

ここでようやく気付いたのは、「仮眠所は当たり外れがある」と言うこと。

前回はLoudeacとDREUXで仮眠を取り、今回はFougeresとLoudeacで仮眠を取った。後から調べてみると、この3か所は、仮眠所のクオリティとしては「外れ」に属するということが判明。その一方で、ちゃんとしたベッドが用意されたり、暖房もしっかりと効いた「当たり」の仮眠所があることも分かった。まぎれも無く、Quedillacは「当たり」に属する仮眠所であると言える。仮眠所についての調査結果は、「PBP2019 仮眠所情報まとめ」の記事を参照されたい。

確かに日本のドロップバッグが置かれるのがLoudeacと言うこともあり、着替えとセットで仮眠をしようと思うと、Loudeacで仮眠をするのがベストな選択肢であるように思える。しかし、Loudeacの仮眠所の質は高くない。単純に寝るだけならば、「当たり」の仮眠所で寝るというのも戦略の一つだ。

仮眠所から外に出ると、イタリアチームのドロップバッグが置かれていることに気付いた。ここにドロップバッグを置くとは、イタリアチームは実に「分かっている」。次回出ることがあれば、Audax Italiaのドロップバッグサービスに申し込めるかも確認してみようと思った。

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さて、気になるのは妻の動向である。メッセージを確認すると、Quedillacには寄らずに先に進んだようであった。バーでパンと飲み物を購入し、食べながらトラッキングサイトを確認する。まだ現段階では次のPCであるTiteniacには到着していない様子。

別行動になった地点が20km手前で、その際の時刻が7:50くらい。現在時刻は10:20なので、経過時間は2時間半。グロス15km/hで進んでいたとして、妻は17.5kmほど先にいることになる。次のPCであるTinteniacまでの距離は26km。恐らくあと30分以内に妻はPCに到着するだろう。自分がPCに到着するのは早くても1時間20分後。妻に追いつくのは、TinteniacとFougeresの間の区間になるはず、とこの時点で目途を付けた。

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10:30、Quedillacを出発。

素晴らしく足が軽い。深い睡眠が取れて頭はスッキリし、しっかりと補給も取れた。4日目も天気は良く、雨も降りそうにない。風も無風と言って良い。仮眠前は最悪の時間を過ごしていたが、その後の区間がここまで爽快なものになるとは思っても見なかった。

後は一刻も早く妻に追いつくのみ。キャノンボール走行時並の速度でTinteniacを目指した。


(つづく)
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