PBP2019: 本編⑭ Tinténiac~Fougères(923km)

ばる

-
8/21 11:38、PC9: Tinteniac(869km地点)に到着。Loudeac、Quedillac、Tinteniacと3つ続いた「-ac」という名前のPCもこれが最後である。

「-ac」という地名は、「~に関わりのある場所」という意味のガリア語らしい。ガリアと言えば紀元前の世界史に出てくる地名であり、これらの地名はかなり歴史があるということになるようだ。(参考: What is the origin of the "-ac" ending of many place with French names?)

-----

Quedillacからのグロス平均時速は24km/hと、ソロで走っていたにも関わらず良い速度で到着することが出来た。熟睡の効果はやはり大きかったようだ。

トラッキングサイトを確認すると、妻は10:42にTinteniacに到着していた様子。ほぼ予想通りだ。30分滞在したとして、11:12くらいにはPCを出発しているはず。既に30分近く差が開いている。さっさと用事を済ませて追いかけねばならない。

Controlでブルべカードにチェックを貰い、トイレ・給水をこなす。あまり時間が無いので、復路は屋台でサンドイッチを買わず、売店の補給食を買い込んで時短を狙うことにした。恐らく自分と同様に補給を十分に取れていない妻の分も大量に購入。これでしばらくは持つだろう。


IMAG0813.jpg

復路のTinteniacでは、インタビュアーっぽい人(青シャツの方)が、PBP参加者へのインタビューを行っていた。その音声はPC中に流れるようになっている。皆インタビューどころじゃないので割とそっけない。私も先を急ぐので、捕まらないように駐輪場から自転車を取り出した。

-----

11:55、PCを出発。


IMAG0815.jpg

この辺りで気になり始めたのが、手の痺れ。私の場合、手の痺れが出始めるのは1200㎞ブルベであれば1000kmを超えてからになることが多いが、今回は900km未満で出始めていた。

恐らく、原因は今回は妻のペースに合わせた時間が長かったからだろう。適度なペースで走っている限りでは、ペダルに掛かる力が大きく、その反作用で手や尻に掛かる荷重は小さくなる。しかし、ペースを落として走ると、尻と手に荷重が掛かる。私の場合、先に尻が痛くなって、その後に手が痺れてくる。尻の痛みを嫌って立ちこぎをすると、それもまた手のひらに荷重が掛かる。過剰なペースで走ることは身体への負担が大きいが、「(身体に支障を出さずに)ペースを落として長距離を走る」というのも、実はかなり難しいことだと思う。

経験上、妻のペースで走った場合、私が300km程度で限界を迎える。また、登りでは妻が無理して付いていかねばならない速度で私が走ってしまうこともある。結局、「ずっと一緒に走るのはお互いに疲れる」ということがブルベを走る中で分かってきたので、我が家では

  「一緒に走るのは300㎞ブルベまで」

というルールが作られた。昨年参加した1200kmブルベも、妻と走ったのは240㎞程度である。

今回は往路のLoudeacから復路のLoudeacまで一緒に走った。その距離、345㎞。既にリミットは突破している。

ただ、この距離を一緒に走ったのは自分の判断であり、妻に頼まれたことではない。何度か「先に行ってて」と言われても、それを制してきた。所々、別行動をして手と尻の荷重を減らすような判断も出来たはず。まだまだ未熟であることを実感する。

とはいえ、まだまだ走れないほどの手の痺れではない。これ以上悪化しないように努めることは出来る。手に比べれば、尻が痛んだところで我慢すればよいだけ。少しでも手の荷重を減らすように走ることを心がけた。

-----

次のPCまであと10㎞と迫った街・Saint-Hilaire-des-Landesで、眼前にピンクの塊を捉えた。間違いない、妻である。

  「これはこれはお久しぶり」

と、フリーザ様の台詞で妻に声を掛け、前に位置取りつつ、買っておいた補給食を手渡した。

間もなく、Fougeresの街に入る。残り300㎞。体は最後まで持つだろうか。


(つづく)
関連記事