【レビュー】SHIMANO 「XC5 (SH-XC501)」

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評価:3

SHIMANOのクロスカントリー用SPDシューズ。ミドルグレードに当たる製品です。

目次

購入動機

ブルベ用にずっと使っていたシューズ「SHIMANO SH-XC31」の最後の手持ち在庫をPBP用に下ろしてしまったので、次期シューズとして購入しました。
 
他の記事でも書いていますが、私はロングライド用のロードバイクにはSPDペダルを付けています。両面でクリートキャッチ出来たり、シューズが歩きやすい利点があるためです。
 
本モデルの製品名は「XC5」ですが、型番は「SH-XC501」。実はこれは二代目のXC5です。初代XC5の型番は「SH-XC500」で、紐靴でした。軽量で中々良さそうだったのですが、紐靴は調整が容易ではないことに気づいて一度も使わず放出。SH-XC501はBOAダイヤルを採用していたので、迷わず購入を決めました。
 
 

製品概要

xc501_0.jpg

実測重量は、313g(43サイズ片足)。2穴でSPD用です。
 

グラスファイバー製のミッドソールに、ミシュラン製のアウトソールを採用。SHIMANOによる剛性値は7とされています。
 
アッパーは合成皮革。そして、BOAのL6タイプのアジャスターが採用されています。
 
カラーはブラックとブルーの2種類。国内販売サイズは38~48サイズまでで、ハーフサイズの展開はありません。
 
 

使用感

ブラックカラー、43サイズを購入。主な用途はブルベ等のロングライドです。100㎞ほど使用でのインプレッションとなります。
 

(1) 重量

公称重量は298g(42サイズ)と300gを切っています。こ今回使った43サイズの実測重量は313gでしたが、これはSPDシューズとしてはかなり軽いと言えます。3本ベルクロと比べると重くなりがちなBOA採用のSPDシューズでこの軽さは立派です。
 

(2) 外観

ロードシューズのようなすっきりした見た目です。ひと昔はSHIMANOシューズはダサいと言われることが多いですが、最近は格好よくなっていると思います。
 

(3) サイズ感

履いてみた感じは、従来のSHIMANO用SPDシューズと同様です。
 

(4) フィット感

ここはちょっと変わっています。このシューズ、結構履きにくいのです。
 
まずBOAダイヤルのワイヤリングが上位モデルとは異なっており、ワイヤーを完全に外すことが出来ない=緩められる程度に制限があります。そして、タンにあたる部分がなぜか靴底とゴムバンドで接続されており、なかなか足を入れる部分を広げられません。雑に履くことはできず、履くのに時間が掛かりました。この構成になっているのは、ロード用のRC5も同様です。RC7・RC9・XC9・XC7は、BOAダイヤルのワイヤーを外せる構造になっていました。
 
一度足を入れてしまえば、普通のBOAシューズです。SHIMANOらしく、爪先の高さには余裕があります。逆に言えば、爪先が少しスカスカする感じはありました。
 

(5) ペダリング性能

XC31比でダイレクト感がかなり高いです。XC31の剛性値は5、本製品は7ですが、数値以上の開きを感じます。剛性値10のRX8と並ぶのではないか?というほどの硬さ。
 

xc501_1.jpg

恐らくその秘密はこのスタックハイトの低さにあります。比較対象はRX8(写真右)です。靴全体の高さがかなり低いのがお判りでしょうか。これは靴底(アウトソール)の薄さに由来しています。そのことはSHIMANOのカタログにも「低いスタックハイトミッドソールは、安定感とパワー伝達 効率を最大化」とアピールされています。
 

(6) 歩行性能

正直、わらじを履いているかのような印象を受けました。
 
前述のスタックハイトの低さに由来するものかと思われますが、とにかく「足の裏で地面を感じる」感触があります。一応、グラスファイバーのミッドソールと、ゴムのアウトソールがあるにも関わらず。それなりにしなりのあるソールなので歩きやすいはずなのですが、歩きにくかったです。
 

xc501_2.jpg

また、インソールを外すとこのような構造になっています。なんとなく、この凸凹を足裏が感じてしまい、痛みを感じることがありました。
 
 

まとめ

ペダリングにダイレクト感のある、軽量SPDシューズ。見た目にも高級感があります。
 
ただ、私はどうも馴染めず、100㎞試したところで放出してしまいました。
 
理由は、足裏の痛みです。私はロングライドで足裏に痛みが出ることが多いのですが、このシューズは50㎞ほどで痛みが出てしまいました。これではブルベを完走することは無理なので、やむなく使用を断念しました。
 
恐らく原因は、靴底の薄さ。靴底が薄いと力がダイレクトに伝わる反面、足への反力も強くなります。さすがにちょっとこれは薄すぎではないかと感じました。ペダルに関してはスタックハイトが低い方が好みなのですが、靴底は多少の厚みが欲しいですね。
 
結局、今はSHIMANO RX8と、XC31を使用しています。RX8はまだ様子見ですが、300㎞以上はちょっと足裏に痛みが出そうな感触があります。早く痛みの出ないシューズを見つけたいものですが……。

評価

対象モデル:  SHIMANO「XC5 (SH-XC501)」
年式: 2019年
定価: 21450円(税込)
購入価格: 15015円(税込)

価格への満足度

8/10

この値段でこのクオリティのシューズはさすがSHIMANO。

総合評価

6/10

軽量かつコンペティティブ。ただ、私の体には合わなかった。

レビュアー情報

年齢: 35歳 (レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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