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いってこいビワイチ1000 : 1日目 石和温泉~名古屋(0~332km)

10/5 4:45、起床。

朝食を食べ、準備をする。前日の夜に降っていた雨は上がっており、どうやら1日目は雨の心配は無さそうだ。それどころか、台風に吹き込む風の影響で一路追い風予報。これはツキが向いてきた。

ジャージ一枚の晴天向け装備で外に出る。路面は少しウェットだが、気温も丁度良い。憂鬱だったクローバー1200のスタートとはえらい違いだ。

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5:30よりブリーフィング開始。主催スタッフから注意点が読み上げられる。

 「台風が近づいていますが、我々からは中止のアナウンスは出しません!
  各自で安全に配慮した判断をしてください。」


さすがランドヌ東京、慈悲(?)は無いか……と思った刹那、スタッフが次に発した言葉にどよめきが起きた。

 「ただし! 今回はそんな皆さんへのボーナスとして、

  PC2より後のPCは全て通過チェックにします。

  良く考えて走ってください。」


これは有難い。「通過チェック」とは、「通過証明が必要だが、足きりタイムの設けられていないチェックポイント」を指す。通常のPCは足きりタイムがあり、それを超過するとその場で失格となる。今回のPC2は310km地点に設けられており、そこまでは足きりタイムがあるが、それ以降は制限時間は事実上無くなるということになった。多少遅れても、ゴール地点に75時間以内に辿りつけば認定されるということである。

運営側の意図を察すると、「台風で走れないほどの雨が降った場合に安全な場所に退避して、走れるようになったらペースを上げて挽回せよ」と言うことだと思う。今の所、予報的にはそこまで酷い雨に降られそうにはないものの、台風が気まぐれで進路を変えたら一時的に進めなくなることは十分考えられる。出来ればホテルで寝ている間に過ぎ去ってくれるのが理想だが……。

ブリーフィングが終わると車検が始まり、いよいよスタートの時間を迎える。

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1日目は、石和温泉から名古屋までの332km。最初の100kmは下り基調、その後はほぼ平坦というコースプロファイル。睡眠時間を稼ぐために、なるべく早く走りきりたい。

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10/5 6:00、スタート。今回もクローバー1200同様、最初から妻とは別々だ。今日の目的地は名古屋・金山。332㎞を走る。

スタート直後は石和の街中を走るので信号が多いが、やがて笛吹川沿いに出ると走りやすい道になる。橋が現れるたびにアップダウンが繰り返されるが、基本的には海に向かって下り基調の道である。ここで同じ時間の後のウェーブで出発した、ゆーさくさんが凄い勢いで走ってきて追い抜いて行った。……彼は膝の爆弾持ちのはずだが、大丈夫だろうか? 遠ざかる背中を見送る。

鰍沢口から先は笛吹川が富士川に名前を変える。ここから蒲原まではブルベではお馴染みの道だ。だが、甲斐岩間を過ぎたあたりで見慣れない横道へと入った。直後、目の前に壁が。ブリーフィングで注意された坂はここか。15%程度の斜度がある上に、苔が生えているので滑る滑る。後輪から荷重を抜かないように気を付けながら何とかシッティングで登りきる。下りは先週の台風24号の影響か、落ち葉や枝が見られた。ここは慎重に下る。

身延町の中心は、つい先日「ゆるキャンスタンプラリー」で来たばかり。身延の街を越えると少し大きな坂があるが、以後は基本的に下り基調で標高を徐々に落としていく。VCRあおばのジャージを着たチタンバイク乗りの人と抜きつ抜かれつを繰り返しながら、最初のチェックポイントまで。


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8:45、通過チェック: セブンイレブン富士川松野店(76km地点)に到着。さすがに下り基調なだけあって、グロスAve27km/hと良いペース。食事などを手早く済ませて先を急ぐ。


富士川橋まで来てしまえば、ここから先は勝手知ったる東海道。ゆったりと蒲原・由比の街並みを走っていく。この辺りは昔からファンである漫画家、くぼたまこと先生の地元(私のHNも彼の作品に由来している)。そのことをツイート使用かと思ったが特に信号に引っかからないまま寺尾交差点までたどり着いてしまった。押しボタン式信号で対向車線に渡り、太平洋岸自転車道に入る。


最近、この由比~興津間の太平洋岸自転車道を走る機会は多いのだが、毎度道沿いの「スマル亭」を見るたびに悲しい気分になる。スマル亭は静岡ローカルの蕎麦屋チェーンで、24時間営業が特徴。これまでのキャノンボールやTOTで何度も横を通ってきたが、夜間通過時の明るさが印象的だった。しかし、2017年10月の台風で高波の被害を受け、休業中となっている。もう一年が経つが、残念ながら再開の目途は立っていないようだ。


三日後に宿泊を予定している駿河健康ランドの脇を抜け、再び国道1号へ。ここで、先行していたゆーさくさんに追いついた。やはり序盤の飛ばし過ぎで膝に少し痛みが出ているようだ。声を掛けてパスする。

清水駅前で東海道を外れ、御前崎方面へ進路を取る。予報通りに追い風が強まってきた。これは海沿いのR150も快適に走れるかもしれないと気分を盛り上げる。


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10:22、PC1: セブンイレブン清水折戸2丁目店(109km地点)に到着。ここは浜名湖鰻600でもPCだった場所。ただ、PCを出た後のルートが若干違うので気を付けなければならない。

スマホを見ると、妻は1時間ほど前に最初の通過チェックに到着したようだ。ここまでで差は1時間弱、なかなか良いペースだ。


PCを出て走り出すと、明らかに背中に追い風を感じる。どうやら予報は大当たりのようだ。台風様様である。……もちろん、後で台風による足止めを食らうことにもなるのだが。


R150を飛ばし、大崩海岸へ。浜当目トンネルへの登りでも追い風が若干のアシストをしてくれ、楽に登ることが出来た。あっという間に焼津へと至る。焼津港への道も引き続き追い風だ。小川港へ入る道に左折するときにそのまま直進してしまったランドヌールがいたが、彼は無事にコースに戻れただろうか。

気持ちよく海沿いの道を飛ばし、吉田町に入る。この辺りは東海地震に備えた施設が多く、100人は乗れそうな幅と高さを持つ歩道橋などがいくつも建てられている。走るたびに防災施設が増えている気がするが、今回も見覚えのない人口の山を持つ公園が増えていた。本当は神奈川とか東京の沿岸部もこれくらい備えないといけないのだろうけど……。


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12:46、通過チェック: セブンイレブン御前崎港店(171km地点)に到着。ここも浜名湖鰻600でPCだったコンビニである。ここまでのグロスAveは25.2km/hと、見積よりも大幅に早い。追い風ボーナスの凄さが数字にも表れている。今夜の睡眠時間はかなり長く取れそうだ。

ここまで休みなく走ってきたので、このPCではシューズを脱いでゆっくり弁当を食べる。前回のクローバー1200で足裏の痺れが出たため、今回は出来る限り足裏を開放する作戦だ。


コンビニを出て御前崎の岬を折り返しても追い風は続く。ただ、台風の影響で波が高く、ところどころ堤防を乗り越えて道が水浸しになっている。思わぬところで泥除けが活躍した。

浜名湖鰻600で宿泊した「くれたけイン御前崎」前を通過し、浜松入り。天竜川を渡る遠州大橋を歩道で越え、浜松入り。中田島砂丘周辺の道は交通量が少なく、個人的には好きな道だ。この辺りで驚いたのは、止まっていた信号がいくつかあったこと。前週の台風24号の影響で浜松周辺では停電被害が起きていると聞いていたが、一週間近く経っても続いているとは思わなかった。


弁天島で久々の東海道に復帰し、ここから新居関所前を通過する。通常の東海道ルートであれば潮見坂を通過するが、今回は新所原駅を経由するルートが指定されていた。このルートはキャノボでもショートカットルートとして使われることもあり、「鷲津~新所原ルート(新居町~二川)」のページで紹介している。

しかしこのルート、随分と信号に引っかかる。以前走った時はここまで信号が多くなかった気がするのだが……タイミングの問題だろうか。夕暮れ時なのもあってか、渋滞に信号で結構なロスが生じた。キャノボならば素直に東海道を走った方が早いかもしれない。


名鉄豊川線を渡り、姫街道に入る。信号待ちをしていると、後ろから声を掛けられた。「肉の王」ことオフロスキさんだった。解説しておくと、「いきなりステーキ」で食べた肉の量ランキングで全国トップを数年間維持している「肉食獣」である。600㎞までのブルベならば、走行前に1350gのステーキを食べ、走行中は水分以外は摂らない。まさに「人外」と言える御方。走りもめっぽう早く、こうして1時間早くスタートしたはずの私に追いついてくるほど。この時点で走行距離は250㎞で、経過時間は10時間半。御前崎で休んで多少平均速度は落ちたとはいえ、Ave23.8km/hとキャノボ達成並のペースは維持していたはずなのだが……。いやはや、恐れ入った。


ここからしばらくオフロスキさんと二人パックで走行。豊橋の街中に入ると一気に信号と交通量が増える。

今回のビワイチ1000では、豊橋~名古屋区間においては、国道1号線を執拗に避けるルート取りがされていた。豊橋市内も1号線は通らず、259号線と県道496号線を通る。ただ、この県道496号線を走行するのは少し楽しみであった。この道は旧東海道なのである。いつも1号線で豊橋を通過してしまうが、そこで通る吉田大橋は旧東海道ではない。その一つ隣の「豊橋(とよばし、と読む)」こそが旧東海道。豊橋市の名前の由来にもなった、由緒ある橋である。


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ちょうど、豊橋を渡るところで夕暮れ。せっかくなので写真を撮った。

豊川市内は夕方の市街地ということもあり、渋滞。オフロスキさんが「私は次のコンビニでトイレに入りますんで」というものの、中々都合よく左手にコンビニはない。そうこうしているうちに、国府駅前から旧東海道の御油宿入り。このルートは昨年の東海道600で通った道だ。御油の松並木の中途半端な石畳が懐かしい。御油の街中でコンビニを発見したオフロスキさんとはここでお別れ。一人での走行が始まる。


御油宿の隣の赤坂宿を越え、名電長沢駅前で国道1号線を横断する。この信号がやたら長い。と言うか、何度も国道1号線を横断することになるので、そのたびに押ボタン信号である。交通量の少ない道を通したいのはわかるけど、ちょっとこれはストレス。後から知ったが、ここは地下道を使って横断するほうが全然早いらしい。

名電長沢駅前の横から、東名高速の側道入り。この道を通るのは初めてだが、とにかく暗くて狭い。そして地元の抜け道として使われているのか、交通量は少なくない。狭い道で対向車が多いので結構リスキーな道に感じた。自分は国道1号線のほうが好きだ。

本宿駅から先は少し道幅が広がり、走りやすい道になった。オフロスキさんが再び追いついてきてトレイン復活。快調に距離を稼いでいく。


岡崎駅周辺で再びの市街地走行。そこから有名な豊田市に入る。いつも国道1号線しか走らないので、豊田市を通過するのは初めてだ。なんとなくだが、車優先の空気を感じる。豊田市を出れば、PCはもうすぐだ。

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20:08、PC2: セブンイレブン東郷三ツ池4丁目店(316km地点)に到着。今回の時間制限があるチェックポイントはここまで。次以降のチェックポイントには時間制限が無くなる。

道中そんなに飛ばしたつもりはないが、ここまでのグロス平均は22.8km/hとかなり良い値が出ている。やはり追い風の効果は凄い。


あと17kmでホテルなので、補給を軽めにとってそそくさとPCを出る。予定よりも2時間くらい早い進行だが、睡眠時間は多ければ多いほど良いのだ。オフロスキさんとほぼ同時に出発したが、彼はPC直後の健康ランドに吸い込まれていった。「平針東海健康センター」なる施設らしい。いつか使うかもしれないので覚えておこう。

さすがに名古屋市内に入ると信号も交通量も多く、中々進まない。この辺りは土地勘もないので正直どの辺りを走っているかも分からない。ひたすらホテルまでの残り距離が減るのを楽しみに走った。

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21:05、金山プラザホテル(332km地点)に到着。予定では23:50着だったので1時間45分早い。ホテル別館の会議室を専用の駐輪場として用意してくれたとのことで、そちらに運び入れる。ホテルの受付の方がロード乗りらしく、色々と話が早かった。


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エレベーターに貼られていた注意書き。やたら絵の上手いスタッフが居るようだ。


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往復宅急便で送った荷物は部屋に運び入れ済み。さっさと水風呂を入れ、その間に充電作業を進める。更に、ウェア類を洗濯して部屋干し。この部屋は明日まで連泊で抑えているので、明日戻ってくる頃までには乾いているだろう。乾燥機を使う時間が省けた。

妻の動向を確認すると、大体50kmほど手前にいるようだ。同じく金山のホテルを抑えているはずだが、この分だと到着は1時頃だろう。予定よりは1時間早い到着なので上々である。


22:30、就寝。起床予定は5:00。なんと6時間半も寝られる。ブルベ中とは思えない。追い風に感謝しながら、あっという間に眠りに落ちた。


(つづく)


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いってこいビワイチ1000 : 2日目 名古屋~琵琶湖~名古屋(332~670km)

10/6 5:00、起床。

さすがにホテルのベッドで6時間半も寝るとスッキリさが違う。個人的には複数日に渡るライドの場合には、適当な場所での仮眠を何度も取るよりも、ちゃんと布団で寝られる場所で寝ることにしている。同じ時間の睡眠でも回復度合いが全く違うからだ。

スマホは睡眠中は機内モードにしていたが、起床直後に解除。妻からの連絡を確認すると、大体予想通りの時間にホテルに着いたようだ。事前の計画より長く寝られたようで、クローバー1200に比べたら滑り出しは上々である。「5:30ごろ出発する」とのことだったが、自分は5:45出発予定。少し後から妻を追いかける格好になる。


5:45にホテルのフロントに鍵を預ける。チェックアウトではなく、あくまで一時外出。今回は連泊なので。


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外に出ると、空気が生ぬるい。空は晴れているが空気は湿気を含んでおり、「これはひと雨くるかな」と感じた。ホテル前のコンビニで腹ごしらえをして、5:55ごろ再スタート。

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2日目は、名古屋から西に向かい、ビワイチをして、再び名古屋まで戻ってくる338km。特にコース的に辛いところはないが、台風の動き次第では雨と風に大きく足止めされることになるだろう。

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県道29号に出て西を向くと、どうも進行方向の雲行きが怪しい。明らかに黒い雲がある。今日も何とか逃げ切れるかと期待していたが、前半から雨具を着用することになりそうだ。

リスタートから10kmほど進んだところで、ポツポツと雨が降ってきた。予想より早い。まだ雨具を着るほどの勢いではなかったのでそのまま走行を継続する。


今回のルートは、木曽川を越えて揖斐川を越える手前で進路を北に変える。木曽川の上で雨脚が強くなり、一旦停止してレインジャケットとレインパンツを着用。グローブは、指抜きから軍手+テムレスに変更した。進行方向を見ると雲が低く、この雨はしばらく上がらないことがわかった。

しばらく川沿いを走ると、広域農道へ。信号もなく車通りも少ない道なのだが、いかんせん整備状況は良くない。そこに雨が降ったものだから、水たまりがあちらこちらに出来ている。当然そこを通れば水が跳ねるわけで、靴が少しずつ濡れてくる。先程レインウェアを着たものの、シューズカバーはまだ付けていなかった。さっさと付けなければ。


広域農道が終わり、揖斐川を渡る今尾橋で妻の後ろ姿を捉える。ホテルからここまでの距離は約40km。妻のほうが25分ほど先にスタートしているのだが、正直もう少し早く追いつくと思っていた。調子よく走っていたということだろう。そして妻は既にシューズカバーも含めて全身レインウェアを着用している。レインウェアを着るタイミングはなかなか難しいと思うのだが、今回の妻の決断の早さは素晴らしかったと思う。追いついて信号停止をしたところで、私もシューズカバーを着用した。


再び広域農道に入ると、雨脚は更に強くなった。

この辺りの風景には見覚えがある。2014年の本州一周で、加賀でリタイヤを決めて撤退する際、名古屋へと抜ける際に通った道である。あの時はたかだか数時間の雨に気持ちが萎えていたが、今は違う。止まなければ、雨具を纏って前に進むだけだ。


養老から関ヶ原への登りが始まるが、ここから妻とは別行動。関ヶ原への登りは、ルートを見る限り唯一の登りらしい登りである。だが、斜度は緩めでアウターのみで登りきることが出来た。

下りでトイレに行きたくなってコンビニに立ち寄り。用を足してコンビニを出ると、ようやく雨は上がった。このまま晴れてくれれば雨具が脱げるのだが……残念ながら少し進むと雨がパラついてきた。

PCまであと少し、米原駅の横を走っていると、前からゆーさくさんが走ってきた。「膝がダメです!!」とのこと。残念ながらリタイヤとなったようだ。

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10:33、通過チェック:セブンイレブン米原中多良店(411km地点)に到着。このコンビニでは、クローバー1200の時に食堂でお話しした方との再会があった。


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残念ながら雨は降り続いており、進行方向の雲も暗い。どうやらこれは雨のビワイチになりそうだ。


通過チェックを出発すると、すぐに琵琶湖の湖岸に入る。ここが約180kmのビワイチのスタート地点ということになる。今回のルートは反時計回りで、まずは北に向かって走る。

実はビワイチは未経験。琵琶湖の上を横切ったことは何度もあるのだが、一周はする機会が無かった。関東から来るにはちょっと遠いし、目的にするにはちょっと物足りない。とはいえ、「一周」は好きなので、実績を解除できるのは嬉しい。


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折角なので、琵琶湖の湖畔で一枚。琵琶湖一周の道は昨今の首都圏のように路上に自転車走行用の矢羽根マークがペイントされており、どこを走ればよいか分かりやすくなっている。また、風景がよく写真を撮るのに適した場所にはビューポイントであることを示す看板も建てられていた。これらの施策は2015年から始まったらしい。

爽やかな風景の中のサイクリングを楽しみにしていたのだが、実際にはかなりの勢いの雨の中を走ることになった。よくよく考えてみれば台風が通過する日本海側に向かって走っているのだから仕方ないのだが。幸いにも風は追い風であるが、それはつまり湖の北から折り返した後は向かい風ということでもある。


長浜市の市街地を過ぎ、ブリーフィングで危険と言われたトンネルを抜けると雨が上がった。この辺りで前にランドヌールが見えたので追いかける。追いついてみると、R東京スタッフの兼定さん(@i_kanesada)だった。自分の雨天装備の一部は彼を見本にしているのもあり、ちょっと観察させてもらった。

間もなく琵琶湖の北端を折り返すと、想定通りの向かい風。ここで兼定さんから、

  「次のPCまで協調して走りませんか!」

とお誘いを頂く。実を言うとこの程度の向かい風なら気にならないのだが、返事は「はい!」。兼定さんと走ったことが無かったので、一緒に走ってみたかったのだった。

奥琵琶湖の道は狭く、台風の影響か落ち葉や枝も多い。数kmごとに兼定さんと先頭交代しながら走っていく。雨は降ったり止んだり。「これはもう降らない」と踏んでレインウェアを脱いでも、少し走ると雨が降ってきて着なおす場面が多かった。途中から面倒になり、PCまではレインウェアは脱がないことにした。

兼定さんは私と同じく、GORIXの片手持ちフェンダーを後輪に取り付けていた。フェンダーの効果は実際に後ろを走ってみないと良く分からないので、この機会にしっかり観察。果たしてちゃんと仕事をしているのか疑問を持ちながらも使っていたのだが、思ったよりも後ろに飛んでくる水しぶきを防いでいる。見た目は頼りないが、今後も使っていこうと決めた。

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14:03、通過チェック:セブンイレブン滋賀新旭店(473km地点)に到着。雨はPC直前に強まり、雨雲レーダーを見ると周辺は緑色(強い雨)の雲に包まれている。とはいえ、雨天装備は完璧なので休憩もそこそこに走り出す。


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……が、安曇川駅前に来たあたりでバケツを引っくり返したような豪雨に襲われ、たまらず銀行の軒下に避難した。典型的なゲリラ豪雨で、すぐに雨脚は弱まる。

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少し待つと青空が。しかし、すぐそばに黒い雲が迫ってきており、また雨が降ってくることは明らかだった。

この時点で少しマズいことに気づいた。当初計画では、16:17に次のPC3に到着予定だった。新旭の通過チェックからの距離は54km。そして、妻からの連絡を見ると10㎞近く手前にいるようだ。新旭の通過チェックに着くのは早くても私が着いてから40分後の14:45前後と予想。このペースのままだとPC3への到着は18:45前後になってしまう。

台風による特別措置により、PC3以降は全て通過チェックになったので厳密な時間を気にする必要はないのだが、ここでの遅れは睡眠時間の減少に繋がる。睡眠時間の減少が走りに及ぼす影響は良く知っている。予定からの遅れをこれ以上拡大させないようにしなければならない。


雨が弱まったところを狙って走りだし、白髭神社の先にあった海沿いのローソンで一旦停止。ここで妻が来るのを待つ。次のPCまでの約45㎞をアシストすることに決めたのだった。向かい風という状況を考えると、風よけの有無で平均速度は1~2km/hは変わってくるはず。ここまでの妻のグロス速度は15km/h程度なので、1人で走ったらPC3まで3時間掛かる。しかし、アシストによって17km/hで走れれば、20分早く次のPCに着く。18km/hで走れれば30分早く着く。そこで稼いだ時間は睡眠時間になるのだ。

ここまで食事らしい食事を食べてこなかったので、久々にガツンと弁当を食べる。反射ベストを着た人が隣にいたので話しかけてみると、彼は大阪のスポーツバー「Grupetto」主催の走行会の最中だという。Grupettoさんとはご縁があり、不定期で開かれるライドイベントのイメージキャラクターのデザインを妻が担当している。そのことを伝えると、「世間は狭いですねぇ」という言葉が帰ってきた。

彼と会話しながら目の前の湖岸道路を眺めていると、時折ビワイチ1000とは逆の方向に走っていく反射ベストの人たちがいた。

 「彼らもGrupetto走行会の参加者ですかね?」
 「いや、この時間に北上していたら制限時間に間に合わないので違うかと……」
 「じゃあ他のブルベですかね?」

 
後日調べた所、同日に開催されていた近畿1000の参加者だったようだ。そうと分かっていたらエールの交換をしたのだが。ちょっと惜しい。

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15:55、妻が追いついてきた。待機中にすっかり雨は上がり、眩しいほどの日光が差している。

妻には時間が押しているため、次のPCまでは自分が前を引くことを伝えて出発。再スタート後は巡航速度を25km/h前後で走行するが、妻には疲れが見える。まだまだ全体工程の半分程度とはいえ、そろそろ走行距離は500kmを越える。600kmブルベなら終盤の距離だ。

雄琴温泉のあたりまでは調子よく走っていたが、この辺りから道が混みだす。17時を過ぎた時間と、市街地である大津が近づいてきているためだ。かなりの渋滞&信号峠。自分の設計するコースは都市型ばかりだが、走る方になってみると、確かに厄介であった。近江大橋より南に来ると、なんとか渋滞は一段落。そして、京都周りのキャノボでも通る瀬田川大橋を渡ってPCへとなだれ込んだ。

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18:08、PC3: ファミリーマート玉野浦店(528km地点)に到着。前の通過チェックで18:45到着と予想していたが、なんとか37分ほど取り返した。とは言っても、当初予定よりは2時間近くの遅れである。油断は許されない。

このPCでは、フォロワーのはるさん(@KSR1450)とお会いした。かなり我々より先行していたはずなのに、なぜここに……と思ったら、コースから外れて京都市街まで買い物に行っていたらしい。往復20kmくらい多く走っていることになる。なんというダイナミックコースアウト。


20分ほど休んで出発。PC3までで牽引終了と思っていたが、借金(予定からの遅れ)はまだ残っている。次の米原の通過チェックまでは牽引を継続することにした。

先程のPCがほぼ琵琶湖の最南端であったため、ここからは米原に向けて北上していく。先程までとは打って変わって妻の調子がいい。巡航速度を30km/h程度に上げても問題なく付いてくる。本人は「ネットゲーマーなので夜になると調子がいい」と言っているが、真偽の程は不明である。

夜の湖岸道路は車通りも少なく、路面も綺麗で走りやすい。信号もほとんど無いので、順調に距離を重ねていく。途中には、一時期「ガラガラすぎるショッピングモール」として有名になったピエリ守山の横も通過。19時過ぎの通過だったが、かなり賑わっていた。


しばらく順調に走っていたが、20時を回ったあたりで妻が付いてこられない場面が増えてきた。話を聞くと、

 「眠い!次のコンビニで止まっても良い?」
 
とのこと。ちゃんと眠さを自覚して止まれる判断が出来るのは大事。しばらく走った先にあったローソンに立ち寄った。

屋外のベンチで妻はタイマーをセットして仮眠開始。自分は特に眠くない(6時間半も寝ているので)ため、同じくコンビニに吸い込まれてきたランドヌールたちと話していた。やはり皆眠気が出てくる時間らしく、コーヒーを飲んでいる人が多かった。

10分後、起きた妻にコーヒーを渡す。眠気はちゃんと飛んだらしい。米原へと向けて再出発したが、その後はグロス20km/h程度で順調に進むことが出来た。


次の通過チェックの2kmほど手前の入江橋交差点で、「ビワイチ」完了。距離180km、所要時間は10時間40分ほど。結構休んだが、さすがに信号が少ないのでグロス17km/h程度は出ていたようだ。

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21:40、通過チェック: セブンイレブン米原中多良店(592km)地点に到着。PC2で予定からの遅れは2時間あったが、この64kmで1時間遅れを取り戻すことが出来た。ここまで約600km、経過時間は39時間40分なので、大体600kmブルベのギリギリ隊のタイムということになる。600kmを越えると要求される速度が12km/hまで低下するため、この先は少し気が楽になる。

ただ、再び妻は眠気が出てきてしまったので、私が食事をしている間にまたしても仮眠。その間に、フォロワーのおがさん(@Addict_Crawler)と会話。この方、1日目に抜きつ抜かれつを繰り返したVCRあおばジャージの方である。あれだけ早いのに何故同じ時間に同じ場所にいるのか不思議だったが、どうやら初めての1000kmでなかなかペースが掴めないらしい。「とりあえずホテルでたっぷり寝る!これが一番!」と僭越ながらアドバイスをしておいた。

15分後、妻を起こす。妻はこれから食事とのことで、再び別行動となった。

 「関ヶ原では、ライトをフル点灯するように!」
 「眠くなったら寝られそうなところで寝る!」


と言い含めて、一足先に出発した。


さて、約7時間ぶりのソロライド。なんとなく物足りなさを感じながら、関ヶ原への登りをこなしていく。ホテルまでの距離は78km。疲れているとは言え、4時間もあれば走りきれるだろう。現在時刻は22:00。ホテル到着は2:00と言ったところか。

関ヶ原は霧の中。試走レポートで「鹿が出た」と書かれていたので警戒していたが、特に動物とは出会わず。淡々と走り、養老から広域農道へ。お得意の平地区間ということで、下ハンドルを握ってTT開始。向かい風で思ったようにペースは上がらないが、それでもグロス20km/h程度で進んでいった。

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10/7 1:46、PC4: セブンイレブン名古屋篠原橋通2丁目店(668km)到着。はるさんが先着しているのを見つけて声を掛ける。琵琶湖南のPCで先に出られていたので追いつかないかと思ったが、意外と近くにいたようだ。

妻からの連絡を確認すると、18kmほど後ろにいるようだ。これなら3:00にはPC4に到着するだろう。ホテル近くのコンビニで食事を購入して、即ホテルに入った。

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2:00、金山プラザホテル(670km地点)に到着。20時間15分の「一時外出」から戻ってきた。当初予定より3時間ほど遅いが、エースを勝たせるための仕事をした結果なので悔いはない。しかし、翌朝の出発予定は6:36。このままだと寝られる時間は3時間半程度。妻に至っては2時間半程度になってしまう。1000kmブルベの二日目の睡眠としては少なすぎるので、ここは作戦変更が必要だろうと判断した。

シャワーを浴びて、風向き予報サイトをチェック。台風が過ぎ去り、どうやら明日は1日中強い追い風予報となっている。これは多少出発を遅らせても、遅れを取り返せる可能性は高い。ならば、その分をホテル滞在時間に使おうと判断。「翌朝の出発時間を1時間10分後ろ倒しにし、7:45出発にする」と妻に連絡。追い風が吹かなかったら破綻する可能性のあるプランだが、ここは睡眠時間をなるべく長く取りたい。安全に走るにはそれが不可欠だからだ。

寝る前に明日の準備。着るものと往復宅急便で送り返すものを分けて、送り返すものを箱詰め。さっさと寝たかったが、朝バタバタするのも嫌なので。


3:00就寝。起床予定は7:15。1日目より遥かに早く意識が遠のいていった。


(つづく)


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いってこいビワイチ1000 : 3日目 名古屋~興津(670~904km)

10/7 7:15起床。スマホを確認すると、提案通り「7:45に出発する」との連絡が入っていた。

窓を開けると、空は綺麗に晴れている。一瞬レインウェアを送り返そうと考えたが、夜間の冷え込みを警戒してレインウェアは引き続き持っていくことにした。そそくさと宅配便で送り返す荷物に封をし、出かける準備をする。荷物を放置出来た1泊目と違い、チェックアウトする2日目はちょっと手間取った。


7:35、ホテルをチェックアウト。フロントで往復宅急便の荷物を預ける。手続きはこれだけ、非常に簡単。次回以降もホテルを使えるブルベでは活用していきたいサービスだ。

ホテル近所のコンビニで軽く朝食を済ませ、妻が泊まっている別のホテルへ。やはり荷物詰めに手間取ったらしく、予定から5分ほど遅れて妻は現れた。出発を遅らせたので睡眠はそれなりに取れたようだが、予定よりは短い時間なので少し不安は残る。

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3日目のコースは、1日目のほぼ逆回し。名古屋から東海道を東に走る。ただし、1日目ほどの元気さはないので、興津の健康ランドまでの234kmで打ち止め。残り100kmは4日目に回す。

目標は、22:00の健康ランド着。だが、そのためには14時間で234kmを走る必要がある。必要なグロス速度は16.8km/h。さすがに厳しいか……?

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名古屋の街を東に向けて走り出すと、背中に風を感じる。予報通り今日は追い風らしい。願ってもいない天気ではあるのだが、一つ気がかりなのは気温。まだ午前8時だというのに気温は20度を超えている。10月のブルベということで、今回はインナーもジャージも長袖しか持っていなかった。朝でこの気温だと昼間は一体何度まで上がるだろうか。水分補給には気をつけないとならない。

名古屋の街からしばらくは信号峠。ここでは昨日、琵琶湖岸を強調して走った兼定さん(@i_kanesada)と前後して走ることに。「暑いですね~」と言いながらも、追い風なので調子はいい。グロス17km/h程度で走れていた。

豊田市から岡崎市を抜けると少しのどかな道に入る。1日目は夜中で何も見えなかったが、ブルベらしい良い道だ。だが、気温はじわじわと上がり、25度を超えているだろう。水分補給も随分と頻繁になってきた。次の通過チェックはかなり先の御前崎だが、これはそろそろ小休憩を入れなければならない。

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11:21、御油の松並木を超えた先にあるローソン(730km地点)にて一時休憩。往路ではオフロスキさんが吸い込まれていったコンビニである。イートインがあったので、しばしアイスを食べて休憩。

そして、妻のサポートは一旦ここまで。ここからは再度の前待ち作戦を実施することになった。


15分ほど休憩して走り出す。少しでも夜の睡眠時間を増やそうとペースを上げようとするが、一向にペースが上がらない。それどころか、先程までよりもサイコンの示すグロス速度は落ちている。単に市街地に入ったせいかと思ったが、どうやらそうではない。足に力が入らない。この感じには覚えがある。これは……熱中症の前兆だ。

今回のブルベまでの数日間はかなり涼しい日が続き、20度に達しないこともあった。そして、この時の気温は28度。「この程度の寒暖差」と思われるかもしれないが、意外と人間の体は変化に弱い。6年前、私は「下関→大阪」挑戦中に熱中症でリタイヤをした。その際も前日までは気温が低く、一気に当日に気温が上がったのを覚えている。

そして気温変化に加えて、熱中症の原因になるのが「追い風」。追い風の条件では相対的に正面から吹く風が弱まる。汗がなかなか乾かず、体温が下がらないのだ。ロングライドにおいては追い風は基本的には嬉しいものだが、時として厄介な敵となることもある。

たまらず、二川のセブンイレブンで休憩。水分と塩分を多めにとり、頭から水を被る。今回の装備で失敗だったのは「シングルボトル」。10月なのでそこまで水分補給は頻繁ではないはずだし、北海道と違って補給ポイントは豊富。欲しくなったら自動販売機でも使えば良いと思っていたが……掛け水での冷却が必要になるとは予想外だった。8月に低体温症になりかけたり、10月に熱中症になりかけたり。本当にロングライドは難しい。

しばらく休むと、走れる程度に回復。ただ、日が傾くまでは強度を上げられないと判断し、心拍は130bpm以上にしないように調整。縮退運転で継続することにした。


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鷲津のあたりを走っていると、道路右手にロードバイクを扱う自転車屋を発見。これは好機と店に入り、TACXのボトルを購入した。これでしばらく掛け水には困らない。店の名前は「TWO CYCLE」。フレームやパーツのカスタムペイントも行っている面白い店だった。今度ゆっくり訪問したい。


新居関所の脇を抜け、弁天島から海沿いの道へ。追い風は強く、縮退運転でも30km/h近くを維持できる。これはありがたい。そして往路では停電で止まっていた信号も復活していた。白昼堂々信号無視をするランドヌールを見たりと残念なこともあったが、概ね気分よく走ることが出来た。


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御前崎灯台周辺は波が高く、道路が水を被っていた。台風の影響はこんなところにも出ていたようだ。

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16:40、通過チェック: セブンイレブン御前崎港店(832km地点)に到着。掛け水を続けていたおかげで、その後は熱中症らしい症状は出ず。ようやく日も傾いてきたので、暑さに悩まされることもゴールまでは無さそうだ。

少し遅い昼食をゆっくりと食べ、20分ほどコンビニに滞在。妻の連絡を確認すると、おおよそ1時間ほど後ろにいるようだ。「結構離れたな」と思ったが、別行動開始から既に100km走っている。それならそこまで大きい遅れではない。


17:00にコンビニを出発。ここからしばらくは西向きの進路になるため向かい風。ただ、5kmも走行すれば風は追い風基調に変わった。日も落ち、ナイトライドの始まりだ。

この辺りから今日の宿の算段を始める。駿河健康ランドがあるのは、約900km地点。御前崎からの距離は70km。途中に大崩海岸があるとはいえ、追い風基調なのでグロス20km/h程度は出る。途中に1箇所PCが挟まるとは言え、健康ランド到着は20:30と言った所だろう。

焼津の市街地の手前で一旦コンビニ休憩を入れ、大崩海岸へ。心霊スポットらしいが、そんなことよりさっさと健康ランドに行きたいので無心で走行。安倍川を渡った先にある「いきなりステーキ静岡中島店」に寄ろうかとも思ったが、オープン1週間ということもあって大行列だったので諦めた。

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19:37、PC5:セブンイレブン静岡西大谷店(885km)に到着。このPC、盲腸のように不自然にルートから飛び出した場所に設けられたPCとなっている。

ランドヌ東京でR150を東に向かって走る場合、「サークルK 静岡いちご海岸通り店」をPCとして使うのが通例。今年4月開催の「浜名湖鰻600」の復路のPCもここ。R150沿いにあり、駐車場も広くて入りやすいコンビニだった。しかし、今年夏に閉店。ファミリーマートに変わるかと思いきや、そのまま閉業となってしまったのだった。残念ながらこの近辺にはR150沿いのコンビニがないため、少し不自然なルートになったのだと思われる。

妻からの連絡を確認。18:10に御前崎の通過チェックとのこと。差は大体1時間半。前の通過チェックより少し差が広がっているのが気がかりだ。このまま推移すると、駿河健康ランドに到着するのは22:30ごろ。0:30には健康ランドを出る予定だったので、滞在時間は2時間。風呂でリフレッシュは出来るだろうが、仮眠からの再起動時間を考えると素通りして細かい仮眠を取るほうが現実的なプランかもしれない。


PCを出たら、いちご海岸通りを思いっきり走る。気温はちょうど良く、平地で追い風。そして宿まであと15km。一気にスピードを上げて宿へと向かった。

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20:31、興津駅近くの駿河健康ランド(904km地点)に到着。ほぼ予想通りの時間だった。

さすがに三連休の中日ともあって、健康ランドは凄い人手。早速、地下の駐輪場へ行き、作っておいた会員カードを見せて自転車を預ける。300円で鍵のかかる室内に自転車を保管してもらえるサービスはとても有難い。

そそくさと風呂に向かうも、脱衣所はこれまで見たことが無いくらいの大混雑。そして風呂もイモ洗い状態。楽しむ余裕も無く、すぐに風呂を出た。


仮眠室もこれくらい混んでいたらどうしよう……と思ったが、運よく部屋の隅のマットが空席。隣の人もイビキをかいていない。これはツイてる!と思ったのも束の間、隣の人が大イビキを立て始める。どうやらイビキは常に出るものではなく、寝始めてから時間差で出るものらしい。耳栓を付けても防げない大音量だったので、枕の向きを変えて対処。これはこれで顔に冷房が直接当たって寒かったが、タオルケットを被って強引に仮眠体制に入った。

被ったタオルケットの中で、妻に2通りの作戦を送信。

 ・健康ランドに入る場合は、0時半に入り口に集合。
 ・健康ランドをスルーする場合は、先行して欲しい。後から追いかけて合流する。
 
さすがに真っ暗で基本的に何も無い富士川沿いを一人というのは心配なので、この先はゴールまで同行することを決めていた。


イビキおじさんは相変わらず凄まじい音を立てているが、さすがに1000kmブルベの3日目。割とスムーズに眠りに入ることが出来たのだった。


(つづく)


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いってこいビワイチ1000 : 4日目 興津~石和温泉(904~1003km)

10/8 0:00、起床。睡眠時間は3時間ほど。隣のイビキおじさんは既にいなくなっていた。

スマホを確認すると、少し前に駿河健康ランド前を通過したとの連絡があった。途中で少し仮眠をしたので、タイムロスの大きい健康ランドはスルーするとのこと。様々な設備が魅力の健康ランドだが、仮眠までには、

 ・駐輪所に預ける
 ・受付を済ませる
 ・風呂に入る
 ・仮眠所まで移動する

と言うステップが要求される。それならばコンビニ前のベンチ等で少し目を閉じるほうがタイムロスは確かに少ない。

妻の健康ランド前の通過時刻は23:50。タイムアップは朝9:00なので、約100kmを9時間10分以内に走りきれば良い。途中で一度仮眠を入れても安全圏のタイムと言えるだろう。

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最終日である4日目のルートは、静岡の海沿いから富士川沿いに石和温泉まで北上する99㎞。川を上流に向かうので、当然登り基調となる。距離あたりの獲得標高で見れば、4日間で一番多い(それでも761mしか登らない)。

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0:25、駿河健康ランドを出発。深夜だが空気は生暖かい。台風の運んできた温かい空気がまだ残っているようだ。寺尾の押ボタン信号を渡って由比の旧市街に入るところで、香港からの参加者が記念撮影をしていた。日本人であり、やたらこの辺りを走っている自分からすると特に珍しい風景には見えないのだが、海外から来た人には珍しい風景なのだろう。

由比のファミリーマートで補給を済ませ、一路妻を追いかける。通過時刻から考えると、差は7-8km。次の通過チェックまでには追いつくだろうか。

富士川沿いに北上。富士川橋を過ぎると一気に街灯が減る。交通量もほぼゼロになるので走りやすくはあった。ライトの光量を上げて先を急ぐ。

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1:35、通過チェック:セブンイレブン富士川松野店(926km地点)に到着。ここで先着していた妻をキャッチ。既に出発しようとしていたので、「すぐに追いかける」と告げて先に行ってもらう。

由比のファミリーマートでの休憩から20㎞も走っていないが、ここから先はしばらくコンビニの無い「無補給区間」。トイレも済ませた上で、なるべく多くの食べ物を買い込んでおく。妻が急に眠くなった時に備えて缶コーヒーも買って、ポケットに突っ込んだ。


リスタートから2㎞ほどで妻に追いつき、何度目かのパックを形成。登り基調ということで、20km/hくらいのスピードでゆるゆると走っていく。

富士川沿いを南下したことは何度もあるが、北上するのは今回が初めて。予想外だったのは、時折現れる急斜度の坂。長さとしては1km以下のものがほとんどだが、これが何回も繰り返される。道中、一緒になったランドヌールたちは、

 「通った覚えが無い坂を登らされてる!」

と口々に言っていたが、ルート自体は間違いなく往路で通った道と一緒である。妻に至っては、

 「私たちがビワイチしている間に地殻変動でも起きたの!?」

とも。確かに自分としても、1日目は傾斜面を下っていた記憶しかないのだが、意外と急な斜度の坂を下っていたことになる。一瞬で終わり過ぎて印象にすら残らなかったということだろう。


身延線の内船駅前で一旦停止。ここは7月に行われた「ゆるキャンスタンプラリー」でチェックポイントだった駅だ。妻は一度訪れた場所をよく忘れるので「ここどこか分かる?」とテストしてみたが、今回はちゃんと覚えていた。小休止して補給を取り、再出発。

何度目かの坂で後ろから追いついてきたランドヌールに声を掛けられる。

 「もう大きい坂はあと一つだけだから頑張ろう!」

この大きい坂というのは、身延市街地の手前にある坂のことである。こちらも南下方向でしか走ったことは無いが、時折10%以上の斜度が出現する急な登りである。恐らく逆側も結構な斜度なことは予想が出来た。

そして、登坂開始。これは確かにキツい。長さとしては1km以下、平均斜度も8%と言った所だが、950㎞走ってきた体には辛かった。妻が膝の痛みが出てきたとのことだったので、途中から押し歩いた。坂の頂上に辿りつくと、身延の街並みが目に入る。観光地としても有名な街であるためか、夜でも街灯が多く、夜景が綺麗だった。


坂を下って身延の街へ。ここで妻が「どこかで仮眠をしても良いかな……」と声を上げる。駿河健康ランドまでの道のりで仮眠をしたとのことだったが、やはり4日目ともなると疲労の色は濃い。眠いときには寝ておくべきだと思い、記憶の中にあったとある場所へ。


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身延の街中には、富士川沿いにベンチがいくつかある。深夜であれば眠っても特に迷惑にはならないはず。ランドヌールのサガとでも言うべきか、ゆるキャンスタンプラリーでここを通った際に「仮眠に良さそうだな」と目を付けていた場所だった。

座ったまま寝るのかと思いきや、「10分後に起こして!」とベンチに横になる妻。そしてすぐに寝息を立てだす。自分は野外で寝るのがかなり苦手で、もっぱら寝るのはホテルか健康ランドの仮眠室と決めている。どこでも寝られるというのは、ロングライドに向いた才能であると思う。これは来年のPBPも乗り切れるかも……と思いながら、しばしTwitterを眺めた。

時刻は3:30。この日は台風後の追い風を狙い、大阪東京キャノンボールに挑んでいる人が大勢いた。残念ながら失敗してしまった人も多かったが、個人的に相談に乗っていたペチョニャスさんは調子が良さそうだ。メカトラなどが無ければ達成はほぼ確実だろう。

10分後、妻を起こして再スタート。波高島のトンネル脇から富士川を渡り、右岸へ。この辺りでは大声で「眠い!」と叫んでいるランドヌールがいた。気持ちはわかるけれど、制限時間にはまだまだ余裕があるんだから寝られそうなところで寝ような……。


4:28、966㎞地点のローソンで休憩。残りは36km、残り時間は4時間半。ほぼほぼ勝利は確定。念には念を入れて、コーヒーでカフェインを入れておく。夜明けの時間が自分的には一番眠くなるためである。

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新割石トンネルまでの最後の登りを終えると、甲府の街並みが見えた。あそこまで行けばゴールだ!

逸る気持ちで先に進もうとするが、妻が千切れてしまう場面が多くなってきた。割と膝が限界を迎えているらしい。前回のクローバー1200で膝を痛めてからというもの、整形外科に通って治療を進めており、なんとか走れるまでには回復した。ただ、やはり1000㎞ブルベは厳しいもの。後半になって痛みが出た後は騙し騙し走っていたが、そろそろ耐え切れなくなっていたようだ。

ペースを落とし、巡航速度は18km/h。残り20kmを3時間10分で走ればよい。膝を痛めないように歩くような速度で走った。

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6:49、GOAL: 石和健康ランド(1003km地点)に到着!! タイムは、二人揃って72時間49分。2時間11分を残して、無事に1000㎞を走り切った。

そして、緊張のレシート確認。今回は通過チェックばかりではあったが、集めたレシートの数は12枚。果たして全て揃っているか心配だったが、無事にすべてのレシートがあることを確認。認定を頂けることが確定した。メダルをその場で購入できるかと思っていたが、残念ながら在庫切れとのこと。後日の発送を楽しみにしようと思う。


(つづく)


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いってこいビワイチ1000 : ゴール後編

無事にゴール受付も終わったが、時刻はまだ朝の7時。

通常のBRMであれば、ここから帰宅の途につくわけだが、今回は違う。ゴールが健康ランド。つまり、風呂に入って仮眠も出来る。さすがに更に一泊するまではしないが、14時くらいまでは健康ランドで休んでいくことにした。

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朝風呂を楽しみ、次は食事。ラーメンとほうとうを合わせた「らーほー」なる料理があったので注文。量的にはちょっと物足りなかったが、優しい味は疲れた胃腸に染み渡った。


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その後はマッサージルーム→仮眠室のコンボ。……が、仮眠室では1時間半ほど寝たところで清掃が始まって起きざるを得ないことに。うーむ、これはホテルを取ったほうが正解だったか? 眠気は飛んでしまったし、そろそろお昼ということで、妻を誘って再度食事へ。


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今度はカツ丼をがっつりと。山梨のブランド豚を使っているとのことで美味かった!

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14時を回ったので帰路に付く。駐輪場所へ行く途中で、我々夫婦と同じQUARKの自転車を見かけて驚いた。年季の入ったフレームだが、コンポやホイールは最新のディスクロード。そういえば細山さんは20年近く前からディスクロードを作っていたと聞いたことがある。かなり時代の先を行っていたらしい。


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14:10、出発。さらば石和健康ランド! 相変わらず素晴らしい施設でした。

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石和温泉駅では、漫画家の森小太郎先生(@chari_kota)とバッタリ。初めての1000kmブルベだが、しっかりと完走されたとのこと。素晴らしい。

そして石和温泉駅から鈍行でゆっくりと帰宅。この日は世間的には平日だったので、夕方のラッシュが始まる前の帰宅がマスト。なんとか最寄り駅に16時半に到着することができた。


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帰宅後は食事を作る元気もなく、久々の宅配ピザ。お疲れ様でした!


(つづく)


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プロフィール

ばる

Author:ばる
群馬産のキャノンボーラー。
普段はラーメンかカレーを食べに行くグルメライドばっかりやってます。

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【長距離自転車TT記録】
大阪→東京:23時間02分
東京→大阪:23時間18分
東京⇔大阪:67時間38分
青森→東京:36時間05分

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2005年に書かれた東京~大阪の自転車向けルートガイド。情報は古くなっているものの、今でも十分使えます。


拙著の「東京→大阪キャノンボール」レポート掲載。タイムテーブルや、戦略等を詳しく書いています。


シクロツーリストの田村編集長による長距離走行ガイド本。時短法やキャノンボール挑戦時のエピソードが掲載されています。

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