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BRM804ロマンチック片道 ①START~PC0
今年の「ロマンチック片道」は全部で8つの峠を越える。昨年に比べて峠がひとつ増え、獲得標高は5300→5500mへ。完走率が30%となった昨年よりも更に厳しくするなんて、AJ宇都宮はちょっとおかしいw
スタート直後に越える第一の峠は「古賀志林道」。毎年10月に行われるジャパンカップではレースの明暗を分けるポイントだ。高低差は167m。カテゴリーは3級と言ったところか。路面には去年の応援の跡がくっきり。「柿沼頑張れ!」「GO!BLITZEN」など、地元宇都宮のファンが書いたと思われるメッセージが。中には「ジャパンカップ反対」などと言うメッセージもあったけれど、わざわざこんな所まで来て書くなんて暇な奴らも居たもんだ。
間もなく峠を越えて、下りに入る。月明かりがあるとはいえ、まだ辺りは真っ暗。ライトはGENTOS閃を持ってきたものの、力不足である。夏場なので、4時だったら明るいかと思ったのだが、そんなことは無かった。前走者のテールライトを頼りにゆっくりと下る。
下りきった所で県道70号に合流。一応信号があるのだが、そのまま右折する人が多かった。ブルベと言えどそんなもん?押しボタンで信号を変えてから二段階右折をする。
ここで快速で飛ばすBMCの人が居たので、その人にくっついていく。文挟駅あたりで、おそらく先頭と思われる集団と合流。ここからは次の峠、滝ヶ原峠を目指しての登りが始まる。しばらくは緩い勾配での登りが続くが、徐々に道は細くなっていく。先頭集団とは千切れてしまい、同じく千切れたRoubaix乗りの人の背中も徐々に遠くなっていく。やはり登りは苦手だ。
滝ヶ原峠はラスト2kmの平均勾配が11%にもなる激坂。体重の重い自分は体が後ろに引っ張られるようだった。そんな時、バックミラーに映る影。独り言をブツブツ言いながら登ってきたのは・・・同じロングライダースのところでさんだった。結構静かなイメージのある方だったのだが、走ってる途中はキャラが変わるらしいw
「あれー、こんな所で何してんの?」
自分より5分後に出発したところでさん。スタート地点では「もう会えないねー」とか言っていたが、しっかり追い付いてきてるじゃないですか。まぁ、自分が遅い+ところでさんがクライマー系というのもあるのだろうが、開始30kmで5分差を詰められるとは。やはりトリプルSR保持者は伊達ではない。
結局、そのまま峠までご一緒することとなった。しかし、ダウンヒルでは恐ろしい速度でかっ飛んでいくところでさん。その後も度々思ったが、ブルベに多く出ている人たちはとにかくダウンヒルが速い。自分の知人でも登りはすぐちぎれるのに、下りではあっという間に追いついてくる人がいる。その知人もダブルSRのランドヌールだ。
日本のブルベはとにかく山を登らされることが多い。ということはその分、下りも多くこなさなくてはいけないわけだ。また、登りで失ったタイムを取り戻す必要もある。そういうわけで、ブルベ歴の長い人たちはダウンヒルが速いのだろう。
峠を下りきり、清滝の街を通り抜ける。ボトルに水を補給しようと思ったが、まだ十分に残量があるため、そのまま進むことにした。まだ時刻は5:30ということもあり、気温が低いのが幸いした。
ここからはかの有名な「いろは坂」を登り、第ニの峠・明智平を目指す。群馬生まれの自分だが、何気にいろは坂を登るのは初めてである。普通はバス旅行で来るような場所だが、まさか自転車で初めて来ることになるとは思わなかった。斜度が上がってきたところで、徐々にところでさんとの差が開いていく。やはり、坂では勝負にならない。
いろは坂の各カーブには「いろはにほへと」の看板が設置されている。一体何文字目まであるのかな?と思ったが、「そ」より先は見つけることが出来なかった。実際には登りでは「ね」までの看板があるらしい。もう一本の登りである「第一いろは坂」には、「な」から「ん」までの看板があるそうだ。今度機会があれば見に来よう。
登り切ってトンネルを抜けると、そこは中禅寺湖。ここで自動販売機を見つけたため、一旦休止。ボトルにアクエリアスを補充する。同じくところでさんも休止し、赤コーラを飲んでいた。
中禅寺湖から戦場ヶ原を越えると、第三の峠・金精峠への登りが始まる。昨年、多くの人がここに設置されたシークレットPCでタイムアウトとなったらしい。今年もシークレットPCがあるのかな・・・と思いながら登っていく。
しかし涼しい。というか寒い。Edgeの気温表示を見ると・・・
なんと12℃。8月で夏真っ盛りのこの時期にこの気温。奥日光は素晴らしい避暑地だった。天候もすっきりと晴れており、日光の街がよく見えて気持ちよかった。
7:39、清滝の街から都合1100mほど登って、ようやく今回の前半の山場である金精峠に到着。トンネルの脇にはスタッフの方が。
「シークレットPCです!」
やはりあった。ブルベカードを渡し、サインを頂く。とりあえずこれで前半をクリア。貯金もそれなりにある。出力を抑えた走りをしてきたこともあり、体へのダメージも少ない。なんとか行けそうだ。
この段階で獲得標高はまだ2500m。実はまだ半分も登っていない。その事実に少し絶望しながらも、金精トンネルを抜けて群馬へのダウンヒルを開始した。
(つづく)
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