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BRM804ロマンチック片道 ④PC2~草津
暑い。とにかく暑い。沼田の街と同じく、中之条もかなりの暑さだ。それでも標高は400mある。100mごとに、気温は0.6℃下がるはずだから、下界は+2.4℃。下界よりはまだマシだ。
しばらく進むと、ヘルメットの中に入れた氷が溶けてきた。ちゃぷんちゃぷんと五月蝿いので、信号停止のタイミングで中身を飲み干す。うーん、しかし天気がいいなぁ・・・。これは渋峠の眺望も期待できそうだ。登るのは嫌だけれど、渋峠の絶景は何度見ても良い。それを心の支えに足を回す。
街・・・という程でもないが、中之条の中心部を抜けると、中ボス・暮坂峠への登りが始まる。今回のコースで2箇所ある1級山岳の一つ。一気に700mの高低差を駆け上がる。普段なら大ボスでもおかしくない中ボスである。
この辺りはほぼ一人旅。ひたすら登っていただけであまり記憶に残るイベントは無かった。ただ、ラスト5kmの所でEdgeの示す、この先の斜度がグンとキツくなったのを見て気が滅入ったのを覚えている。今回もEdge800の「標高先読み」機能には大変お世話になった。これはペース配分にかなり有効である。
暑さで汗だくになりながら、何十回目のカーブを抜けると、ようやく第7の峠・暮坂峠。標高1000mを越えるこの場所では、気温は24℃まで下がっていた。
ふと、峠の茶屋を見ると、BEAR BELLの方が休んでいる。かなりお疲れのご様子。「ソフトクリーム食べてからいきまーす」とのことで「ではお先に!」とすぐにダウンヒルに入る。ソフトクリームも食べたかったが、この先どんなトラブルがあるかわからない。さっさと進んでおくことにした。
下りの途中で、どうも上半身が起きまくっている人を前方に発見する。まさか・・・と思ったら、MTB乗りの人だった。この時点での経過時間は8時間50分ほど。距離は170kmほどを走っている。大体グロス20km/hで走っていた計算なのに・・・なんでMTB乗りの人がこのタイムでこんな所にいるんだろうかw
乗っているのはSPECIALIZEDのS-WORKS。・・・アレ?去年のロマンチック片道でMTBでゴールしていた人?そう思い、話しかけてみると。
MTBの人「あ、そうです。去年も参加してましたよ。」
baru「やっぱり!去年あなたを見て参加したいと思ったんですよ!」
更に記憶をたどってみると、このMTBは他でも見た覚えがあったことに気づく。
baru「もしかして、川崎マリンエンデューロに出てました?」
MTBの人「はい。今年は出られませんけど。」
やはり!ロードバイクの先頭集団の中に、一人爆走するMTBが居たのが強烈に印象に残っていたのだ。確か個人でフラットバー部門で表彰台に登っていたはずである。なるほど、それだけの足があればこの時間にここにいても全く不思議ではない。
MTBの人「足もう終わってるんで先に行っちゃって下さい~」
そう言われ、ここで一旦お別れとなった。
さて、残すはあと渋峠のみ。このまま草津まで下って、そこから登れば終わりだ。・・・そう思っていたのだが。
実際は違っていた。暮坂峠を下りきったところから、草津の街までは実に400mもの高低差があったのだ。暮坂峠のあたりでボトルの水はほぼ底をついていたのだが、「どうせすぐ草津の街だから良いや」と思い、途中にあった「道の駅 六合(くに、って読むんだよ!)」を素通りしてしまった。あとで知ったことだが、同じような勘違いをしていた人はたくさん。ゴール地点で「スタッフの罠だ!」と皆で言い合った。
気温は25℃。かなり低いはずだが、登りではどうしても汗をかく。見る見るパワーダウンしていくのがわかる。そして、しばらく登ったところでお別れしたMTBの人に追いぬかれてしまった。足終わってるなんて嘘じゃん!w 更になるしまの人にもぶち抜かれ、喉は乾きまくり。ああ、速く飲み物に会いたい!!自動販売機があったら迷わず止まるぞ!と思ったが、結局草津の街まで自動販売機が現れることはなかった。
13:25、セブンイレブン群馬草津文京店に到着。ここはPCでも何でもないが、多くの人がここで最終休憩を取るはず。この先にあるのはセーブオンしかないからだw それを察したのであろうシクロツーリストの記者さんと三度遭遇。今回は写真を取られなかった。
先ほどまでの水分不足に加えて、腹が減ってきたのでここで大休憩。冷やしトマトラーメン。こいつはうめぇ!!必死でガッツいていると、隣で休憩していたMTBの人が出発。ああ、これはもうゴールまで会えないな・・・。後から知ったことだが、この人はMTBで各地のブルベを最速に近いタイムで走る伝説の男「ふぃりっぷ」さんであった。
しかし、おかしい。確かに疲れてはいるのだが、先週のBRM728新雛鶴のほうがもっとやばかった。コース難易度は今回のほうがはるかに上のはずだが、ずっと高地を走るだけあって気温が低かったのが幸いしたのかもしれない。新雛鶴では40℃を超えていた時間が長く、かなり意識が朦朧とした。都市部を走るブルベは、夏の場合は山岳ブルベより難易度が高くなるのかもしれない。
都合20分ほど休憩して、出発直前に最終兵器「モンスターエナジー」を投入。ラスボス、渋峠へと踏み出した。
(つづく)
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