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Fleche2012(阿賀野→犬吠埼)~④白河~大子
■レポート
「無事」、PC3・ローソン白河駅前店に到着。そう、「無事」だったのだ。「無事」という言葉をこれほど実感したことはない。ホント、誰も怪我をしなかったのが不思議なくらいの区間だった。メンバーの中には先週結婚式を挙げたばかりの人もいるのに、なんでこんなエクストリームなことをやってるんだろう。(もっとも、この人の嫁さんも同じ日に雪のヤビツを登っていたらしい。似たもの夫婦であるw)
さて、ここまでの距離は170km。なんとまだ170km。遥かなる距離を走ってきたように思ったが、自宅から箱根を往復するのと同じくらいしか走っていない。キャノボなら、まだ静岡駅にすら着いていない・・・なのにこのグッタリ感は何だろう。
これまで一番辛かったロングライドは1月にやった「サコライド伊豆」だったが、今回の辛さはそれを遥かに越えている。主に精神的な消耗が激しい。先ほどまで談笑していた他の3人もグッタリしている。何だかんだ言って彼らも辛かったに違いないのだ。
アーツ「とりあえずどこかで大休憩しましょうか」
baru「ファミレスがいいです!!」
肉だ肉。肉を食わせるんだ!先ほどまで体が危機状態にあったからか?体が肉を欲しがっているのが解る。コンビニのホットスナックではない、ガッツリした肉を補給したい!
マリオ「近くにデニーズがありますね」
というわけで、元来た道を戻り、デニーズで大休憩と相成った。
「いらっしゃいませー」
・・・暖かい。なんだこの暖かさは。もうここから一歩も動きたくない。そう思わせるレベルの快適さだった。先ほどまでの氷点下で凍りついた体が解凍されて行くかのようである。
注文はもちろんハンバーグ。ご飯は大盛り。出てきたと同時にかぶりつく。うんうん、こういうのでいいんだよ、こういうので。この寒さに対抗するには人間火力発電所になるしかない。ガツガツという効果音そのものの食べ方で一気に食べきった。
アーツ「・・・で、どうしますかね。新白河の駅から輪行します?」
マリオ「もうすぐ12時間経つので、既に貯金はマイナスですね・・・」
ホラフキー「でもこの先は下り基調だから取り戻せるんじゃないですか?」
baru「そうですね。せっかくだから行きますか。」
アーツ「3時間くらい掛けて取り戻しましょう。」
先程までかなり弱気になっていたが、食べるものを食べたらヤル気が湧いてきた。やはり食は気力の源である。「食える時に食え!それが最後まで生き残る方法だ」と、大盗賊アンタレスも言っていた。食えるうちは走れる。何より、最大の難所は超えたのだ。あとは下りのみ。行くしか無いだろう。
21時、デニーズを出発。ここまでのグロスAveは14.1km/h。15km/hをついに割ってしまった。しかしランドヌール達は焦らない。この程度なら取り戻せるとのことだ。
白河から棚倉へ入り、一旦国道から離れた山あいの道へ。気温はグっと下がる。体感で0℃くらいかと思ったが、道の電光掲示板によれば-2℃。先ほどの山の上とあまり変わらないではないか・・・。だが、路面がドライなだけで全然精神的な部分では楽である。ギアを掛けて踏めば体は温まるし。
ただ、寒くなるとどうしても生理的に我慢できないものがある。尿意。先ほどのデニーズで飲み過ぎたのもあるかも知れないが、この寒さによってかなりトイレが近くなっている。もう我慢出来ない!と思ったところで公衆トイレを発見。前を走るアーツさんに声をかけて、トイレ休憩となった。
アーツ「まずいですね・・・全然借金が返せてない。
0時までにPC4に付かなかったら多分もう間に合いませんね。」
追い付いてきたマリオさん、ホラフキーさんがトイレに行っている間に、アーツさんがつぶやく。
冷え込みのためか、皆いまいちペースが上がってこない。やはり皆、それなりに体力は消耗しているようだ。
公衆トイレから出発。先程よりも急に寒気が増したように感じた。・・・そうか、トイレに行ったからだ。トイレにいくと体温が下がる。経験的には知っていたが、実感したのは初めてのことだ。それだけ、寒い。このままだと、また寒気で動けなくなりそうだったので、再びのアタック。PC4までは全力で飛ばす。目標は0時到着。
暫く走ると、「茨城県」の文字。久々の関東!戻ってきたぜ関東!その勢いのまま、PC4・セブンイレブン大子池田松沼店(217km地点)に到着。時間は惜しくも0時01分であった。
(つづく)
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