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Fleche2012(阿賀野→犬吠埼)~⑤大子~山方宿
■レポート
「・・・そろそろ潮時かもしれませんね。」
PC4で、諦め気味にアーツさんがつぶやく。目標であった0時にはPC4にたどり着けず、1時間の借金も返せていない。この状況では完走は出来ないのではないかという判断だ。
走行開始から15時間。眠気のピークは明け方に訪れるが、疲労のピークが訪れるのはこのくらいの時間であると思う。皆、かなりヘトヘトになってきているのがわかる。
・・・デニーズ効果+凍結路面を抜けて「もう何も恐くない」状態な自分を除いては。
マリオ「20km先にミニストップがあるので、そこでリタイヤして仮眠を取りましょう。」
ホラフキー「そうですね。そうしましょう。」
いや、ちょっと待って欲しい。まだ8時間半ある。これで150kmを走ればいいのだ。諦めるのはまだ早いんじゃないのか・・・と思ったが口に出すのはやめておいた。他の人を巻き込んで何かあっても自分に責任は取れない。チームとしてのDNFには従おう。
・・・ただし。DNF後どうするかは好きにさせてもらうぜ!(キュピーン
PC4は0時40分出発。休憩で再び体が冷えてしまったため、またしてもギヤを掛けて一人旅。さっさとミニストップについて仮眠を取ることにした。
大子からしばらく行くと、見覚えのある風景に行き当たる。袋田の滝だ。2年前、会社の知人と小旅行で来たことがある。ちなみにその時はもちろん自転車ではないw
・・・待てよ、次の休憩場所のミニストップってその時に寄った所じゃないか?
丁度、袋田の滝の手前で一旦コンビニ休憩をしたのがミニストップだった覚えがある。セブンイレブンなどに比べるとレアなコンビニであるミニストップであるため、位置的には恐らく間違いない。前に来た時は夏で、ソフトクリームを食べたっけなー、などと考えながら走る。残念ながら寒すぎてソフトクリームという気分ではないが。ちなみにこの時の気温は-2度くらい。北関東寒すぎ。
1時40分、山方宿駅前のミニストップに到着。やはり前に来たことのある場所だった。知っている場所に来ると安心する。これまで全く走ったことのない道を、全く走ったことのないシチュエーションで走ってきたのだから。
一足先についたため、ココアを買ってイートインで仮眠。今回気づいたが、ネックウォーマーはアイマスクにもなるw ウトウトしていると、自転車の走ってくる音。誰か追いついてきたかな?と思ったらアーツさんであった。やはりマリオさんの調子が悪く、遅れているらしい。
2時を回ると、マリオさん、ホラフキーさんが到着。この段階で残り120km。2時に出発できたとしても、あと7時間をグロスAve17km/hで走る必要がある。白河からの78kmに5時間半掛かっていることを考えると絶望的である。
マリオ「残念ですが、今回はここでDNFとしようと思います。
この後はリタイヤするもよし、ゴールまで走るのもよしです。」
baru「・・・では、ゴールまで行ってもいいですか?」
やはりここまで来て諦められない。何のためにあの凍結した雪山を走ったのか?記録としてDNFなのは良いが、最後まで走れないのは悔しい。止むに止まれぬ事情でなければ最後まで走る。認定はもらえなくとも、自分で自分を認定すればいいじゃないか。それが自己満足の極致、キャノンボールを生きがいとする者の結論。
アーツさんはちょっと反対そうだったが、最後には折れてくれた。
アーツ「じゃぁbaruさん、これ持ってってください」
と、餞別代わりに(?)渡されたのはスマートフォン。何だろう?と思ったら、
アーツ「僕のTwitterでイマココを自動的に出すように設定しておきます。
僕がまだ走っていると誰か勘違いするかもしれないしw」
最後までネタ好きな人であるw 実際、Twitterを見てた人は釣られた人も多かったみたいで。残念、走ってたのは私だけであった。
寝落ちする3人を横目に、ヘルメットを付けて走行準備。
Flecheは終わった。ここからはキャノボだ。
(つづく)
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