TOT2012(Tokyo-Osaka-Tokyo) ②静岡:富士~静岡:浜名湖

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富士の休憩地点からは@shunzzyさんが一緒に走ってくれた。清水駅まで見送ってくれるとのこと。

冨士川を渡り、富士由比バイパスの下をくぐった所で、右手から見覚えのある水玉ジャージが飛び出してきた。あれは・・・なるさん!?いつの間に追いつかれたのだろう。結構なペースで走っていたはずだが。なるさんは静岡県民だけあり、どこか自分が知らない抜け道を使ったのかもしれない。

なるさんのペースは速く、なかなか追いつかない。さすがに王滝100kmを7時間以内で走り抜けている実力は伊達ではない。由比の街を抜けて、寺尾交差点でようやく追いき、3人の集団に。キャノボではお約束の太平洋岸自転車道を行く。相変わらずココは走りづらい。駿河健康ランドの脇から東海道に復帰し、清水方面を目指す。いつもだとこの辺りから西風を感じるのだが、今回は無風か追い風基調。悪くない。

静岡駅の手前で@shunzzyさんとお別れ。しばらくはなるさんと先頭交代をしていたが、彼のペースがやたら速い。多分24時間切りを狙っているのではないか?というペース。これに付いて行ったら自分は往復出来ないと思い、脚を緩めて千切れた。遠くなる背中を見送る。キャノボルートで千切られるのは悔しいけど、今回は完走目的なので仕方ないと自分に言い聞かせる。

宇津ノ谷峠をトンネルで越え、藤枝→島田。この辺りは難しいバイパスも無くて楽である。特に何も考えずに突破。

09:12、セブンイレブン島田六合店に到着(212km地点)。なるさんを追いかけて頑張った区間があったおかげか?予定より23分も先行している。予定から速すぎても疲れるだけなので、ここで大休憩を取ることにした。

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まずは腰を落ち着けて、冷やしラーメンを食べる。普段の10月ならばこの時期に冷やしラーメンなんて売ってない気がするのだが、今年は暑いせいかまだ売っていた。疲れていてもスルっと入るのが冷やし麺の魅力。

そして、もう一つやるべきことがあった。道中、@D09SPEED(犬速)さんの指摘によって明らかになった絶望的な事実に対する対策だ。

今回は往復コースということもあり、着替えは必須。サポートカーに積んでも良いが、受け取れるとは限らない。郵便局留めで荷物を送る方法が最も確実だ。地域の本局には「ゆうゆう窓口」と呼ばれる窓口があり、更に大きい都市では24時間営業だったりする。セルフドロップバッグを行うには打って付けの場所が郵便局なのだ。

9月のうちにルート上にある全ての「ゆうゆう窓口」の情報は洗い出し済み。それによると、ゆうゆう窓口の守口支店(大阪府守口市)はルート上にあり、しかも24時間営業。ここならばスムーズに荷物が受け取れると思い、TOTスタート前日に局留めで荷物を発送していたのだ。

だがしかし。

  「午前4時の時間には守口市店のゆうゆう窓口閉まってますね・・
   最速8時からのようです。お荷物の受け取りは大丈夫でしょうか 」

   
犬速さんから上記のツッコミが入った。嘘だろ!?と思って携帯で調べてみると、確かに営業時間が「8:00~24:00」となっている。おかしい。確か自分が調べた時は24時間営業だったはずだが・・・ただ、事実として8時まで受け取れないのは確かだ。何とか手を打つ必要がある。確か近くの枚方郵便局にも24時間営業のゆうゆう窓口があったはず。そこに荷物を転送してもらえば良いのではないか?と考えた。

早速、ゆうゆう窓口の守口支店に電話をかける。

  「すみません、24時間営業だと思ってそちらに荷物を局留めで送ったんですが・・・
   近くの24時間営業のところに転送とかって可能ですか?」
  「あー、そうなんですね・・・
   実は今月から24時間営業じゃなくなったんですよ。」

   
・・・なんですと!?後で分かったことだが、赤字削減のために24時間営業の支店は2012年10月からかなり削減されたらしい。大阪府内の24時間営業支店はわずか3支店に削減されたそうだ。

  「というわけで枚方も24時間営業じゃなくなりまして。
   大阪駅の近くですと、大阪北郵便局くらいしかありませんね。」

   
大阪北郵便局には一度行ったことがある。東京→大阪キャノボを達成した時に荷物を送った郵便局だ。駅から結構遠く、アクセスの悪い場所にあったと記憶している。しかしそこでしか受け取れないならば仕方ない。そちらに転送してもらうようにお願いした。なんとか荷物は受け取れそうだ。

さて、島田が終わると大井川を越えてすぐに金谷峠に差し掛かる。キャノボならそれなりに踏んでいくところだが、今回は迷うこと無くギヤをインナーに落として回していく。脇に見える茶畑を見ながらゆるゆると登頂。一旦下って登り返す所にある茶屋で休憩を入れた。時間にはまだ余裕があるのでジュースでも飲もうかと。

ヒルクラ後の定番、ファンタグレープを飲んでいると、向こうから登ってくる自転車の影。誰だろう?と思ったらpa4fik0くんではないか。結構差を付けたような気でいたが、彼もいっぱしのキャノンボーラー。やるじゃない。

pa4fik0くんを見送り、ジュースを飲み終わった所で出発。登り返しを登って、一気にダウンヒルだ。掛川の街に入った所でpa4fik0くん補足。ふふふ、平坦なら逃がさんぜ?小集団で袋井のバイパスを通過する。この辺りは慣れたもので、体が勝手に反応してバイパスを回避してくれる。完全に東海道に調教されている気がする。

しかし、磐田に差し掛かった所でボトルの水が切れていることに気づく。pa4fik0くんには先に行ってもらうことにした。ダブルボトル体制にしたのだが、それでも水がすぐに無くなる。想像以上に気温が高い。Edgeを見ると、気温は30度を超えていた。10月なのに・・・真夏日。

天竜川を超えれば、浜松!鰻の誘惑に駆られながらも、慣れたルートで浜松バイパスに突入。トラックの走行風で一気に走りが楽になる。浜名湖の北を抜ける「姫街道ルート」の方が距離はたしかに短いのだが、快適度は浜松バイパスの方が上だなー、と個人的には思う。コンビニも多いし、平坦だし。

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12:20、セブンイレブン浜松篠原町店に到着(273km地点)。予定より15分早い。ここでpa4fik0くんに追いついた。が、トイレに入っている間に出発してしまっていたw うんうん、キャノンボーラーならそれでいいのだ。

Twitterの実況を眺めていると、どうやら逆方向から出発したアイスさんがそろそろここを通るとのこと。対向車線に気を使っているが、中々来ない。こちらもボーっとしている時間はない。とりあえず出発するか~と思ってコンビニの駐車場から出た瞬間。

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すれ違いの決定的瞬間。ホントにコンビニ出てすぐにすれ違った。

  「気をつけて!」
  「そっちも気をつけて!」

  
とエールを交わす。奇しくも、この場所はキャノボで261さんとエールを交わした場所から1kmと離れていない地点であった。今この瞬間、東海道を同じ思いで走っている人が他にもいるのだ。一瞬ではあったのだが、体に力がみなぎる。

これが、すれ違いの力。このイベントの真価はココにあるのだ。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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