TOT2012(Tokyo-Osaka-Tokyo) ⑦三重:四日市~愛知:豊橋

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四日市から先の道は夕方+F1効果の渋滞。思うようには進まないが、今更焦っても仕方ないのでマイペースで行く。

この辺りは淡々と走っていてあまり記憶が無い。抜け道もなければ近道も無し。気がついたら揖斐川・木曽川を越えて愛知県に入っていた。弥富~蟹江も特筆すべきことはなし。

18:44、2度目の名古屋突入。ここは人より車の偉い街。気を引き締めないと。そして名古屋と言えば、有名なキャノボ撮影隊の一人、八九さんの本拠地だ。名古屋を抜ける際、なんと動画を取ってくださっていた模様。その映像が、これだ・・・。

客観的にフォームを見ると体幹がブレていてアレである。

19:21、熱田神宮前交差点を突破(710km地点)。梅田新道から8時間と33分。この距離にしては悪くないペースだ。これも二人でツルんで来たからな気がする。一人だともっと休みが増えていたに違いない。そして伝馬町の交差点手前で信号を渡り、陸橋を迂回。なんと踏切が閉まっているではないか。珍しい。キャノボだったら焦るところだが、今回はもうそこまでタイムを気にしていないのでゆっくり待つ。この隙に携帯を見ると、キクミミさんは四日市でパンクしたとのツイート。パンクの神様降臨か。自分も気をつけないと。

松田橋を曲がり、一路南下開始。次の休憩ポイントの安城のコンビニまでは20kmほどだ。ここでずっと気になっていたことにツッコミを入れる。

  baru「チャリモさん・・・手痺れません?」
  
 
彼の自転車にはバーテープが巻かれていない。上面フラットなハンドルに素手である。1000kmクラスを走るというのに、だ。自分なんてSPECIALIZEDのRoubaixバーテープに、SPECIALIZEDのBG Glove。さらにインナー手袋も入れてる。対極だ。

  チャリモ「バーテープのデコボコで手が擦れるんですよね。
       グローブも同様で。
       完全にフラットにすれば擦れないはずなんです。」

       
       
なるほど。一理あるかもしれない。でも末端の冷えやすい自分には真似できない。

20:39、セブンイレブン安城東栄町に到着(734km地点)。腹が減ったので、ガッツリと補給。冷やし坦々麺にいちごオレ。

  チャリモ「その組み合わせ絶対合いませんよねw」
  
  
と言いながらもチャリモさんも全く同じ組み合わせで買っていたのが可笑しかった。言うまでもないが、この組み合わせは超絶に合わないw 完全にカロリーを取るだけの組み合わせである。

さて、次の目的地は豊橋のスーパー銭湯。本日の終着点だ。チャリモさんは携帯のシュラフがあるらしく、豊橋では止まらずにどこかで仮眠するという。ここまで約150km連れ立って来たが残念ながらお別れ・・・と思ったら。

  チャリモ「次に止まる極楽湯ってホテルか何かですか?」
  baru「いえ、スーパー銭湯ですよ。」
  チャリモ「あ、じゃ誰でも入れますよね。
       やっぱり僕も泊まります!」

       
       
ということで、パック継続が決定。30km離れた極楽湯に向かう。頭の中は風呂と睡眠一色。実はこの間、グロス23km以上出ている。ココに来てキャノボペースで走れたのは風呂と睡眠への執念が理由かもしれない。

22:35、極楽湯 豊橋店に到着(770km地点)。サポートカーに自転車を固定し、一目散に風呂へ!最後に風呂に入ったのは・・・家をでる前だから既に40時間以上前。シャワーは浴びたが湯船が恋しい。速攻で服を脱いで体を洗って湯船へ突撃!

   ぷはぁぁ~~~~・・・・
   
   
よく分からない声が出てしまう。ずっと緊張状態にあった筋肉がほぐれていく感じ。今までで一番気持ちのよい風呂だったかもしれない。とりあえず体中を湯船の中でマッサージ。ここで疲れを抜くことが出来れば、完走が見えてくるはずだ。

いつまでも湯船に浸かっていたい衝動に駆られたが、10分くらいで上がる。風呂も大事だが睡眠も大事。まだ湿っているレーパンとジャージを着直して、仮眠所へ。

仮眠所はただの畳の敷き詰められた10畳ほどのスペースだった。それでも疲れきった体には天国。寝転がるとまたよく分からない声が出る。ブルベでは、屋根付きのバス停を「帝国ホテル」と呼ぶことがあるそうだが、それならここはさしずめ5つ星ホテルか。寝っ転がって数分、意識はすぐに遠のいた。

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目覚めると、チャリモさんが出発準備をしている。2時間ほど眠れたか・・・。時刻は25:30。このスーパー銭湯は26:00で閉まるため、他の客も帰り支度を初めていた。サポートカーから持ってきたエアーサロンパスをアキレス腱と太腿に吹きつけ、靴下を履く。さすがに筋肉痛が辛い。もう800km近くも走っているのだ。寝る前にアミノバイタルは飲んだが、さすがに効きも悪くなってきていた。

外に出ると、かなり寒い。時刻は26:00。ウインドブレイカーを着こみ、体を温めるためにストレッチ。よーし、そろそろ行くかな・・・と思ったその時。我々の目の前を1台のロードバイクが颯爽と通りすぎていった。

   ・・・キクミミさんだ!!
   
   
いつの間に!?さっきTwitterをチェックした段階では「刈谷のスーパー銭湯にいる」とあったはず・・・。

  チャリモ「やられましたね・・・
       高度な情報戦が展開されてたんですよ!!」

       
       
な、なんだってー!!(AA略

  baru「とりあえず・・・追いますか!!」
  
  
タイム差は1分。相手は電子の妖精・初音ミク。

真夜中の追いかけっこの幕が切って落とされた。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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