Fleche2013(日本橋→三条大橋)~プロローグ

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悪夢のFleche2012から一年。今年もFlecheの季節がやってきた。

Flecheは1年に1度だけ開催される、チームブルベである。通常のブルベとの差異は以下の通り。

・1チーム3~5人で走ること。
・24時間以内に出来るだけ長い距離を走ること(360km以上で認定)。
・コースは各チームで作成すること。

Flecheの特徴は、各チームがコースを設定できることである。ゴール地点(Nice Placeと呼ばれる)のみが決まっており、どこをスタートして、どんな道を通るかは各チームの裁量に任される。ここがFlecheの面白い点であり、難しい点だ。昨年は日本海側スタートを選んだばかりに、雪地獄に陥ったことはこちらに書いたとおりである。

今年のNice Placeは京都。これを聞いた瞬間、頭の中でコースは固まった。

  東海道を端から端まで走る。

制限時間は24時間。走行距離は500km。次の挑戦は「チーム・キャノンボール」だ。

Flecheを走るためには、メンバーが必要である。今回は私baruがリーダーとなり、Twitterでメンバーを募集。「24時間で500kmを走る」という厳しい条件ではあったが、4人のロングライドの達人が集ってくれた。

■キクミミさん
各地のレースで初音ミクフォームで勝利を飾る有名人。昨年はTOTにも参加し、圧倒的な走力でトップタイム完走。ロングもレースもヒルクラもこなせるオールラウンダー。

■チャリモさん
「1000kmからがロングライド」と公言する聖地巡礼系ロングライダー。キクミミさん同様、TOTに参加して完走。平地とアタックが得意なパンチャー系?

■ゲンスケさん
昨年はキャノボ完走、サコライドも多数クリア。今年からブルベも始め、Fleche直前には大雨の400kmも見事に走りきった。私と同じくルーラー系?

■Miagi君
サコライド伊豆を一緒に走りきったGagazine記者。今年は仕事が忙しくてあまり乗れてない感じ?登りに情熱を燃やすクライマー。

全員、余裕を持って24時間で500kmを走れる強者ぞろいだ。ただし、それはソロの話。チームとなると話が違う。「複数人で走ればローテーションが出来るから速いんじゃないの?」と思う人も多いと思う。しかし、それはノンストップのレースに限ってのこと。信号停止や、休憩が不可避なロングライドの場合はロスの方が大きい。

 ・ペースが合わないことによる疲労。
 ・休憩のタイミングが合わないことによる疲労。
 ・トイレ休憩の時間は人数分掛かる。
 ・パンクのリスクやトラブルの確率も人数分増える。

Flecheはチームライドであるため、基本的に固まって走ることになる。しかし、今回の面子はソロ走行が得意であるメンバーが多く、集団でのロングが初めてに近い人もいる。本番前には2回の練習走行(日本橋~箱根まで)を行い、ペースや休憩について確認を実施し、ルールを決めた。具体的に決めたのは以下である。

 ・先頭は平地では飛ばしすぎないこと。上限35km/h。
 ・先頭は傾斜面は勢いで登らず、ギヤを落として登ること。
 ・前走者に付いていけないと判断したら、千切れること。
 ・先頭は後ろが来なかったら待つこと。
 ・停止からの発進は、後ろが付いてこられるようにゆっくりスタートすること。
 ・トイレ休憩や眠くなったらすぐに申し出ること。

ネット上ではあるが、議論も重ね、コースも時刻表も決定。後は走るのみとなった。

このメンバーで、これだけ準備を重ねたのだから、必ず京都まで完走できるはず。この時はそう思っていた。しかし、現実はそんなに甘くなかったのである。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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