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Fleche2014 準備編
しかしルートはどうするべきか。ここは迷った。
昨年のリベンジと位置付ければ、(逆向きではあるが)京都・三条大橋をスタートして東京・日本橋をゴールする「東海道制覇」のルートが相応しい。しかし、どうせなら京都と言わず、大阪・梅田をスタートして東京・日本橋をゴールとする「国道1号線制覇」を狙ってみるのはどうだろうか。
昨年と違い、今年は東へ向かう。Flecheの時期には西風が吹くことが多く、追い風が期待できる。天気さえ良ければ、追い風に乗って日本橋まで至ることも不可能ではないかもしれない。
ただ、問題となるのは「いざ鎌倉」というテーマとの矛盾。Flecheは
「NicePlaceまで矢(Fleche)のように走って集まる」
ことが主旨である。そこに、どう考えても鎌倉よりも遠い日本橋をゴール地点として申請するのはいかがなものか?
ここで思いだしたのは「20%ルール」の存在。Flecheでは、申請上のゴールに早く着いてしまった場合、残りの時間は走り続けなければならない。24時間時点の距離が申請したゴールまでの走行距離の120%に収まっていれば認定対象となる(走りすぎても失格となる)。
つまり、ゴールを鎌倉近辺にして、もし時間が余ったら日本橋まで走れば良い。
①大阪・梅田 ⇒ 神奈川・茅ヶ崎 (465km)
②神奈川・茅ヶ崎 ⇒ 東京・日本橋 (62km)
申請ルートは①とした。ゴールは鎌倉にほど近い、茅ヶ崎の名勝・烏帽子岩前。自転車乗り的には、Y’s Road 茅ヶ崎店がある場所としてもお馴染みだ。そして、もし余裕があれば、エクストラステージとして、②のルートを追加で走るプランで行くことを決めた。+62kmであれば、465kmの20%に収まるし、「時間の限り、出来る限り一直線で遠くを目指す」というFlecheの理念とも合致する。
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ルートは決まった。次はメンバー。
昨年のリベンジという位置づけであるため、まずは前回のメンバーに声を掛けた。ゲンスケさんとMiagi君は仕事の都合で今年は不参加。チャリモさんとキクミミさんは参加の同意を頂けた。
残る枠はあと2つ。日本橋までの到達を視野に入れるとなると、相応の走力を持つ人を仲間に入れる必要がある。幸いにも、大阪⇒東京を24時間切った経験者は回りに何人もいるので、その人たちに声を掛けてみたところ、AZEさんとHideさんの二人が手を上げてくれた。この二人は、東京大阪キャノンボールの中でも極北と言われる「中山道ルート(諏訪経由)」での24時間切り達成者。実力は申し分ない。
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続いては作戦。正直、集団でこの距離を24時間以内に走るのはかなり難しい。
「集団だとローテーション出来るし、一人よりも楽なのでは?」
と思う人もいるかもしれないが、それは余程足とライドスタイルが合っている場合に限られる。集団でロングライドをする場合、空気抵抗が減るというメリットはあるが、以下のようなデメリットがある。
①トラブルの確率が上がる
⇒パンクやメカトラの確率は人数倍になる。
眠くなるタイミングも人によって異なる。
②休憩時間が延びる
⇒PCとなるコンビ二ではトイレは人数分あることはまず無い。
休みたい時間も異なるため、休憩時間が延びがち。
③眠くなるタイミングが異なる
⇒人によって生活リズムも違うため、眠くなる
タイミングも異なる。置いていくわけにもいかない。
④足が合わなくて疲れる
⇒巡航速度はもちろん、一番疲れるのが信号加速の違い。
一般に体重が軽い人ほどトップスピードに乗るまでが早い。
マリオカートのノコノコとクッパの違いみたいなもの。
ほとんどの参加者が「Flecheは辛い」というが、それは上記のデメリットによるもの。要は自分で操作できないファクターが大幅に増えるのである。
これらのデメリットを可能な限りなくすため、事前にミーティングと、練習会を行った。昨年の教訓も含め、以下のような取り決めで走ることになった。
・大阪に前泊し、スタートは朝6時半
⇒前日、可能な限り睡眠を取り、眠くなるリスクを減らすため。
・スピードは上げすぎない
⇒平地では35km/h出ていれば、日本橋まで十分に届く。
信号加速も出来る限りゆっくりで。
付いていけないと思ったら千切れてよい。
・休憩回数は減らし、休憩時間も減らす
⇒休憩間隔は60~80km間隔として休憩回数を減らす。
2人がトイレに行っている間に2人は買い物をするなど、
休憩時間をなるべく減らすこと。
「こんな場合はどうする?」と顔を突き合わせて議論をし、上記の他にもなるべく細かい点まで取り決めを行った。走行中に議論をするのは時間の無駄。想定できることは全て出しておいたほうが良い。
(続く)