本州一周TT 1日目(東京都・日本橋~福島県・白河)

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青森までのルートは、基本R4。スタート後はすぐに昭和通りに入る。信号には多く引っかかるものの、巡航速度は40km/h前後。集団なので心拍はそこまで上がってはいないが、明らかにこれから3500kmを走ろうというペースではない。ただ、TOTの経験からこういう展開になるのは織り込み済み。とりあえず都内脱出までは付いていくことにする。

上野駅あたりで、後ろに付いていたキクミミさんからこんな指摘があった。

 「そのサドルバッグ、フリフリ動くね。」
 
“そのサドルバッグ”とは今回耐久テストとして借りていたsuewのReraという大容量サドルバッグである。私はかなり後ろ乗りということもあり、太腿がペダリングの度にサドルバッグに当たって揺れてしまう。もっとも必要以上に揺れてしまうのは私の取り付け方法に問題があったかららしいのだが……。このサドルバッグの揺れについては、最後まで悩まされることになった。

R4で都内から脱出するまでには、自転車が通れない橋が3箇所存在する。千住大橋と千住新橋は、私が前に出て先導して回避。

北千住を過ぎたあたりで、信号によって集団は分断。前を行く集団にはR4を通して走ったことがある人はいなそうだが、残り1つの橋(毛長川橋)の回避は大丈夫だろうか。こちらの集団には、この道を日常的に使っているキクミミさんがいたので、スムーズに毛長川橋をクリア。ここからは埼玉県だ。

埼玉に入ってしばらく走ったところで前の集団に追いつく。しばらくは集団のペースも落ち着いていた。

利根川を越えると道幅も広くなり、バイパス然とした道になる。風は追い風基調。こうなるとスピードはもちろん上がる。巡航速度は40km/hを軽く超え、心拍数も160bpmを超えた。そして、ざくさんが先頭に出てエアロバーを持って巡航を始める。メーターは45km/hを指していた。

……そろそろ潮時か。

ペダリングを緩め、自主的に集団から離脱する。何しろ3500km、10日間の長丁場である。ここで距離を多少稼ぐより、体力の温存を優先すべきと考えた。特に、自分の場合は膝とアキレス腱に不安がある。踏みすぎたことにより、これらの場所に痛みが出ればリタイヤは確実。であれば、マイペースで行くべきだろう。「ウサギとカメ」のカメ作戦だ。

古河のセブンイレブンで最初の休憩を取る。気温も落ちてきていたので、ハンバーガーを購入。頬張りながらストレッチを行う。

5分ほどの休憩で走行再開。30km/hほどで飛ばしすぎないようにマイペースで走る。栃木に入り、宇都宮はバイパスでクリア。徐々に空も白み始めてきた。ここから鬼怒川沿いに北上するわけだが、曲がる手前のコンビ二でコーヒーを飲む見覚えのある人。チャリモさんである。彼も集団から千切れたとのこと。挨拶だけして先に行くことにする。長い道中、すぐにどこかで合流するはずだ。

鬼怒川を渡る橋の上では、宇都宮在住の片岡さんが応援に駆けつけてくれていた。こちらも挨拶だけして先を急ぐ。無愛想でスミマセン。

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氏家のセブンイレブンで2度目の休憩。マーボー丼をガッツリと食べ、英気を養う。Twitterを確認すると、先頭集団とは既に10km以上の差がついているようだ。そんなペースで最後まで持つんだろうか……と、人の心配をしていても仕方ない。ストレッチをして再出発する。

矢板を過ぎると、那須高原に向けて徐々に登りが始まる。逆方向から来ると程よい斜度で楽しいダウンヒルなのだが、こちらから登るとダラダラと長い登りがひたすら続く印象。正直退屈である。

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那須の最高標高点を越えると、福島県。関東ステージが終わり、東北ステージの始まりだ。本来盛り上がる所だが、那須の登りですっかり退屈してしまい、睡魔が頭をもたげてきていた。意識が落ちるほどではないものの、このまま走り続けるとヤバイ気配。「青森→東京」の経験から、R4上の仮眠可能場所は押さえている。あそこに行こう。

白河女石のミニストップで、うどんを食べながら寝落ち。何気にこの場所で寝るのは三回目。もはや定宿と言っても良い。20分くらい眠れたようで、眠気はとりあえず飛んだ……かに見えた。

(つづく)

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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