この記事は約 2分で読めます。
本州一周TT プロローグ
2013年秋。「青森⇒東京」のチャレンジを終え、しばらくロングライドから離れていたある日のこと。チャリモさんが不意にこんなことを言い出した。
「本州一周やろうぜ。年末年始で。
日本橋出発で日本橋に戻ってくるやつ。3500km!」
何言ってんだこの人は。
「1日400km走れば9日あれば走れるよ。」
1日400km。ワンデーならまだしも、何日も連続で走るなんて非現実的な話だ。第一、冬の東北なんて雪で走れたものではないはず。まぁ、たぶん彼なりのジョークなのだろう。軽く流すつもりで、こう切り返した。
「年末年始とか、東北は雪だから無理でしょ。」
「……じゃあ、
雪が降ってなければいいんだね?」
「お、おう……」
やられた。最初からこれが狙いだったのか。
こんな数回のやり取りで3500kmを走る謎イベント「本州一周TT」にエントリーが決まった。200、300、400、600kmを当年に走らないと参加できないPBPに比べて、あまりにもあっさりと3倍の距離を走ることになってしまったわけである。
-----
本州一周といえば、大学生が夏休みを丸々使って走るようなコースだ。東京⇔大阪にしろ、日本縦断にしろ、既にファストランとして走っている人は大勢いる。しかし、本州一周をファストランで走ったという話は聞いたことがない。
開催は2014年のGWと決まった。幸か不幸か曜日の並びはよく、一般的なサラリーマンならば2連休を取得出来れば11連休(!)となる。9日はさすがに無理としても、10日ならば1日350km走れば完走できる。かなりキツいが無理とは言えないギリギリの数値だ。
「もしかしたら行けるかも……」
可能性が示されれば、実現に向けて検討をするのがロングライダーの性(さが)。本番に向けて、走行計画や装備を煮詰めて行ったのだった。
-----
本州一周TTのレギュレーションは以下の通り。
・東京をスタートし、半時計周りに本州を一周して東京に帰ってくる。
(TTはTokyo to Tokyoの意もあるとかなんとか)
・ルートは、一桁国道準拠。
①国道4号(東京→青森)
②国道7号(青森→新潟)
③国道8号(新潟→京都)
④国道9号(京都→門司)
⑤国道2号(門司→大阪)
⑥国道1号(大阪→東京)
・9日以内で達成、9日以上で完走とする。
ブルベと違って厳密なキューシートは無く、必ず通らなければならない場所も無い。「大体一周していればOK」という緩い縛り。ただ、距離は全く緩くない。短めに引いたとしても、3400kmを超えてしまう。
果たして、この距離を10日間で走ることが出来るのだろうか?
(つづく)