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BRM919宮城1000 ⑥PC5:久慈~PC6:五戸
9/20 20:58、PC5:サンクス久慈野田店(462km地点)に到着。「久慈に九時前に着く」という下らないネタのためにちょっと頑張ったが、何とか2分前に滑り込むことが出来た。
長い長い三陸海岸ステージがこれでようやく終わった。PBPを意識したと言われるこの区間はたった70kmほどとは言え、かなり走り応えのあるものだった。この区間でトラブルなどがあった場合はリタイヤするのも大変(交通手段が無い)ので、ここまで無事に来れたことで、ようやく第一段階クリアといったところだろうか。
事前の調査によると、久慈には健康ランドがあるという。夕方に一時間半寝たとはいえ、ここで大休憩を取らないとこの先も走り続けるのは辛いはず。事前の予定通り、健康ランドで寝ていくことにした。
久慈のPCを出て10kmほどで、「古墳の湯」という案内看板が出ていた。ここを右折すると、間もなく登りが始まる。斜度は10%前後と、完全に「寝たい」モードに入っている体には堪える斜度だ。登れど登れど明かりは見えず、本当にこの道で合っているのか不安になる。
登り始めて5分ほど経った頃、ようやく健康ランドが見えてきた。駐車場に入ると、建物前には既に何台かのロードバイクが並んでいる。どうやら先客のようだ。施錠をして中に入り、券売機でチケットを購入。風呂の利用料は500円と安いが、仮眠室の利用は1500円掛かるとのこと。
仮眠をしたい旨を受付に伝えたのだが……
「すいません、仮眠室は既に一杯です。お風呂のみの利用なら受け付けます。」
シルバーウィークに加え、嵐のコンサート効果がここまで波及しているのか? 山奥の健康ランドの仮眠室が一杯になっているなんて全く想定外であった。かといって、ここまで来て風呂にも入らずに引き下がることは出来ない。とりあえず風呂には入る。いったん暖かい風呂で筋肉をほぐし、水風呂に浸かって炎症を鎮めるいつものパターンで入浴する。
風呂から出てみると、食堂の床で寝ている人が居た。なるほど、この手があったか!と思って寝転んだが、受付の人がまもなくこちらにやってきた。
「ここで寝るなら1500円払ってください。」
食堂のゴロ寝で正規の仮眠室と同じ料金を取るのかぁ……と思ったが、逆に考えれば「1500円払えば大手を振って寝られる」ということ。これから宿泊場所探しに奔走することを思えば、そのくらいは安いものだ。素直に1500円を支払い、食堂で4時間ほど仮眠した。
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日付は変って9/21 2:30にリスタート。気温はすっかり下がり、10℃となっていた。レインウェアを羽織って出発する。
先ほど登ってきた坂を下って、正規ルートに復帰。下りで冷えた体を温めるため、強度を上げて走っていく。ここからは三陸海岸を離れて、内陸の十和田湖方面を目指す。海よりも内陸の方が当然寒いわけで、気温はどんどんと下がっていった。
9月だというのに、吐く息が白い。気温表示を見ると6℃まで下がっているではないか。「PBP(最低8度)より下がることは無いだろう」と思い、PBP準拠の装備で来たのだが、もう一段階防寒装備が必要だったようだ。念のため持ってきたネックウォーマーを付けることで何とか体感気温を上げて対応した。
赤石峠のダウンヒルを寒さに震えながら下り終えると、そこにはローソンが!極力PC以外のコンビニには寄らない方針だったが、たまらず吸い込まれる。こんなときに食べるものといえばアレしかない。カップヌードル。美味い、本当に美味い。軒先で食べていたら、匂いに釣られたのか後続の参加者たちも次々と吸い込まれてきた。カレー味のカップヌードルの吸引力、恐るべし。
なんとかカップヌードルで体温を回復させて先を急ぐ。徐々に夜は明けてきたが、気温の上昇と共に霧が出てきた。寒さ→霧のコンボはPBPの明け方を思い出させるには十分な演出だった。一時は10m先が見えなくなるほどでかなり慎重に運転することを強いられた。
(つづく)