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PBP 2015 本編②Mortagne-au-Perche ~ Villaines-la-Juhel(220km)
8/16 23:50、日付変更間近に最初のポイントであるMortagne-au-Perche(140km地点)に到着。
ここまでのグロス時速はなんと時速28km。それもそのはず、信号で止まったのはここまでたった一度。巡航速度がほぼそのままグロス速度になるわけだ。
PBPでは、ブルベカードにチェックを貰う必要のあるポイント(PC)と、貰う必要のないポイントが存在する。往路のMortagne-au-Percheは後者であり、ここではチェックを受ける必要はない。いわば補給ポイントだ。
主催の用意したポイントは、地元の体育センターや公民館的な施設を利用しているようで、かなり規模が大きい。もちろん場所によって差はあるのだが、乗鞍観光センター程度の規模があると思って貰えればよい。
時間差があるとはいえ、6000人以上の参加者が自転車を置き、サポートカーが駐車することを考えるとこれくらいの規模は必要なのだろう。
これだけ規模が大きいと、PC内の移動だけでかなり時間が取られる。駐輪場と、食べ物の買える施設は離れていることもあり、施設内の案内標識(WCとかEAUなどの文字とともに矢印が書かれている)をよく見ておかないと無駄に歩かされるので注意が必要だ。
とりあえず食べ物を買えるところを探していると、
「ばるさん!」
と声を掛けられた。一足先に到着していたふぃりっぷさんだ。手にはコカコーラとフランスパンらしきものを持っている。
ば「それ、どこで買ったの?」
ふ「目の前のBARで売ってるよ。」
この時はまだ理解していなかったが、各ポイントには2種類の喫食施設がある。バーとレストラン。前者は主に飲み物とサンドイッチ(フランスでは、フランスパンにハムやチーズを挟んだものを指すらしい)等の軽食を買える場所。後者はサラダや主食等を選び、座って食べられる場所。フィリップさんは、バーでコーラとサンドイッチを買ったようだった。
周りを見ると美味しそうにサンドイッチを食べる人たち。自分も食べたくなりサンドイッチを注文したが、まさかのパン切れ。どうやら店員さんの予想を超える勢いで注文が集中したようだ。ランドヌールの食欲恐るべし。結局、バーではコーラのみを注文した。
コーラと手持ちの補給では80km先の次のポイントまで持つか微妙である。何か食べ物は買えないものか…と見回していると、売店を見つけた。日本でもお馴染みのパワーバーや、見たことのない補給食も売られている。ここでチューブやタイヤなども買えるようだ。若干値段設定は高めだったが、エナジーバーを2本購入。手持ちの補給と合わせれば、なんとか次のポイントまで持つだろう。
トイレに行っている間に、ふぃりっぷさんは先にスタートしていた。追いつける気がしないのでマイペースを心掛けて先に進むことにする。来た方向に戻ろうとすると、スタッフらしき人に引き止められる。何かと思ったら、
「Brest is the other side!」
入口と出口は逆にあるということらしい。礼を言って、逆側の出口から次のポイントへと出発した。
—–
再び、街と田園地帯のループへ。この辺りは様々な自転車のオブジェが見られた。ネオンサインに浮かび上がる自転車と「BREST」「PARIS」の文字。時間は深夜だったが、テンションを高く保てたのはこれらの効果が大きい。
0時を回ると肌寒さを感じるようになった。気温は13度。ウインドブレーカーを着るのが面倒だったので、強度を上げて乗り切る方法を選択。しかし、これが失策。水が底を付いた。どうしようかと考えていると、私設エイドを発見!道端に置かれた机の上に、コーヒーや水などが置かれている。これ幸いと止まって、水を求める。
「Water please.」
しかし、言われた女性はキョトンとしている。水はwaterで通じないのか…ボトルを指さし、身振り手振りで伝えると、
「…Aqua?」
との返事。なるほど、フランスで水が欲しければaquaと言わなければいけないのか。これはPBPでの必須単語だ。無事に水を注いでもらい、「merci」とお礼を言って再び出発する。
深夜2時を回ると、チラホラと道端にあるものが見られるようになった。PBP名物「行き倒れ」こと、道端で仮眠している人たちである。PBPルートにおける田園地帯では、路肩に2m程度の芝生が広がっており、そこに着の身着のままで寝ている人たちが多数。寒くないのかな、と人事ながら心配になる。
ちなみに、仰向けで整然と寝ているとオフィシャルのバイクは通り過ぎていくが、うつ伏せになっていたり、おかしな格好で寝ていると即座に起こされるらしい。事故や急な体調不良の参加者を助けるため、運営側もその辺りにはかなり気を使っているようだ。