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PBP 2015 本編⑧Brest ~ Carhaix(698km)
8/18 7:25、折り返し地点であるPC6:BREST(614km地点)に到着。出発から35時間40分が経っていた。
これでようやく半分。つまりもう一回同じ距離を走らなければならない事実に気が滅入る。ただ、知らない街であるためか、TOTの時のような「終わった」感が無かったのは救いだ。
まずはControlに行き、チェックを受ける。その後は食事。このPCはControlとレストランの距離がかなり離れており、自転車で移動しないとキツい。しかし、もう焦る気持ちも起きなかったので、徒歩で移動した。
レストランではラタトゥイユを食べた。海の近くということで魚料理があることを期待していたが、残念ながらそういったものは無し。これまでのPCと同様、パスタとパンの食事となった。食後はサドルバッグを枕に10分ほど仮眠。
駐輪場に戻って出発の準備をしていると、hideaさんがPCに入ってきた。会うのはこれで三度目だ。
BRESTの出口にあった案内看板。ついに行き先が「BREST」から「PARIS」に切り替わった。いよいよ復路の始まりである。
BRESTのPCを出発してしばらくは街中を走る。ここまでほとんど見なかった信号だが、久々に連続して赤信号に引っかかった。日本を思い出し、少し落ち着く。ふと、前に停まっている欧米人を見ると、微かに違和感を覚えた。何が変なのだろう……そうだ、彼は左足を地面に着いている。基本的に欧米は右側通行であるはずで、地面に着くなら右足のはずなのだ。ナンバープレートに書かれた国旗を見るとユニオンジャック。なるほど、イギリスは欧米では数少ない左側通行の国。やはり染み付いたクセというものは中々抜けないものらしい。
街が終わると、また霧が出てきた。この時期のフランスは霧が出やすいのだろうか。いくつかの丘を越えると、再び最高標高地点のTrevezelを目指して登りが始まる。往路よりも復路の方が若干勾配が急であり、スピードは乗らない。しかし、それは誰もが一緒のようで、私の周りの人たちは皆マイペースで走っているように見える。早朝の時間帯を過ぎると、徐々に霧は薄らいでいった。
650km地点で、往路と同じ道に合流する。再びルート上の最高地点・Trevezelを目指す登りの途中では、多くの参加者とすれ違うことになった。異様に目立つ、AJの反射ベストを目印に、日本人とも互いにエールを交換。一番眠くなる明け方を終え、皆元気に走っていた。
行きは真っ暗で気付かなかったが、Trevezel周辺は本当に景色が良い。「これがヨーロッパだ!」と言わんばかりの壮大な風景が広がっている。日本では2000m級に行かないと見られない景色が、ヨーロッパでは標高300mで見られるのだから羨ましい。
最高地点からは、道中で一番長いダウンヒル。気温はグングン上がっており、寒いと言うこともない。この辺りは目立った痛みもなく、一番走っていて楽しい区間だった。
CARHAIXの街に入り、もうすぐPCというその時、長い間焦がれた看板が目に入る。マクドナルドだ!PCのクローズ時間まではまだまだ余裕があるので、立ち寄りを決定。
お昼時のマクドナルドは日本と同様に人で溢れていた。とりあえずレジに並んでいると、案内役と思しき女性に話しかけられる。
「Can you speak English?」
「A little…」
「OK, come with me.」
そう言われ、液晶パネルの前に案内される。どうやらタッチパネルで注文できる装置のようだ。この装置はフランス語だけではなく英語にも対応しており、メニューと席の場所を指定すると注文完了。クレジットカードで支払いも出来る優れもの。日本よりも進んでいる。
→http://rocketnews24.com/2012/06/25/221273/
しばらく席で待っていると、注文したビッグマックセットが運ばれてきた。あれ、サイズは日本と同じだ。勝手にアメリカンサイズを想像していたが、バーガーもポテトもドリンクも、全てが日本と同じサイズ。味付けも日本と同じで、若干ポテトの塩気が弱いくらいしか違いを見出せない。
後で調べたところ、アメリカ以外のマクドナルドは基本的に同じレシピで造られるらしい。期せずして「日本の味」を食べることが出来て元気が出た。