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PBP 2015 本編⑩Loudéac – Tinténiac(836km)
8/18 18:10、PC8:LOUDEAC(780km)に到着。当初の予定よりも3時間半は早い。
チェックを受けて、再びドロップバッグを受け取る。勝手が解っているので往路よりもスムーズだ。そのまま荷物を持ってシャワーへ向かう。
ドロップバッグエリアには、DNFを決めたカマノ夫妻と会話。二人はタンデムでここまでやってきたはずだが、そのタンデムをパリまで「ソロタンデムのプロ」に自走で運んでもらっているらしい。世の中には訳の解らない剛脚がいるものだ。
シャワーで体を洗っていて、嫌なことに気付く。臀部から足の付け根にかけて湿疹が出来ていた。先ほどからヒリヒリしていた原因はコレか。皮膚保護クリームを使い始めてからと言うもの、この手の湿疹は出たことが無い。恐らく原因は、このフランスのトイレ・シャワー環境の悪さによる雑菌の繁殖である。
ここまで散々語ってきた通り、フランスのトイレ環境は日本と比べると良くない。ウォシュレットは無いし、便座すら無いこともある。更に、シャワーも天井からお湯が落ちてくるのみで、下半身をきちんと洗うことは難しい。更に今回は、往路のLOUDEACでのレーパンの着替えを怠ったのも良くなかった。
日本でのロングライドであれば、ビジネスホテルなり健康ランドで下半身の清潔さは保てるのだが……やはり環境の違いというものは大きい。今更遅いかもしれないが、念入りに下半身を洗いシャワー室を出る。保護クリームを大目に塗りこみ、新しいレーパンに交換。これで何とか良くなってくれればよいのだが……。
仮眠所に行き、4ユーロを払う。予定ではここで4時間寝るはずだったが、ここまで仮眠を多めに取れているので2時間半後を指定した。ベッドに案内され、割とすぐに眠りに落ちた。
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2時間20分ほどで、スマホの振動で目を覚ます。往路と同様、寝る前はガラガラだったベッドが満杯になっていた。周りを見ると、日本人と思われる人たちが多い。どうやら、国籍でエリアが分けられているようだった。
出発の準備をしていると、指定した時間になったようで受付の人が起こしに来た。どうやら早く出ろと言っているようだ。この混雑している状況では睡眠延長は出来ないと言うことらしい。
ドロップバッグを預け、自転車に戻る。出口から出ようとすると、スタッフの方に制止された。
「Gilet?」
Giletとは、反射ベストのこと。時刻は21:30、ちょうど夕暮れ時である。夜間は反射ベストを着るのがルールなので、呼び止められたのだろう。しかし、私は既に反射ベストを着ている。AJの反射ベストは反射面積が小さかったので、恐らくスタッフの方も気付かなかったと思われる。
「着てるよ!」
とばかりに反射剤を指差す。解ってくれたようで、「C’est bon(OK).」と返されて送り出された。しかし、着ていないと誤解されてしまう反射ベストはいかがなものか。次回があるなら、もっと反射剤の面積を大きくして視認性を上げて欲しいものだ。
出発してすぐに日が暮れ、辺りは闇に包まれた。3度目のナイトラン開始。
8/19 00:30、補給ポイントのQUEDELIAC(836km地点に到着)。ここに来ても、1時間当たりのグロス速度は20km/hと中々の数値を示している。
Twitterを見ていると、2つ先のPC(Fougères)でふぃりっぷさんが大休憩を取っているようだった。ロシア人とスプリント勝負をして膝を痛めたらしい。一体何をしているのかw
「夜明けまではPCで寝る」との言葉を信じれば、6:00頃までは滞在しているはず。ここからFougèresまでの距離は約80km。次のPCであるTinténiacで1時間を過ごしても、ふぃりっぷさんがPCを出発する前に追いつく計算になる。
ならばゆっくりしている暇は無い。補給食を買い、トイレだけ済ませてすぐに出発することにした。
目指すは次のPC、Tinténiac。距離は26kmと短いのだが、残り8kmくらいの地点で若干睡魔に襲われた。結構寝ているはずだが、やはり深夜は辛い。早く進みたいのは山々。しかし安全が最優先。次のPCでは若干の仮眠を取ることにした。