この記事は約 4分で読めます。
PBP 2015 スタート当日
朝5時半に起床し、眠い目をこすりながらドロップバッグに荷物を詰める。
ドロップバックの準備
ドロップバッグは、コース中に予め荷物を送っておけるサービスのこと。着替え・食料・電池など、道中では容易に手に入らないものを入れることが多い。PBPでは公式のドロップバッグサービスは無いが、各国のツアー会社がドロップバッグサービスを用意している。私は日本の「グッドウィルツアー」のドロップバッグサービスに申し込んでいた。
今回、ドロップバッグはLoudeac(448km地点、780km地点)という街に置かれる。PBPは往復コースなので、2度荷物を取り出すチャンスがある。大体、全工程を1/3した箇所にあるので、ここで大休憩を取るようにプランを立てる人が多い。私も同じで、ここでシャワーと睡眠を取る予定を組んでいた。シャワー前にウェアを着替える想定で、2回分の着替えを入れておいた。他に入れたのは、食料と電池類など。
7時には詰め終わり、朝食を食べて再度ベッドへ。スタートは夕方18時。少しでも寝貯めしておかないと。なんとか2時間仮眠。
ドロップバックの預け入れ
11時にHideさんとホテル前で待ち合わせて、ドロップバッグの預け先であるCampanile Hotelへ。天気は上々、とりあえず今日のうちは雨に降られることは無さそうだ。
ドロップバッグを預け入れる。日本からの参加者の大半が利用しているようで、バッグの数も凄い。
預けた後はそのままHideさんとランチ。ピザを注文したが、10ユーロ(1400円くらい)で、日本で言うLサイズが出てきた。カーボローディングとばかりに頑張って食べたが、さすがに全部を食べることは出来なかった。
あと、店員の態度が物凄く悪かった。日本人に何か悪い印象でもあるのかと思ったが、普通にフランス人にも感じが悪かったのでそういう人なんだろう。
ホテルに戻る途中のSPAR(日本にもかつて存在したHOTSPARのオリジナル)で買い物。フランスのスーパーは日本みたいに小分けになっておらず、どれもこれも大きい。カロリーのありそうなワッフルとパン、チョコレートを購入した。
ホテルに戻って三度ベッドへ。再度2時間の仮眠を取った。
いよいよ出発
15:30に目覚めて、いよいよスタート準備。ウェアに着替えて外に出る。
すると、ホテル前の道に人だかりが。どうやら、そろそろ16:00スタートの先頭集団がやってくる時間らしい。私たちの泊まったホテル前の道は、PBPの大会コースなのだ。
先導のバイクの後を、グランツールもかくやという大集団が駆け抜けていく。時速45kmは出ているだろうか。元々PBPはツール・ド・フランスより先に始まったレースイベント。ブルベとして運営されている今も、先頭集団はレースをしているのだ。
第一集団を見送り、いよいよ自分たちもスタート地点へと向かう。私以外の日本人メンバーは、Saint-Quentinの駅前のカフェで食事を取るという。私はSPARで買った食料があったので、一人ベロドロームへ。その途中で、第二集団ともすれ違った。この集団も80時間の部の出場者であるわけで、少々殺気立っているように見えた。
ベロドローム到着
ベロドロームに到着。
既にスタートが切られているせいか、盛り上がりは最高潮だ。日本で言うと、宇都宮ジャパンカップ・さいたまクリテリウムくらいの盛り上がりに感じられた。
食料は持ってきたものの、少し腹にモノを入れておいたほうが良いだろう……ということで、球場のビール売り子スタイルでパンを売り歩いているお姉さんからクロワッサンを購入。パン3つで2ユーロくらいだった。合流した「といち」さんと雑談しながら2つを食べて、1つは背中に入れておく。
私とふぃりっぷさんが出走するM組(18:45スタート)は18時に召集だったのだが、ふぃりっぷさんが中々会場に現れない。といちさん(19:00スタート)が「じゃ、お先に」と行ってしまったので、さすがに焦って電話をかける。現地で調達したブイグテレコムのSIMカード、無料通話付きのプランにしておいて正解だった。
ば「もう召集始まってるけど、今どこ?」
ふ「今ロータリーのトイレで順番待ってる。」
ば「ベロドローム前のトイレの方が数もあって早いよ!」
ふ「そっち行くわ。」
ベロドローム前には8機ほどの仮設トイレが設置されていた。他にも、飲み水を補給できる水道も設けられており、前回大会よりも改善されているようだ。
スタート待機
間もなくふぃりっぷさんが現れ、トイレタイムを待ってスタート待機の列に並ぶ。
こりゃースタート時間は繰り下げかな……と思ったのだが、列の先で改めてスタート時間ごとに並びなおすことになった。イメージとしては、マウンテンサイクリングin乗鞍のスタート前のような感じ。
私とふぃりっぷさんが並んだのは「M」の看板の前だった。
ば「ドMの”M”だね。」
ふ「間違いない。」
これから1200kmもの距離を走ろうとする人間にはお似合いの文字である。
18:40になり、ベロドローム前のスタートゲートに移動。ライダーと観客を仕切る柵の外を見ると、R宮城のYO-TAさんの姿が。見送りに来てくれたらしい。周囲では、フランス語・英語……様々な言語が飛び交っている。明らかに今まで参加してきた自転車イベントとは異なる雰囲気だ。
司会者によるフランス語のカウントダウンが始まる。気分はツールドフランスのTTステージだ。
「… cinq(5), quatre(4), trois(3), deux(2), un(1), zéro(0)!
Allez!!」
8/16 18:45、定刻通りにスタート。「ブルベの最高峰」とはいかなるものか。ここから始まる1200kmの旅路に期待と不安を感じながら、ペダルを踏み出した。