Fleche2017 本編①伊勢~鳥羽(15km)

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スタート当日。雲は重く、今にも雨が降り出しそうだ。全員、最初から雨装備をフルで固めての出陣となった。

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4/8 8:00。伊勢神宮・内宮前にある「サークルK 伊勢内宮前店」でレシートを貰い、スタート。

間もなく雨が降り出す。前日から降ったりやんだりの天気で、既に路面はウェット。ウェット路面の場合、気をつけることが増えるのが厄介である。金属製のグレーチングや白線は滑りやすくなるし、路肩に異物が集まり、パンクしやすくもなる。

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フレッシュ特有の問題が、前走者の跳ね上げる泥水である。

フレッシュは「チームブルベ」であるので、一緒に走らなければならない。となると、先頭の走者以外は前走者のタイヤが跳ね上げた、泥を含む水しぶきを浴び続けることになる。

サイクルキャップを被っていれば、斜め上から降ってくる雨はツバの部分が防いでくれるが、タイヤが跳ね上げた水しぶきは下から来る。すぐにアイウェアが汚れてしまうのだ。それに、顔に水しぶきが掛かり続けるのは気持ちのよいものではないし、ストレスフルである。

こうした事態を防ぐため、うちのチームでは全員がフルフェンダーを装着。以前のフレッシュで泥除けの必要性を痛感した私からお願いして、事前に用意していただいた。その甲斐はあって、後ろについても飛んでくる水しぶきは少ない。この天気で泥除けを付けてきたのは大正解であった。

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さて、ここから目指すのは15km先の、鳥羽フェリーターミナル。愛知県の渥美半島とを結ぶ伊勢湾フェリーの港だ。フェリーの出港時間は9:20。20分前までに乗船手続きを終えなければならないので、1時間でフェリーターミナルに到着している必要がある。

伊勢市から鳥羽市の間には小さな峠があり、少々のヒルクライムとなる。ウェット路面のダウンヒルを終え、先頭でしばらく走っていると、後続のコトノハさん&はるさんが大きく離れている。どうやら、はるさんがパンクしたようだ。前日の作戦会議で「まさかフェリーに乗るまでにパンクしないよね?」と言っていたことが現実になってしまった。

この時点で8:45。残り1kmほどでフェリーターミナルとは言え、そこまで余裕は無い。しかし、そこは流石の早さでパンク修理を終えて復帰。8:55にはフェリーターミナルに到着することが出来た。

自転車を壁に立てかけて、向かうはチケット売り場。そこで、はるさんが「あっ!」と声を上げる。

 「やばい、アイウェアをパンク現場に忘れてきた……」
 「チケットは買っておくから、取りに行ってきて!」

 
そそくさとアイウェアを取りに戻るはるさんを見送る。では、その間にチケットを買おうと受付に向かった所……

 「大変申し訳無いのですが……
  本日濃霧で出港が見合わせになるかもしれません。
  9:10に最終決定を放送します。」

  
受付のスタッフの方の衝撃の一言に、言葉を失うチームメンバー。

そして、9:10。ターミナルに放送が流れる。

 「お客様にご連絡致します。
  本日、9:20の便は……
  濃霧のため、欠航致します。

スタートからまだ1時間。早速、DNF(リタイヤ)の危機が訪れた。

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どうなる、2017年のフレッシュ。

(つづく)

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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