Fleche2017 本編④名古屋~豊橋(198km)

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144km地点の名古屋に到着。スタートから8時間、平均速度は18㎞/hまで回復していた。貯金は1時間超あったので、ここで大休憩を取ることに。

休憩場所として選んだのは、2014年と2015年のフレッシュで使った「ローソン 中川東中島店」。トイレが大きくて綺麗だったのが理由。相変わらず綺麗な店内とトイレであった。

ここで、ようやくAR日本橋の代表に連絡がつながる。ルート変更はOKとのこと。ここまで来て失格だったら目も当てられないので、ほっと胸を撫で下ろす。一応、迂回したことの証明として、このローソンを臨時PCとし、レシートを持っておくことになった。

さて、四日市の市街地から名古屋までの約2時間は降雨量0mm。時には晴れ間も見えた。このままの天気が続いてくれれば……と思ったが、雨雲レーダーアプリを見て絶望する。特大の雨雲が迫ってきていた。

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数分待てば過ぎ去るレベルのものではなく、名古屋から豊橋間をすっぽり覆うような雲が帯状に100㎞程度伸びている。これはどうやら名古屋市を出るあたりから降られそうだ。しかも、厄介なことに、これから突っ込もうとしている場所に緑の領域がある。今使っている雨雲レーダーアプリでは、降水量が少ない方から順に、「水→青→緑→黄→赤」と変化する。緑は降水量が20mm以上。本格的な大降りと言って良いだろう。

ただ、今現在は降っていないので、降り始めるまでは雨具なしで走ることにした。やはり雨具は暑いのだ。

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いつものキャノンボールのように、伝馬町~松田橋の抜け道を使い、自転車通行禁止の陸橋を回避。ここから南へ向かう。しばらくは難しい迂回は無いので、先頭をNAOさんに譲る。一番の大荷物(伊勢海老)を背負っていながら、NAOさんが前を引いている時間が一番長い。

名古屋市を出て、大府市に入ったあたりでポツリと雨が降ってきた。あっという間に本降りとなる。歩道にあがり、全員で雨具をフル装着。気温が20度を超えているので、やはり暑い。

走りなれた東海道。しかし、本格的な雨の中を走るのは初めてだ。路肩はそれなりにあるとは言え、交通量が多く、しかも轍に水が溜まっていて走りづらい。気温は高くとも、走行風による気化熱で体温は徐々に奪われる。それに加えて、雨の日は注意すべき対象が増えるので、地味に体力と精神力を使う。走行距離は200㎞にも満たないのに、400㎞ブルべの後半のような疲れ方だ。

この区間は、はるさんの後ろで走っていた。本格的に一緒に走るのは、今回が初めて。恐らく日本で最も高身長なランドヌールであるため、後ろに入ると物凄く楽である。加えて、ペダリングが上手いのか地面から跳ねる水しぶきも少ない。雨天ライドで後ろを走りやすいと言うのは素晴らしい。

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安城、岡崎を豪雨の中で越え、豊川へ。時刻は20時近いにもかかわらず、何故か発砲音が空に響く。田舎の畑では、鳥を農作物に近づけないために発砲音を鳴らす装置が置いてあることがあるが、割と都会のこの場所で何故……?

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一瞬、空が明るくなる。見上げると、花火が上がっていた。4月のこの時期、しかも雨が降っている中での花火。不思議な光景だった。調べてみると、豊川市の「風まつり」というイベントだったらしい。

 豊川市 風まつり
 http://www.toyokawa-map.net/festival/kaze.php
 
ただの花火大会ではなく、神事の一つとしての花火。「荒れた天候に強い」神様を祭っているようで、これしきの雨では止めることはないということのようだった。

(つづく)

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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