PBP2019: フランス入り~スタート前日編

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成田空港から、モスクワでの乗り継ぎを経て約17時間。なんとかフランスの玄関口・シャルル・ド・ゴール空港に到着。

目次

8/15(木) フランス1日目

今回は航空券の安さに釣られて、ロシアのアエロフロート航空を利用。しかし、この航空会社は荷物の扱いの雑さには定評があり、高いロストバゲージ率を誇る。事実、私達が乗った便のちょうど一日前に乗ったPBP参加者の知人がロストバゲージを喰らい、あわやDNSの危機であった(翌日にホテルに届けられ、無事車検には間に合った)。

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私達の自転車もそうなるのではないかと戦々恐々としていたが、無事に自転車を受領。一緒の便に乗っていたイーチョさんらの自転車も無事の模様。外箱の様子を見ると、中身にも問題はなさそうだ。さすがに2日連続でロストバゲージとはならなかったらしい。

この日は空港近くのホテルを予約。空港内を24時間巡回しているシャトル鉄道「CDGVAL」に乗り、ホテルへと向かった。なかなか夜の空港は治安がイマイチそうな空気が漂っていた。

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とはいえ、特に何事もなく「ibis CDG」に到着。長いフライトの疲れからか、すぐに寝てしまった。

8/16(金) フランス2日目

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ホテルのバイキングで朝食。4年ぶりに食べて思い出したが、フランスのホテルの朝食は大体こんな感じだった。糖分は足りているが、塩分が足りない。ハムを食べておかないと塩分が不足する。今から考えれば、もっと欲張って食事をとっておくべきだったと思う。

食後は荷物の準備をして、ホテル前のロータリーへと移動。空港から、今回の滞在先のTrappesという街までの距離は約60km。電車でも一時間足らずだが、あまり治安の良くない場所を通るらしい。荷物も多いし、スタート前に少しでも疲れを残さないという観点から、今回は豪華にもプライトベートタクシーを手配した。ホテルからホテルまでの移動で140ユーロならそこまで高くは感じない。

きっかり約束の時刻にメルセデスのVianoがホテル前に着けられる。ドライバーは日本人で、夏目さんと言った。約1時間ほどのドライブで、パリ郊外の街・Trappesに到着した。

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そして、こちらのホテル、なんだかとても見覚えがある……。

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そう、4年前に泊まったホテルと全く同じホテルであった。4年前は「Balladins」というホテルだったが、今は「Enzo Hotel」という名前になっているらしい。今回は「PBP 日本人最多出場の男」坂東さんがホテルを抑えてくれていたので、まさか同じホテルだとは思わなかった。

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ホテルのロビーには何故かフェラーリが置かれている。オーナーの趣味なのか、ホテル全体でモータースポーツ的な内装で統一されていた。

なお、次回参加者に向けて参考になるように書いておくと、このEnzo Hotelは質の高いホテルではない。壁は薄いし、空調はあまり効かずに、雨が降るとジメジメする。アメニティは最低限度で、ドライヤーも置かれていない。フランス的には標準より少し落ちるレベルのホテルだと思うが、次に利用するかと聞かれると、もう利用しないと思う。

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軒先で自転車を組み立てていると、同じホテルに泊まっているタイからのグループに遭遇。彼らはファットバイクで出場するらしい。無事に完走できただろうか?

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自転車は特に問題なし。いきなりの破損も覚悟していたが、幸先は良かった。

—–

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組み立て後は、右側通行とラウンドアバウトに慣れるべく、Versailles方面へサイクリング。残念ながらこの日は庭園の開放日ではなく、中を歩くことはできなかった。どうも、開放されているのは週末だけらしい(この日は金曜日)。

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フランスの自転車店にも訪問。いちいちオシャレである。

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一旦、ホテルに戻った後は徒歩でTrappesの駅前へ。目的はコインランドリー。ホテルにその手の施設が無かったので、フランスのコインランドリーに挑戦してみることに。現地の方のブログを読みながら操作してみると、さほど難しくはなく洗濯と乾燥を行うことができた。ちなみに、Googlemapで探す際には、「lavarie」というキーワードを入れると効率よくコインランドリーを探すことが出来る

あまりに操作をスムーズに行いすぎたせいか、何故か地元のおばちゃんから逆に操作方法を聞かれるイベント発生。ラフな格好で来たので地元民だと思われたらしい。すいません、フランス語で言われてもさっぱりわかりません……。

8/17(土) 前日車検日

前日車検日ながら、この日は朝から雨。

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ドロップバッグの預入場所をRambouilletに指定していたため、バッグを持ってTrappes駅からSNCFの電車に乗ることに。時刻表は見当たらなかったので、来た電車に乗り込んだ。

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やってきた電車は、さながら自転車輸送列車といった雰囲気。一両に5人以上のPBP参加者と自転車が乗り込んでいた。そのまま自転車を載せられるフランスの電車とはいえ、局地的に満員電車並の密度に。

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Rambouillet駅に到着。雨足は一層強まっていた。まさか前日から雨具をフルに使う羽目になるとは……。駅には自転車用の改札が一箇所しかなく、かなり待たされて駅から何とか出ることができた。

車検場所として指定された「Bergerie Nationale」までの距離は、駅から約3km。しかし、この日は駅からの地図を入れてきておらず、とりあえず近場にいた参加者と思しき人に付いていってしまった。これが大失敗。遠回りをした上に、ガラスの破片が落ちている場所を通ってしまったようで、私達は夫婦で二人してパンク。他の日本人参加者も、車検場所までの道のりでパンクをした人数は片手で足りないほどの人数に登った。

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それでも車検は通さなくてはならない。一層強くなる雨の中を並ぶこと約30分。雨に慣れたランドヌールとはいえ、スタート前からなかなかキツイ洗礼である。

車検開始。前輪がパンクしていたものの、「すぐそこでパンクしたんだ」とスタッフの方に伝えたところ、特に問題なく車検は通過することができた。

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車検通過後は、フレームナンバーや参加賞の受け取り。今回も英語の列にジョイン。今回は日本からの参加者がスペインからの参加者を上回っているが、残念ながら日本語受付はなかった。

そして今回は受付で是非お会いしたかった人がいた。昨年のCH1200で海外からスタッフ参加していた「伝説のブルベスタッフ」Shabさんが受付にいるという情報を得ていたからである。1年ぶりにお会いできるかと楽しみにしていたが、残念ながら私達が並んだ列とは違う場所で受付対応をしており、話すことはできなかった。残念。

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お昼も食べずに一連の作業を行ったので、近くの参加者向けの食事処でお昼ごはん。……にしては少ない。やはり今回のPBP、この段階からカロリーが足らなすぎた気がする。もっと貪欲にカロリーを取りまくるべきだった。

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Rambouillet駅前でドロップバッグを預け、帰りもSNCFの電車に乗車。晴れていればホテルまで自走する予定だったが、そんな元気もなく帰りも電車ということになってしまった。

すっかり濡れてしまった自転車をホテルのガレージで掃除し、再注油。フレームナンバーを自転車とフロントバッグに貼り付けた。

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夕食は、近くのSPARで買ってきた冷凍食品。電子レンジがあったのは助かった。さすがにチーズの国だけあって冷凍食品のラザニアでもかなり美味しい。しかし、これもたった450kcalほどしかない。絶対的に補給が足らない。サドルバッグに入る分だけしか買い物をしなかったのは失敗だった。次はリュックに入るだけ買い出しをしようと思う。

シャワーを浴び、22時に就寝。いよいよ明日はスタート日だ。

 

次のエピソード
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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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