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BRM723宗谷岬600 走行編⑥ PC4:美深~PC5:沼田
2日目の山場、美深峠を通る区間です。コース中で一番標高の高い場所となります。
PC4:美深~PC5:沼田
路面はドライ、暑いくらいの陽気の中で美深のPCに到着しました。
PC4到着
12:15、セブンイレブン美深西一条店(452km地点)に到着。PCクローズまで残り1時間23分。55分の借金を返済し、83分の貯金が作れました。
あと1時間くらいはホテルにとどまっても平気だった計算です。ただ、精神的にはあまりよろしくないので、借金1時間くらいで南稚内のホテルを出るのが良い気がします。
なお、このPCは日本最北のセブンイレブン。日本最北のローソンは美深とほぼ同緯度の紋別、日本最北のファミリーマートは本ブルベのスタート地点である滝川にあります。それより北はセイコーマートの独壇場。それが北海道。
路面はすっかり乾いており、気温も上がってきたので、スタートからずっと使っていたビニールシューズカバーをついに脱いで廃棄。レインウェアも全て脱いで身軽になりました。
PCを出てすぐの交差点で対向車線に妻が。およそ差は15分。これならゴールまで心配はなさそうです。
いきなりの雨
美深のセブンイレブンを出た後は500mほど来た道を戻り、左折して東を目指します。
そして、左折して目に飛び込んできたのは……あれ、ちょっと先から空が暗い。というか路面が濡れてる?
まもなく霧雨が降り出し、美深峠の入口にたどり着く頃には雨は本降りに。ここまでくっきりと雨雲のあるエリアとそうでないエリアが分かれているとは。たまらず、先程脱いだばかりのレインウェアを全て装着。暑いけど仕方がない。
とはいえ、もう少し早く通過した人の話を聞くと、この区間はアブやブヨといった虫が多かったようです。雨が降ったので、そういった虫に悩まされることは全くありませんでした。
雨中のヒルクライム
美深峠へのヒルクライム開始。といっても標高は443mと、大垂水峠(392m)より少し高いくらい。
斜度のキツイ箇所もなく淡々と登っていけば終わる峠ではありますが、レインウェアを着込んでいるのでとにかく暑い。レインウェアを着ずに濡れて登っても、ウェアの濡れ具合は変わらなかったかもしれません。
美深峠に到着。見ての通り、路面は濡れまくり。AGILESTでウェット路面のダウンヒルは初めてなので、お手並み拝見。
結論から言うと、AGILESTはウェット路面でも挙動が安定しており、全く怖いと感じるところはありませんでした。28Cを選んだのも良かったのかもしれません。
美深峠のダウンヒルには、この地域特有の「低温ひび割れ」があります。道路に横方向に亀裂が走り、それが等間隔に現れます。美深峠の写真の右下あたりに見えるひび割れがそれです。寒さによってアスファルトが収縮することにより、このような路面になるのだとか。美深峠の先の幌加内町は日本最低気温を記録した場所でもあり、特に寒い場所として知られています。
この低温ひび割れによる突き上げは足の裏や手のひらにダメージを与えます。それを軽減する意味で28Cタイヤを低圧で履いてきたのですが、正解でした。結構衝撃をいなしてくれますね。元々AGILESTは跳ねにくい性質もあり、この路面には適したタイヤでした。
電波が入らない
美深峠を下り朱鞠内湖に到着。
朱鞠内湖の展望台。去年はあそこで仮眠したけれど、今年は別に眠くはないので先へ。
朱鞠内湖から少し下ったところで、ついにeTrexのルートデータが途切れました。この先は昨夜作ったGoogleマイマップでしのぐ想定だったのですが……あれ、スマホが圏外。圏外だと、もちろんGoogleマイマップも使えません。
昨年はこの展望台から妻にDMを送ったはず。そこから回線を変えていないのに繋がらなくなるとは、先日機種変更したスマホのほうが悪いのか?
詳しい理由は↑の記事に書いたとおりで、かいつまんで言えばDocomo用のスマホでau系の回線を使っていると、山の中では電波を掴みにくくなってしまうんですね。走っている時点ではそれに気付いておらず、ただただ困惑していました。
ただ、eTrexのマップを見てもこの先は他の道もなく、一本道のはず。キューシートを確認しつつ先へと進みました。
霧立亭
今回のブルベで是非寄りたかったのが、幌加内のそば屋「霧立亭」です。
朱鞠内湖から降りてきたらすぐに霧立亭だと思いこんでいたんですが、なかなか現れない。実は朱鞠内湖から20kmほど離れていました。前のPCであまり食べ物を買わなかったのですが、それは失策でしたね。
15:31、霧立亭(504km地点)に到着。霧立亭の営業時間は本来15:30までなのですが、この日はまだ営業中。助かった!
霧立亭にはバイクラックがあり、そこにはランドヌール札幌のシールが。後から知りましたが、ランドヌール札幌のスタッフの方が寄贈したものだそうです。
机の上に置かれていた、「ほろみん」なる地域のゆるキャラのスタンプ案内。多分、そばの実の形をイメージしてますね。
冷しそばかま天そば(1150円)。
「冷し」「そばかま天」「そば」と区切るのが正しい模様。「そばの実を使ったカマボコの天ぷら」が乗った冷やしそばです。たっぷり4本のカマボコ天が乗っています。
疲れた体に染みる美味しさと、カマボコ天のボリュームが嬉しい一杯でした。
出発前に、雨具を全て脱ぎました。結局、降っていたのは美深峠だけ。その後は全く降らず、レインウェアもすっかり乾いていました。この先も降らなければよいのですが。
沼田方面へ
霧立亭から次のPCまでの距離は65kmほど。ゆっくり走っても3時間半あれば到着できるので、制限時間の心配もなさそうです。
画面奥の白い花が咲いているのが、そば畑。幌加内町には至るところにそば畑があります。
そして、走行中どうしても気になっていた、バス停の建物の中を覗いてみることにしました。北海道のバス停はどうなっているんだろう?という興味からだったのですが……
中は虫だらけの地獄絵図。恐らく冬場に雪の中でバスを待つために使われる施設であり、夏場は全く手入れがされていないのでしょう。
この写真を撮影していると、霧立亭の隣の席で食べていたランドヌーズが元気に走り抜けていきました。DHバー付きで実に逞しい走り。あの一日目の宗谷岬を抜けてきた以上、ただものではない雰囲気が感じられました。
毎年立ち寄る、「道の駅ほろかない」はスルー。霧立亭で十分補給が出来ましたので。
幌加内トンネルへの登りで、先程のランドヌーズをパス。幌加内トンネルからの下りで追いつかれてしばらくパック走行したものの、飲み物が切れたので私は自動販売機休憩。先に行っていただきました。自動販売機では、ココアと水を購入。そばを食べたはずなのに空腹感があり、「少しでもカロリーのあるものを」ということでココアをチョイス。若干、今回のブルベは補給が上手く行ってなかったようです。
しばらく下り基調の道を走ると沼田の市街地が見えてきました。ようやくラストPCです。