PBP2023: フランス入り~観光編

  • 2023年8月28日
  • 2023年9月3日
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[sitecard subtitle=前の記事 url=https://cannonball24.com/2023-pbp-prologue/ target=] 前回は認定完走を逃しているということもあり、今回はかなり綿密に走行戦略を[…]

羽田空港から直行便で14時間半。

フランスの玄関口であるシャルル・ド・ゴール空港に到着しました。

8/16(水) フランス1日目

前回のPBPでは安さに釣られてアエロフロートの乗継便を使いましたが、復路でロストバゲージ&自転車破損。

意外とこういったことは起こりうることが体験として分かってしまったので、今回はそれを防ぐための対策を徹底。少々お高いですが、ANAの直行便を抑えました。

自転車との対面

フランス時間の8/16 17:40ごろにシャルル・ド・ゴール空港到着。

まずは荷物受け取り場に向かい、自転車を受け取ります。

この便はPBP参加者が非常に多く乗っており、数十台の自転車が積み込まれていました。

台車に乗って次々と出てくる自転車たち。

我々の自転車も15分ほど待ったあとにようやく運び出されてきました。

前回のことがあったので、空港内で早速輪行箱の中を確認。

特に問題はなさそうです。とりあえず、完走までの第一関門は突破と言ったところでしょうか。

空港ホテルへ

この日は夕方の到着ということで、空港ホテルに宿泊。加減速の激しい無料モノレール「CDG VAL」に乗ってターミナル3へと向かいます。

宿泊先は前回と同じく、「ibis パリ シャルル・ド・ゴール エアポート」。

CDG VALの駅を出た途端にタバコ臭さが漂い、そういえばフランスは喫煙大国だったことを思い出しました。嫌煙家にはつらい。

駅の売店で食事を買ってチェックイン。ロビーの雰囲気は変わってないですね。

駅で買った夕食を食べて、さっさと就寝。体力の回復に努めました。

8/17(木) フランス2日目

2日目は、拠点となるサンカンタンへの移動日です。

ホテルのバイキング朝食

この日はホテルの朝食を付けました。

2日目以降に泊まるホテルは朝食の内容が未知数ですが、こちらのホテルは割りとしっかりとしたバランスの良い食事が摂れた記憶があったからです。

その記憶は正しく、肉・卵・フルーツと、しっかり揃った素晴らしい朝食。適当なホテルだと、「パンとコーヒーで以上!」みたいなことがあるので、これは有り難い。

前回のPBPでは糖質に偏った食事になってしまった反省もあり、渡仏直後からしっかり栄養バランスを取ろうという作戦です。

私のチョイスはこちら。野菜とフルーツと肉をしっかり。ウインナーも隠れています。意外と塩分が貴重になるので、塩気のあるものを意図的に選びました。

一番美味しかったのは、ジャガイモのクミン炒めです。これは家でも簡単に再現できそうなので、今度やってみます。

スズメ鑑賞

ホテル前にはスズメが多くいたんですが、これが日本にはいない「イエスズメ」という種類だとか。

妻は鳥に興味があるので、写真撮影をすることに。

イエスズメ。多分オス?

台湾の友人と遭遇

ホテル周辺を散策していた所、地下から出てきたマスクの二人組に見覚えが。

「もしかして?」と思って手を振ってみると、やっぱり台湾のStanglyさん&Hanaさんでした。

モンパルナスまでのバスを探していたようですが、現在そのバスはないのです……とりあえずロワシーバスについてお話しました。

プライベートタクシーで移動

今回は、空港から拠点となるサンカンタンまでプライベートタクシーで移動します。

ホテルを11時半にチェックアウト。

前回と同じく、日本人ドライバーによる送迎が頼める「ボヤージュアラカルト」に依頼しました。やっぱり電車移動はスリや置き引きの被害が怖いので。

片道160ユーロ(現在のレートで25000円ほど)でしたが、スリでそれくらいの金額はすぐに持っていかれますし、リスクと疲労度を考えると信頼性の高い相手の車を貸し切るのが確実だと考えました。

ご来訪。ベンツのVIANOという大型車です。輪行箱2台がラクラク詰め込めました。

ドライバーの松本さんは、2019年の際も担当していただいた方。

お話を聞いていると妙に自転車に詳しいので尋ねてみた所、彼もサイクリストであるとのことでした。次回のPBPは参加を狙っているんだとか。

車内には、フランスの自転車雑誌と、日本に帰国した際に購入したというバイシクルクラブも。やはりこのプライベートタクシーは自転車乗りの利用が多いそうで。

タクシー車内では現地の自転車乗り視点でのフランス国内の色々な話を聞けて、金額以上に有益な時間でした。

サンカンタンに到着

シャルル・ド・ゴール空港から1時間半ほどで、パリ郊外の街・サンカンタンに到着しました。

この街は2015年までのPBPのスタート地点になっていた街。そして、今年のツール・ド・フランスの最終ステージのスタート地点となった街でもあります。

宿泊先は、街の中心部にある「カンパニール サン カンタン アン イヴリーヌ」。

ここは今回、かなりこだわって抑えたホテルです。と言うのも、前回はホテル選びの段階で失敗していた自覚があったからでした。

2019年に宿泊したEnzo Hotel Trappes

2019年に拠点としたのは、サンカンタンの隣のトラップ駅にある「Enzo Hotel」でした。駅までは約1km。閑静な場所にあるホテルです。

このホテルは2015年のPBPの際にも拠点としており、特に不満はありませんでした。……が、2019年のときはめちゃくちゃ大変でした

2015年のPBPは、ふぃりっぷさんのご家族と一緒に行動していました。

ふぃりっぷさんのお母さんはカナダ人。カナダはフランス語が公用語なので、フランス語ネイティブです。

更に、ふぃりっぷさんのお母さんの妹さん夫妻が帯同。妹さん夫妻はフランス在住で、自家用車も出してくれました。この自家用車で買い出しや食事に連れて行ってもらったのですが……。

このホテルが不便ではなかったのは、ふぃりっぷさんご家族のお力添えがあったからこそ。車のない状況では、買い出しや食事に非常に不便なホテルであったことに後から気づいたのでした。

一番近いスーパーは1km離れており、しかも小型。大したものが手に入らず、スタート前に栄養不足に陥るという大失態へと繋がりました。

……ということで、今回は「徒歩5分以内にスーパーと飲食店があること」を絶対条件としてホテルを選定しました。海外では食事一つとっても手間がかかるもので、その手間を少しでも減らす必要があったのです。

また、安いホテルは冷暖房が完備されていません。Enzo Hotelも確か冷暖房がなく、夜中にお腹を冷やしてしまったこともマイナスでした。

フランスの夜は夏でも10℃以下に下がることがあるので、場合によっては暖房も必要になるのです。

ホテル カンパニール

その点、今回選んだホテル「カンパニール」は最高の条件を満たしていました。

  1. 近くに2つのカルフール(スーパーマーケット)がある。飲食店も多数。
  2. 部屋は冷暖房完備で、浴槽付き!
  3. 大会期間中は荷物ルームで自転車を預かってもらえる。
  4. 徒歩5分ほどの所にコインランドリーがある。
①スーパーと飲食店

近くにフルサイズのカルフール(日本のコストコ並)と、ミニサイズのカルフールマーケット(日本の小型スーパーマーケット並)があり、食料品の調達には困りません。

他にも、マクドナルドやバーガーキング、謎の日本食レストランなど、飲食店にも事欠かない。カロリー不足と塩分不足からは縁遠い場所であると言えます。

②空調

フランスの夜は寒いイメージがあったので、空調が付いていることは第一条件でした。

……もっとも、使うことを想定したのは暖房であり、まさか冷房をガンガンに使うことになるとは予約時には考えていなかったのですが。

また、カンパニールには、フランスのホテルには珍しく浴槽があります

私は毎日浴槽にお湯を張る派。さすがにブルベ中に入浴は無理としても、その前後くらいは風呂に浸かりたいと考えていました。体を冷やさないためにも重要なことなので。

今回は入浴剤(高炭酸タイプ)も持参して万全の体制で臨みました。

③自転車ルームでの預かり

PBPで問題になるのが、「走行中に荷物をどうするか」という点。

特に、自転車を入れてきた輪行箱は大きく、処遇が問題になります。

カンパニールでは荷物部屋を用意してくれており、ここに大会期間中は荷物を置いて良いことになっていました。

大会前は、ここが各国の参加者の交流場ともなっていて面白かったです。

⑤コインランドリー

今回は前泊で3日、後泊で1日滞在します。

洗濯物もそれなりに出ることが想定されたので、コインランドリーが近くにあることは不可欠でした。

ホテル内にはありませんでしたが、徒歩5分の所にコインランドリーがあるので問題はありませんでした。

周辺散策(徒歩)

ホテルのチェックインを済ませた後は、周囲を散策。

マクドナルド

まずはマクドナルドへ。

「フランスに行って最初の外食がマクドナルド?」と思われるかもしれません。

ただ、今回は大会期間中に食事をマクドナルドで摂ることを考えていたので、注文や決済の動きを確認しておきたかったのです。一度やっておけば、2回目以降はスムーズですからね。

フランスのマクドナルドはタッチパネルからの注文がメインで、決済までそこで行います。日本語も表示可能ですが、唐突にフランス語になるので慣れが必要。やっぱり予行演習しておいて正解でした。

ビッグマックセット。

味は日本とほぼ同じ。ポテトの塩気は薄いですが、代わりにケチャップとクリームチーズソースが付属します。ディップが前提の味付けなのかもしれません。

カルフール

続いてカルフールへ。

フルサイズのカルフールは予想外に大きかったです。地方のホームセンター並。

2階建てで、1階が食料品、2階が日用品売り場になっています。主に用があるのは食料品売場。

ここで水は食料品を買い込みます。ほぼ完璧なカンパニールホテルですが、残念ながら冷蔵庫はないので保存の効くものか、すぐに食べ切れる量しか買えません。

よく買っていたのは、「MONT BLANC」という水。硬水ではありますが、飲みやすかったです。あと安い。

謎の日本食売り場、「Izakaya 源氏」なるコーナーもありました。寿司が売ってますが、高いです。

決済は、最初は有人レジを使ったものの、次からは無人レジに。こちらのほうが現金の大きな札でも拒否されずに使いやすかったです。

その他

謎の日本食レストラン「OKINAWA」。

メニューは、ラーメン・寿司・焼き鳥。「OKINAWA」なのに沖縄料理は皆無ですね。

サンカンタンの商店街。

周辺散策(自転車)

お次は自転車を組み立てて、ヴェルサイユ宮殿まで行ってみることにしました。右側通行に慣れる練習です。

片道7kmほど、自転車の組み立て後の動作確認も兼ねています。

まずはサンカンタンのベロドローム。2015年のPBPスタート会場です。

一ヶ月前にツール・ド・フランスの最終ステージのスタート地点としても使われた場所でもあります。

その際の交通規制の看板が未だに残されていました。

ヴェルサイユ宮殿は17時半で閉門であるため、中には入れず(この時点で18時半)。これは門の外から撮った写真です。

自転車の方は、ちょっと後ろ変速でチャラ付き音がありますが、大きな問題ではないのでそのまま行くことにしました。

夕食

帰ってきたら割りと遅い時間帯になってしまい、カルフールも閉まってしまいました。

そこで、ホテル隣にあって深夜1時まで営業している「MAC BURGER」という店でハンバーガーディナー。なんと2食連続ハンバーガーです。

マクドナルドよりも、正直バーガーもポテトも美味しかったです。

就寝

浴槽にお湯を貯めて入浴。海外の浴槽は浅いですね。それでも風呂に入れるだけマシ。

……が、しかし。風呂に入ろうとしたら部屋の中でトゲを踏んでしまい、悶絶。針なども持っていなかったので指で除去を試みるも失敗。

翌日、カルフールで毛抜きを買うことを心に決め、22時すぎには早々と就寝しました。

8/18(金) フランス3日目

3日目はパリ観光の日。といっても電車でエッフェル塔に行って帰ってくるだけの「現地に慣れる」ことを目的としたプチ観光です。

起床

8時頃起床。

そういえばこの日は誕生日でした。といっても何かあるわけでもなく、意識は全てPBPに向いています。

……とその前に、もう一つ気になっている、足の裏のトゲをどうにかせねばなりません。

カルフールへ

カルフールの化粧品売り場に行ったらありました。すっかりカルフールマスターに。

しかしトゲは抜けず。奥に深く入り込んでしまったようです。もう諦めることにしました。

毛抜きと一緒にカルフールで買ってきたカルボナーラのカップ麺で朝食。意外と美味しい。

サンカンタン→パリ

食後は、サンカンタンからパリまで移動します。

サンカンタン駅。ホテルから5分くらいなのですが、道が分からなくて遠回りしました。

ここからN線に乗ってモンパルナスに行くはずだったのですが……早く来た電車に乗ったら全く別のセーブルという駅に来てしまいました。

少々遠回りではありますが、行っておきたかった自転車屋に行ってみることに。

後から来た電車は随分綺麗でガラガラでした。

この電車の終着である、サン・ラザール駅で下車。

ここから地下鉄に乗ってレピュブリック駅を目指します。

ちょっとパリの地下鉄はドキドキする雰囲気。財布をスられないように警戒しつつ乗っていました。

自転車屋めぐり

レピュブリック駅。

個人的には日本における御徒町駅的存在だと思っています。スポーツ自転車店が多いのです。

どうも今回のPBPは暑くなりそう。しかし半袖ジャージを余り持ってきていなかったので、現地調達をするためにここを訪れました。

まずは、「BIKE+ by GO SPORT」。

スポーツ用具チェーンであるGO SPORTが展開する自転車屋。日本で言えば、ちょっとおしゃれな「サイクルベースあさひ」的なお店です。

Scrapperというオリジナルウェアを展開しているのですが、この日は半袖ウェアの在庫が余りなく、収穫がありませんでした。

お次は「Paris Cycles Laurent」。大きめの個人店です。ビアンキやピナレロなど有名ブランドを一通り取り扱っていました。

ウェアもブランドものばかりでちょっと高くて手が出ません……さすがに90ユーロはポンと出せない。

ブイヨン・シャルティエ

ここに来てお腹が空いてきたので、ランチに赴くことにしました。

プライベートタクシーのドライバーの方がオススメしてくれた、「フランスの大衆食堂」です。

グランプールヴァール駅の「ブイヨン・シャルティエ」です。ブイヨンというのが向こうで言う大衆食堂の意味なんだとか。

なかなかの行列でしたが、回転が早くてすぐに入れました。

店内はすごい活気!

料理も、前菜・メイン・デザートで15ユーロとお手頃でした。しかしフランスは牛肉の盛りが良い……PCの食事ですらそうですからね。牛肉が安いのかな。

注文をテーブル上のナプキンに直接記入するのがフランススタイル?

エッフェル塔へ

ブイヨン・シャルティエの盛りが恐ろしく多かったので、腹ごなしがてらエッフェル塔まで。

地下鉄にはヴィンゲゴーの広告が。

エッフェル塔の最寄り駅で下車。

緑地を歩いてエッフェル塔に向かいます。

3度目のエッフェル塔。定番観光地です。エッフェル塔のポーズはやりませんでした。

エッフェル塔には、国家憲兵隊の騎馬隊の方も。

しかし暑い。気温は29℃ながら、日差しが肌を刺すようで。

これが明日も続くようならば、PBP走行時のウェアは大幅に見直さなければなりません。

パリ→サンカンタン

エッフェル塔を見た後は、N線でモンパルナスからサンカンタンに帰着。

時刻は18時ですが、フランスでは一番暑い時間帯です。

コインランドリーへ

フランスも3日目、そろそろ洗濯物も溜まってきました。

洗濯物を持って、サンカンタンのコインランドリーへ。

ちなみに、フランスでコインランドリーは「Laverie」と呼びます。検索ワードでこれを入れるとすぐに見つかりますよ。

四年ぶりのフランスコインランドリーに苦戦しつつも、なんとか洗濯と乾燥を完了。

コインランドリーは治安的な意味では不安なエリア内にあります。ここにしかないので仕方ないですが。

就寝

昼のブイヨン・シャルティエが全然消化しきれなかったので、スープとヨーグルトだけ食べて夕食としました。

この日も浴槽にお湯を張り、風呂に入ってから22時半頃に就寝しました。

 

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この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)