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PBP2023: ゴール会場&ホテル帰着編

4年越しのリベンジを果たし、ついに夫婦で制限時間内の完走を果たしました。余韻を十分に楽しみたいところでしたが……そうは行かない(?)のがPBPです。
ゴール会場&ホテル帰着
88時間18分で無事にゴール。
過去2回とは比べ物にならないほどのゴール会場の盛り上がりに戸惑いつつ、二人でゲートを潜りました。
出迎えてくれたのは……
ゴールゲートの下で出迎えてくれたのは、「伝説のブルベスタッフ」Shabさんでした。
今回は受付に始まり、復路のフジェールでも励まされ、そしてゴールでも待っていてくださいました。本当にありがたい。
案内に従って、駐輪場へと移動。
妻はここの駐輪場で、同じフレーム(Oltre XR4)のカスタムカラーに乗るスペイン女性に声を掛けられて記念撮影をしていました。
ゴール受付
さて、ゴールをしたらブルベカードを提出しなければ認定とはなりません。
ゲート横の駐輪場に自転車を置き、テント内のゴール受付へ。
スタッフの方にブルベカードを提出し、最後のスタンプを頂きました。これにてミッションコンプリート。
ここで驚いたのは、ブルベカードがその場で返却されたことです。スタッフの方に「え?回収しないんですか?」と真顔で聞いてしまったほど。
普通、ブルベではゴール受付後にブルベカードは回収となります。普段のBRMもそうですし、過去2回のPBPでもそうでした。
これで「ブルベカードを持ち帰って認定されませんでした」……では笑い話にもならないので食い下がって聞いてみましたが、やっぱり持ち帰って良いとのこと。
恐らくセンサーで取得した情報が正となるので、そちらがあれば十分ということなんでしょうけども……ブルベの最高峰たるPBPでブルベカードが「形式上のもの」として扱われるのはちょっと衝撃が大きかったです。
そして、お待ちかねのメダル授与。
メダルは前回の時間外完走のときも貰えましたが、今回のほうがより重みを感じました。「勝ち取った」感があります。
テント内には物販コーナーがあったので、空港まで送迎頂いたパピコさん宛のお土産(大会公式ジャージ)を購入しました。
テントの外に出ると、15さん・はまいぬさんがいたので一緒に記念撮影。お二人共、無事に完走されたとのことで、健闘を称え合います。
特に、はまいぬさんは荷物の盗難という大きなトラブルがあったにもかかわらず、さすがの完走ということで素晴らしい。
次々にゴールした人たちで周囲はお祭り騒ぎです。
本当はここでジャージ交換をしたいところでしたが、現在私が着ているジャージはフランスに来てから急遽購入した「NAKAMURA」ジャージです。
これでは誰とも交換出来ません……(通常、ゴール地点でのジャージ交換は所属するブルベ団体のジャージや国ごとのナショナルジャージ同士で行う)。
いやー、なぜ復路のドロップバッグの着替えにこのジャージを入れたのか。相当テンパってたようですね。
そんな中、道中お会いした「流暢なフランス語を話す日本人」こと、るいくまチャッピーさんを発見。こちらも無事に完走されたとのことでした。素晴らしい。そしてサドルバッグ、相変わらずパンパンですね……。
ルデアックでお貸ししたVOLTのバッテリーも返却して頂きました。彼はしばらくフランスに残って、山岳ツーリングをしてくるそうです。元気だ。
Welcome Rain?
さて、さすがにちょっと眠いので芝生で一眠り……と思っていたのですが。雨が降ってきました。
すぐに止むかな……と思いながら、一応フランスの雨雲レーダーを確認。
……これは。すぐそこにドでかい雨雲が迫っているじゃありませんか。
フランスでも基本的に雲は西から東に動きます。どうやら、ゴールまでの数時間は雨雲から逃げる形で走っていたようです。私達より後にゴールした人たちに話を聞くと、ゴール目前で雨に降られてしまったようでした。
ゴール受付でミールチケット(完走者は無料)を貰ったものの、行列の長さを見ると30分は待つことになりそう。そして、恐らくそれまでには本降りの雨となるはず。
もう少しゴール地点の雰囲気を味わっていたかったのですが、さっさと撤退することを決めました。
そうは言っても腹は減った
撤退は決めたものの、ラストPCのドルーから補給をあまり取っていないので空腹です。
ということで、スタート前日にも食べた会場近くのハンバーガー屋「ホワイトハウス」で食事。今回はバイデンバーガーにしました。
勝利の乾杯。オレンジジュースとコカ・コーラ。
屋根のあるテラス席での食事でしたが、すぐに本降りの雨になりました。というか、ほぼゲリラ豪雨。よくゴールまで持ってくれたものです。
全く雨が止む様子がないので、仕方なくレインウェアを着て駅まで走ることにしました。
ここで「そういえば1200kmも走ったのに一度もレインウェアを着なかったな」と気づきました。それなのにゴール後に必要になるとは、ブルベは分からないものです。
電車でサンカンタンへ
雨も降っていますし、どう考えても疲れているので電車でサンカンタンまで戻ります。
ランブイエ駅まで向かう途中には坂(斜度10%)があるんですが、恐らく完走したであろう人たちが一様に押し歩きをしているのが面白かったです。もう試合は終わったのだから、容赦なく押す。私達も押し歩きをしました。
ランブイエ駅に到着。同じように宿へ帰ろうとする人たちがたくさんいました。
割りとすぐにモンパルナス行きの電車が来たので乗車。同じ車両には日本人の方がいたので話をしていると、インド人参加者の方とその親戚の方(現在フランス在住かつ日本在住経験あり)が話に入ってきて、英語と日本語が混じった謎の会話をしているうちにサンカンタンに到着しました。
サンカンタンは意外にも晴れていたので、降り出さないうちにホテルまで。と言っても自転車で2-3分ですが。
15:30頃に、カンパニール・サンカンタンにチェックイン。
部屋に入ってすぐにシャワーを浴びました。5日間伸ばしっぱなしだったヒゲも剃って、人権回復。
このまま寝てしまいたいところですが、一度寝たら朝まで起きることが出来ないでしょう。
そして、ドロップバッグの返却まであと1時間。これは寝ないほうが良いだろうということで、しばし部屋でグダグダ。
ドロップバッグ返却
17:00からドロップバッグの返却開始ということで、16:30ごろにホテルを出発。徒歩で1.2kmほど離れた「ベストウェスタン」へと向かいます。
ベストウェスタンに到着すると、既にバッグを積んだ車は到着していました。自分のバッグを見つけて回収。重い、重すぎる……。とはいえ、これがあったから完走できたわけですからね。
再び15分ほど歩いて自分たちのホテルに帰着すると、ちょうどそこを某嫁さんが通りかかりました。時間外ながら完走されたとのこと。お疲れ様でした。
部屋に戻り、ドロップバッグに入れたけど食べなかったアルファ米のドライカレーを食べることにしました。
スプーンが入っていないと思って食べるのを諦めたんですが、スプーンは普通に中に入ってましたね。てか、パッケージにも「スプーン付き」って書いてありました。
そしてこれが異様に美味しかったです。道中に食べたらかなり回復しただろうなーと思える味でした。オススメです。
食後は今度こそ寝ます。寝ますが、まだやることがあるので2時間後には起きねばなりません……。とりあえず寝過ごさないようにタイマーを掛けて就寝しました。
汚れ物の処理
20時頃に起床。さて、ここからやらなければならないのは……
洗濯峠です。
我々は明日の夕方のフライトで日本に戻ります。それまでに汚れ物を洗濯しないとなりません。飛行機で異臭騒ぎが起きても嫌ですし。
同じホテルに泊まっていたAR日本橋の皆様に打ち上げの食事のお誘いをいただきましたが、泣く泣く洗濯のほうを優先しました。これをやらないと帰れないので。
洗濯が終わるのを待つ間に、妻が向かいのカルフールマーケットでアイスを買ってきてくれました。フランスは何故か1人用のアイスが中々売っていないので、基本はファミリーパックです。
1箱に6本入り。しかし、1200km完走後で飢えている我々にとって、1人で3本ずつ食べるのは造作もないことでした。このマグナムってアイス、好きなんですよね。これが事実上の夕食となりました。
洗濯→乾燥まで終えて、ようやくこの日のToDoをコンプリート。やっぱりゴール翌日の帰国は忙しすぎます。翌々日にすれば良かった。
22時頃にホテルに戻り、翌朝まで泥のように眠りました。
