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PBP2023: 本編⑥ PC4:Loudéac~WP3:Saint-Nicolas-du-Pélem(483km)

やってきましたルデアック。
日本勢のドロップバッグが置かれる一大拠点です。多くの人はここで仮眠を取りますが、私は次のWPまで引っ張る計画でした。
PC4:Loudéac~WP3:Saint-Nicolas-du-Pélem(483km)
19:00、PC4:Loudéac(436km地点)に到着。スタートからの経過時間は24時間12分。
計画からは12分遅れですが、ケディヤックでの30分休憩を入れてこの程度の遅れなら御の字。
PC4、到着
さて、いよいよルデアック。ここでは色々とやることがあります。
具体的には以下。
- コントロールでブルベカードにサインをもらう。
- ドロップバッグ置き場に行き、着替え用ウェア・ライトのバッテリー・補給食・サプリメント一式を取り出す。
- シャワーを浴びる。
- ドロップバッグから取り出した新しいウェアに着替える。
- ドロップバッグから取り出した日本的な食事を食べる。
- 駐輪場に戻り、ライトのバッテリーを交換、補給食・サプリメントをフロントバッグに補充。
- ドロップバッグ置き場に行き、脱いだウェアや使い終わったバッテリーなどをバッグに収納する。
やることが……やることが多い!!
とはいえ、これらはその後のライドを継続する上で必要な儀式。時間は掛かってもやりきらねばなりません。
ここルデアックは多くの人が長めの睡眠休憩を入れる場所ではあるのですが、私は前回ここで仮眠をして酷い目に遭いまして。

何かと言えば、仮眠所の隣で大音量のライブをやっていたんですよね。これのせいで全然寝付けなかったのです。
一つ前の記事で「PBPのチェックポイントは地域のお祭を兼ねていることが多い」という話を書きましたが、これはルデアックでも同様でありまして。むしろルデアックはお祭り色が非常に濃く、DJによるアナウンスが常に大音量でPC内に響き渡っています。残念ながら、参加者の睡眠よりも地元のお祭りが優先されているといった印象です。
実は前回のPBP終了後に、運営側に「ルデアックのライブはせめて18時で終わりにするなどの配慮をいただけないか?」というメールを送りました。特に返事はありませんでした。
そして、今回もライブこそ行われていないものの、仮眠所の隣では大音量が響き渡っている状態。やっぱりここでは仮眠しないのが正解のようです。
コントロールへ
まずは何をおいてもコントロールへ。
前回は仮眠所に入ってからコントロールでスタンプをもらってないことに気づいて大変焦りました。それでタイムアウトしたらさすがに笑えない。
今回は忘れずにスタンプをゲット。とりあえず一安心です。
ドロップバッグ置き場
2015年、2019年と、ドロップバッグ置き場は駐輪場のすぐ東にありました。
が、今回はその場所に公式のメカニックサービスが陣取っており、ドロップバッグの姿は無し。
近くを通りがかったドロップバッグを持った日本人の方に「ドロップバッグどちらにありました?」と質問をすると、「そこの階段を降りたところですよ」という情報を頂きました。
これは2019年のPCの施設配置です。
2023年のドロップバッグ置き場は、駐輪場から階段を降りたイベントエリアの右側の建物にありました。
ドロップバッグは綺麗に番号順に整頓されていたので、すぐに自分のバッグを発見。
着替え等の一式を格納した「往路」袋を取り出して、シャワーへと向かいます。
シャワー
4年ぶりのルデアックのシャワーです。利用料金は4ユーロ。
入口でお金を払ってタオルを受け取りますが……
そうだった、ここのタオルは「タオル」と言いつつ、実際は「シーツ」が渡されるのでした。
全く起毛しておらず、吸水力は皆無。これを使わずに済ますために前回はバスタオルを持参していたのですが、今回は忘れてしまいました。失態です。
ルデアックのシャワー室は、天井からお湯が降ってくる方式。このPCは普段は中学校なので、部活終わりの生徒用のシャワー室なのでしょう。
こちらとしてはサドルと当たるお尻のあたりを集中的に流したいのですが、お湯が天井から降ってくるので上手く洗うことが出来ません。やはり往路もシャワー付きのホテルを取るべきだったかな……と少し後悔。
シャワーから上がって、例のシーツで体を拭いてみるも、やっぱり全然吸水しません。仕方ないので脱いだジャージで体を拭きました。ジャージのほうが吸水性が良いってどういうこと……?
ここでも、プロテクトJ1をしっかりと塗り直します。
日本的な食事を食べる
風呂上がりは髪の毛が乾くまで、野外で食事。
今回は、こちらの玄米パフを使ったスープカレーを食べました。
渡仏前にテストで食べた時は美味しかったんですが、400kmを走ってきた後だとちょっと胃がもたれる感はありました。テストで食べたときに妻が「ちょっとこれは私には油っぽいかな」と言ってましたが、その見立ては正しかったことになります。
とはいえ、カロリーは貴重なのでしっかり最後まで食べきりました。
駐輪場で荷物の入れ替え
さて、次は駐輪場でライトのバッテリーや補給食の入れ替えです。
……あれ、自転車どこだっけ?
そういえば、ルデアックの駐輪場はヴィレンヌの駐輪場と同じく、自転車を見失いやすかったのでした。
しかし、こんな事もあろうかと今回はあらかじめ先手を打ってあります。
サドル裏に取り付けた忘れ物タグ。
この忘れ物タグはアプリから操作することで、タグ自体から大音量でアラームを鳴らすことが出来るのです。有効範囲は半径60m以内。
アプリからアラームボタンを押すと、すぐに自転車の場所が判明。付けててよかったChipolo One。
ハンドルに取り付けたVOLT800 NEOと、VOLT800のバッテリーを交換。手持ちのモバイルバッテリーも新しいものに入れ替えました。
フロントバッグにもサプリメントと補給食を補充。これでリスタートの準備完了です。
不要なものをドロップバッグに戻し、20:03にルデアックを後にしました。
滞在時間は1:03。計画では0:45の予定だったので、18分オーバー。当初の計画より30分遅れ。やっぱりルデアックはそんなに短時間では離脱できませんね。
風力発電所を見ながら
次のWPであるサン・ニコラまでの距離は47km。
距離は短いですが、区間の平均斜度は1.14%と、全区間中2番目にキツい区間です。
いつもであれば、そろそろ80時間部門の先頭集団とすれ違う頃。しかし、今回は意図的にルデアックから先のルートが往路と復路で分離されていたため、折り返してくる人は見かけませんでした。
あの折り返してきた集団とすれ違うと「世界にはヤベェ奴らがいっぱいいる!」という実感があって割と好きだったんですが、暴力的なライトの明るさが対向車線から来るので危険ではあったのも事実です。
この区間で印象的だったのは、大型の風力発電所の横を抜ける場所。写真を取ろうかとも思ったのですが、予定よりも時間が押していたので泣く泣く通り過ぎました。
夜戦に突入
風力発電所を過ぎてしばらくすると夕暮れです。時刻は21時を過ぎてるんですけどね。
反射ベストを着て、ライトを点灯。この先は割と山道らしい山道を通ります。街灯も全く無い中、斜度は結構キツいという嫌な区間。
とはいえ、この区間を抜ければようやく本日の睡眠休憩場所、サン・ニコラです。あとひと頑張り。
シークレットPC(往路)
Saint-Martin-des-Prés、Colray(コルレー)と、これまでのPBPで何度も通過したお馴染みの街を通過。
コルレーの街を抜けると、もうそろそろ次のPCであるサン・ニコラに到着……のはずが、GPSはこの先で人気のない脇道に入るルートを示しています。こんな所、通ったかな?
PBPのルートは割と路面が綺麗なんですが、コルレーから入った脇道は砂の浮いたあまりきれいな路面とは言えない道。わざわざここを通す理由はなんだろう?と思っていたら…
「Controle!!!」
と声を上げて誘導するスタッフの方の声。
え、ここでシークレットPC? もうサン・ニコラまであと5kmも無いのに……(後から調べたら7kmあった)。てっきり今回の往路のシークレットPCはサン・ニコラだと思い込んでいたので、意表を突かれました。
22:22、シークレットPCの入口を通過。センサーもあるので、ここが往路のシークレットPCということで間違いなさそうです。
今回の往路のシークレットPCに指定されたのは、「Canihuel(カニユエル)」という街でした。
あとからルートを見てみると(青: 2023年、紫: 2019年)、今回は不自然にルートが迂回していることが分かります。勘の良い人ならルートを見ただけで「クサいな」と気づいたかもしれませんが、私は気づけず。
とりあえずブルベカードにスタンプをゲット。
ここでは特に施設は利用せず、目と鼻の先である次のWP: サン・ニコラへと急ぎました。早く寝たい。
