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PBP2023: 本編⑪ PC8:Loudéac~PC9:Tinténiac(870km)

雑談をしながら走っていたことで、あっという間にルデアックに到着しました。
PC8:Loudéac~WP5:Quédillac(845km)
23:06、PC8:Loudéac(783km地点)に到着。
予定では22:35に到着のはずでしたが、31分遅れ。ブレスト~カレ間で生じた遅れを減らせていません。
ただ、ルデアックのクローズは1:58なので、随分と余裕はあります。これならば予約したホテルでまとまった睡眠が取れそうです。
PC8、到着
流暢なフランス語を話す日本人の方と連れ立ってルデアックの駐輪場まで。先方は眠気が出ていたようで、「会話が出来て助かりました」とのことでした。こちらも時間が短く感じて助かりました。
コントロールに向かいがてら話をすると、どうやらライトのバッテリーの残量に不安がある様子。そして彼のライトはVOLT800でした。
家も遠くないみたいですから、日本に帰ってからでも返してもらえれば大丈夫なので。
ライトのバッテリートラブル(だけが原因ではないですが)で前回のPBPをタイムアウトした身としては、バッテリー残量の不安は見捨てておけません。
「どう考えてもこんなにはいらないだろう」という量のVOLT用バッテリーを持参していたので、数本貸しても余裕です。
コントロールで無事にブルベカードへのスタンプもゲット。次はドロップバッグとの荷物の入れ替え&着替えです。
荷物の入れ替え&着替え
ドロップバッグ置き場に行き、VOLTのバッテリーをジップロックに入れて彼に手渡しました。
返却時の連絡用にTwitterのアカウントを交換すると……「あ、baruさんでしたか。」との反応。どうやら知っていただいていた様子。
そして、彼のTwitterアカウントにも見覚えがありました。

3年ほど前にチコリンパフについてDMでやり取りをした、るいくまチャッピーさんでした。その時は「初めて1000kmブルベを完走できました」と話していましたが、そこから3年でPBPに参加するまでになられたようです。
と言っても、彼にとってはフランスは第二の故郷ということで、里帰りも兼ねていたようですが。今回も前泊の宿は「友達の家」だったそうです。国際的!
るいくまチャッピーさんはルデアックで仮眠していくとのことで、互いの健闘を祈ってここでお別れ。
私はドロップバッグから「復路」袋を取り出して着替えを行います。
せっかくなのでドロップバッグ置き場の前にグッディースポーツさんが置いてくださった着替え用のテントを使おうと思っていたんですが、先客が使用中。なかなか出てくる様子がないので、諦めて別の方法で着替えることに。
こんな事もあろうかと用意していた、着替え用ポンチョです。
もはやPC内で裸になっていても誰も気にしないような雰囲気はありましたが(その辺を上半身裸のおじさんが普通に歩いている)、せっかく持ってきたのでコレを使って着替えることにしました。
……が、着替え中にポンチョの裾を踏んで、盛大にコケました。やっぱり着替え用のテントが空くのを素直に待ったほうが良かったかもしれません。
なんとか着替えを終えて、今度は駐輪場に行って荷物の入れ替え。ライトのバッテリーと、補給食・サプリメントを補充します。
そして、不要なものはここでドロップバッグに入れていくことを思いつきました。サドルバッグは軽量な方が走りやすいですし。レインウェア一式(合計約700g)をここでパージしてしまえば、残りの440kmを楽に走れるはず。
……しかし、一抹の不安が頭をよぎり、念のため天気予報をチェックしておくことにしました。
おやおや、23日の夜から雨が降る予報に変わっているじゃないですか。場所的には、ヴィレンヌあたりで降り始めそう。
ちなみに、20日のスタート直前の予報が↓の画像です。
雨は全く降らない予報だったはずですが、ここに来て降る予報に変わりました。
ドロップバッグに入れようとしたレインウェア一式をサドルバッグに再度格納。結局、重いサドルバッグを継続することになりました。
ここまでやったところで、到着からの経過時間は45分。やっぱりルデアックは時間が飛んでいく……。
ホテルへ移動
23:51、ルデアックのPCを離脱して、ルートから1.7kmほど逸れた場所にあるホテルへ移動。
ルートから離脱するラウンドアバウトでスタッフの方に「そっちじゃないよ!」と言われましたが、「オテル!(フランス語でホテルの意)」と言いながら曲がる方向を示したら分かってもらえたようでした。
日付変わって8/23 0:00、「Ibis budget Loudéac Vélodrome」に到着です。写真は昼ですが、実際に到着した時には真っ暗で、玄関も消灯されていました。
入口脇にある、こちらの自動チェックイン機でチェックインを行います。
ネットから予約した時にメールで送られてきた予約番号を入れると私の名前が表示されました。どうやら、ちゃんと予約できていたようです。
クレジットカードを決済すると、ルームカードが2枚出てきました。これを入口脇のセンサーにタッチするとホテルの入口ドアがオープン。
……これ、妻が来た時にどうやってホテルの入口ドアを開ければ良いんだろう? 開けるためにはルームカードが必要で、ルームカードを持ってるのはホテルの中の私。
ルームカードは2枚あります。1枚を他の人には見つからない野外の草むらの中にでも隠しておき場所を連絡すれば良いか……とも思ったんですが、適切な場所は見つかりませんでした。紛失して問題になっても嫌なので、妻が来たタイミングで起きて迎えに出ることに。
普段はスマホの通知音は切っているんですが、妻からの連絡があった時に起きられるように通知音をMAXに変更しました。
ルームカードの番号は016。フランスでは地上階=0階なので、上下の移動は必要なさそう。幸運でした。
部屋にIN。
ダブルベッドの部屋でしたが、ベッドは日本で言うキングサイズ並の大きさ。部屋も広く、自転車も2台は余裕で置けるだけのスペースがあります。
シャワーを浴びてトイレを済ませたら、ベッドにゴロン。3日ぶりの柔らかベッド。最高すぎる。
妻に「ホテルに到着したら電話かメッセージを送ってください。ホテルのドアを開けます」とメッセージを送信。枕元にスマホを起き、消灯。あっという間に眠りに落ちました。
妻を迎えてもう一眠り
深夜1:30。枕元のスマホからの通知音で目が覚めました。
ルデアックに到着して着替えまで終わったとの連絡。そのままホテルには来ずに仮眠所を使うことも考えたそうですが、大行列で諦めたそうです。ルデアックの仮眠所、もはや参加人数に対する処理能力がオーバーしているような……。
トラッキングサイトから妻のルデアック到着時刻をチェックすると、1:04。予定は0:00到着だったので、1時間ほどの遅れ。やはりブレスト~カレでかなり苦戦したように見えます。
とはいえ、ルデアックのクローズは1:58なので、こちらも余裕で間に合っていました。ここまで一つもPCのクローズタイムを落としていません。上出来。
1:40ごろ、妻がホテルに到着。ホテルのドアを開けて迎えます。
部屋に自転車を入れ、妻の仮眠準備。私は一度寝てしまったので入眠できるか不安でしたが、消灯から5分ほどで入眠することが出来ました。
起床&リスタート
3:10、起床。妻もよく眠れたようです。
ベッドの回復パワーは凄まじく、同じ時間だけ寝ても仮眠所とは回復の具合が段違いでした。
ホテルのカウンターに置かれた箱にルームカードを返却してチェックアウト完了。手続きが楽で良いですね。
3:20、リスタート。ルートから外れたラウンドアバウトから復帰します。寒さを警戒していましたが、気温は15℃。これならばジャージに反射ベストで耐えられそう。
次のクローズタイムは、85km先のタンテニアックで8:33。5時間10分で85kmなので、グロス16.4km/h以上で走らなければなりません。
ただ、ホテルでしっかり寝られたことで脚はかなり回っています。妻もしっかり着いてきていました。これならば心配はいらないでしょう。
霧のケディヤック
いくつかの丘を越えた所で夜が明けてきました。
このPBPで3度目の朝にして、初めての霧が出ました。
フランスの朝と言えば霧のイメージだったのですが、これまでは朝の気温が高すぎて霧が出ていなかったのかもしれません。
「PBP参加者が何故か撮影してしまう教会」として知られる、メドレアックの教会。
今回もせっかくなので撮影しておきました。
ケディヤック手前の電波塔。ラジオの電波を発信しているようです。
そういえば、エッフェル塔は電波塔ですし、PBPの最高標高地点であるRoc’h Travezelにも電波塔があります。PBPのコース、さしずめ「電波塔1200」なのでは……?
WP5:Quédillac~PC9:Tinténiac(870km)
6:33、WP5:Quédillac(845km)に到着。
ルデアックからの距離は62kmほど。3時間10分で到着したので、グロス19km/h出ています。実に上出来です。
WP5、到着
既に復路のシークレットPCは通過しているので、ここはスルーしてもOK。
ただ、飲み物の残量に不安があったので水だけ補給していくことに。
カフェでミネラルウォーターを買い、わずか8分でケディヤックを離脱しました。
タンテニアックへ
ケディヤックからタンテニアックまでの距離は25km。クローズ時刻までは約2時間あるので、だいぶ余裕が出来ました。
妻と会話しながらしばらく走行。前の区間で出会った、るいくまチャッピーさんの話をしていると、これまたあっという間にタンテニアックのPCに到着しました。
