CORSA N.EXTの34Cが軽すぎた話

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Vittoria「コルサネクスト」のクリンチャー34Cを買ってみたら恐ろしく軽かったので記録を残しておきます。

目次

購入まで

先日、コルサネクスト クリンチャー26Cのレビュー記事を書きました。

本国と日本で異なる公称重量

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その中で気になったのが、一番太いサイズである34Cの公称重量です。

  • 本国(イタリア)サイトの掲載重量
    315g
  • Vittoria Japanサイトの掲載重量
    240g

なんと75gもの開きがあります。

私はこれについて、「さすがに34Cで240gは軽すぎるので、恐らく本国サイトの数値のほうが正しいんじゃないかと思います。」と書きました。

最近は28Cで220gのような軽量タイヤも出てきてはいますが、大体幅が+2mmされるごとに20gくらいは重くなるのが普通。26Cで200gのコルサネクストであれば、8mm太い34Cは280gくらいになると推定できます。そうなると本国と国内の公称値の中間くらいにはなってしまうのですが。

34Cタイヤの本当の重量が気になってきましたが、検索しても誰も買っている人はいませんでした。使い所が良く分かりませんしね。

30Cや32Cの実測重量が判明する

そんな時、フォロワーさんが30Cのコルサネクストを購入。実測重量の写真をアップしていました。

新品で実測233g/235g。

国内サイトの公称重量は220g、本国サイトの公称重量は250g。両者の中間値となる実測値ではありますが、やや国内サイトの数値寄りでしょうか。

一方、こちらは32Cで使用済みの実測重量が219g。

国内サイトの公称重量は235g、本国サイトの公称重量は285g。2000km使用すると10-20g程度は重量が減るはずですが、それでも新品時の重量は239g程度と推定されます。これは国内サイトの数値に近い。

最初はありえないと考えていた「34Cで240gのクリンチャータイヤ」ですが、

「もしかして実際にありえるのではないか……?」

と思えてきました。

買っちゃいました

こうなると中々好奇心の抑えが効きません。

我が家には32Cまでのタイヤが入るとされているディスクロード「INFINITO CV」があります。34Cはサポート外ですが、このフレームに乗っている知人が「36Cのノブ付きタイヤが入った」と過去に言っていました。34Cのスリックなら十分入ることは考えられます。

ということで、買っちゃいました。とりあえず1本だけAmazonで。

実測結果

買ったタイヤの色々な部分を計測してみました。

重量

さて、気になる重量は……

244g! 軽い!

……あ、タイヤの中に説明書が入ってた。これを抜いて再度計測。

説明書を抜いた結果、なんと239gでした

Vittoria Japanのサイトに掲載されている公称値「240g」のほうが正しかったということになります。

公称通りではあるんですが、まさか本当に240gの34Cタイヤが送られてくるとは思っていませんでしたね……。ちょっと前の25Cタイヤの重量ですよ。

SOMAやRene Herseのタイヤよりも軽いので、恐らく34Cクリンチャーとしては現在世界最軽量です。34Cのクリンチャーでスリックなんてあまり選択肢はありませんが。

Vittoria Japanサイトのスペック表記
タイヤ幅 チューブレスレディ クリンチャー
24C 260g 190g
26C 285g 200g
28C 300g 210g
30C 315g 220g
32C 330g 235g
34C 340g 240g

一応、こちらの情報も再掲載。各サイズのクリンチャータイヤの公称重量も信頼性を帯びてきました。

タイヤをホイールに取り付ける前に、裏返してケーシング幅を測定。

80.87mmでした。

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こちらの調査の結果から見ると結構幅が小さめに見えますね。新ETRTO対応なので、34Cタイヤならば前提のリム幅はC21になるのですが、他に34Cタイヤを持っていないので比較することは出来ません。

その後、リム内幅19mmのMAVIC「KSYRIUM SL DISC」に取り付け。スルッと入りました。チューブはCYCLAMIのTPUチューブです。

5気圧を入れた状態での実測タイヤ幅は31.72mmでした。ちょっと細いですね。

このタイヤの前提としているリム内幅は21mm(21c)です。今回は内幅19mmのリムに取り付けたので、取り付けた後のタイヤ幅は約1mm小さい33mm前後となるはずです。

31.72mmとなったのは取付直後で、取り付けから2日経過した現在は32.90mmまで大きくなっていました。これならば納得できる数字です。

ちなみにフレームとのクリアランスはこんな感じでした。全然余裕でしたね。

走行感

せっかくなので、「34Cのスリックタイヤってどんな感じなのか?」も気になったので走ってみることにしました。

もう1本購入

前輪26C、後輪34Cではバランスが悪い。

ということで、追加で34Cをもう一本購入。やっぱり239gでした。26Cも2本とも200gピッタリ(公称重量通り)でしたし、このタイヤはかなり精度高く作られているのかも……?

こちらにもCYCLAMIのTPUチューブを入れました。

走行

前5.0bar、後5.4barほど入れて60kmほどのサイクリングに赴きました。

ゼロ発進ではそれほど重さを感じませんでしたが、30km/hまで持っていくのが結構大変。

取り付けた状態でのタイヤの直径を測ってみた所、26Cに比べて34Cは20mmほど大きかったです。直径が20mm大きいということは、周長にすると63mmほどの差ということになります。この分だけペダリングが重くなるということですね。タイヤが太くなるほど転がり抵抗は下がるはずですが、そちらは体感できず。

乗り心地は明らかに良くなりました。小さい段差を気にせずガンガン走れる。荒れ気味の路面が多い場所で使うのならアリかも。北海道とか。

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現在のプロロードレーサーのトレンドは「28Cのチューブレスタイヤを低圧セッティング」だそうですが、果たしてこれが30Cや32Cになる日が来るんでしょうか?

まとめ

現状、国内で手に入るコルサネクストについてはVittoria Japanサイトに掲載されている値が正しいと言えそうです。34Cで240gは本当でした。28/30/32Cの実測重量も、国内サイトの公称重量に極めて近いことが推測されます。

そうなると、本国サイトの数字が何で軒並み重めになっているのかは気になりますね。

もしかしたら、現在本国で生産されているコルサネクストでは仕様が変更されているのかもしれません。新発売した製品に問題があり、こっそりと修正されるのは割とよくあることです。ロードタイヤは新発売の直後が一番軽く、年数が経つごとに重くなっていくとも言われています。

現在、国内で手に入るコルサネクストは確かに軽いのですが、もしかしたらある時点から重くなる可能性もあるということです。

恐らく、今国内で手に入るコルサネクスト34Cは、現在世界で一番軽い34Cタイヤです。興味のある方は早めに入手しておいたほうが良いかもしれません。

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著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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