VOLT800 NEO 実機レポート

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ワイズロード新橋で、VOLT800/400 NEOの製品説明会があったので行ってきました。実機を触ってきたレポートになります。

目次

CATEYE ポップアップイベント

12/17-18に、ワイズロード新橋店で「CATEYE ポップアップイベント」が開催されました。

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全製品の展示という内容ではありますが、目玉は「VOLT800/400 NEOの実機展示&予約会」という部分です。

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私としては「今一番欲しい製品」であるVOLT800 NEO。

最初のお披露目は「サイクリングしまなみ」で行われました。

その後も各地のショップで実機展示が行われましたが、関西~九州ばかり。中々箱根を越えてくれなかったのですが、ようやくチャンスが訪れました。

さらに、CATEYEの担当者の方による「VOLT800 NEO/VOLT400 NEOのプレゼン」が実施されるというのも嬉しい。

VOLT800 NEOの実機と新情報を求めて、ワイズロード新橋店に赴きました。何気にオープン以来、初訪問です。

実機レポート

12/18のレポートになります。

入り口を入ってすぐの場所に特設の展示スペースがありました。これがVOLT800 NEO……!

説明会

まずは、担当者の方(CATEYEの営業さん)による、VOLT800/400 NEOの説明会を聞きました。スライドによる説明です。

VOLTシリーズの歴史、そして今回のNEOの開発経緯、更に各機種の新機能と特徴についてお話頂きました。

それを踏まえて実機を触っていきます。

開発の経緯

今回のVOLT800/400 NEOの開発に当たっては、下記のメディアを対象に調査を行ったそうです。

・SNS(Twitterを中心)
・ネット上の口コミやレビュー
・イベント会場でのユーザーの声
・CATEYEサイトの要望コーナー

新製品を作るに当たっては「ルーメン値を上げる」のか、それとも「点灯時間を伸ばす」のかという議論があったそう。ただ、ユーザーの意見としては「点灯時間が長いほうが嬉しい」という声が多かったことからそちらに踏み切ったそうです。素晴らしい。

結果として、ルーメン値は維持することになったので、「製品名をどうしよう?」という悩みは増えたそうですが。そんなこんなで「NEO」と名付けられたとのこと。

また、「昨今は競合製品がType-C端子に対応したり、バッテリーの大容量化を進めていることから、それに対抗できるスペックを実現した」とお話されていました。

大きさ

VOLT800 NEOと旧VOLT800を並べてみました。なるべく両者の中央から撮影したつもり。

やはり一回りNEOの方が大きいですね。スペック上の大きさは以下です。

VOLT800 NEO: 131.5 x 36.0 x 45.0 mm
VOLT800: 116.0 x 31.2 x 43.2 mm

長さは15mm、幅は4.8mm、高さは1.8mmとそれぞれ大きくなっています。一回り大きくなったという所。

気になるのはハンドル上に付けた時のライトやベルとの干渉ですが、この程度の増加であれば問題はないと思います。

800と400の差異

VOLT400 NEOも800と筐体はすっかり同じものだそうです。違うのは回路とLEDとバッテリー。

ちょっと嬉しかったのは、充電端子カバーのこの部分。

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こちらの記事に詳しく書きましたが、このカバーの白い部分は「防水透湿シート」なんですよね。水を防ぎつつ、温度差で発生した結露などによる水分を外に逃がすための仕組みです。

従来は上位機種のみに入っていた仕組みでしたが、VOLT400 NEOにも搭載されていることを確認しました。

配光

NEOは、配光も大きく変更されています。

左がVOLT800 NEO、右が旧VOLT800。

NEOのレンズは縦にスリットが入っていて分かりづらいですが、奥にあるリフレクターも少し特殊な形状をしています。これによって、光が横長の長方形形状に照射されます

従来、上方向と下方向に行っていた光を曲げて、左右方向に割り振っているようでした。これによって、本来照らす必要のない方向を照らしていた分の光が使えるので、スペック上のルーメン値は変わらないのに体感の明るさは上がっているそうです。早く使ってみたい。

VOLT800 NEOは、上方向の光を完全にカットせず、「対向の迷惑にならない程度に弱めている」という配光なのも特徴です。

上方向の光を完全にカットしてしまうと、道路の上に付いている青看板や標識が視認しづらいという指摘がテストでも上がってきたとのこと。ドイツで売るのならば上方向の光は完全にカットする必要がありますが、しばらくは日本限定で販売するらしく、今回は「上方向の光を弱める」という方向に落ち着いたそうです。

「ライトを水平やや下向きに付けた状態で、青看板や標識がどう照らされるか」をテストした際の写真も見せてもらいました。さすが、実地テストをしっかりされていますね。

上下反転ギミック

今回のVOLT800/400 NEOは、「ライト本体」「ブラケット」「バッテリー」の3種類に分割できるようになっています。

こんな感じ。ブラケット部分のパーツを上下に入れ替えることで、ハンドルの上に付けても下に付けても、スイッチが上を向くように出来ます。

CATEYEのライトスイッチはバッテリーのインジケーターも兼ねています。バッテリーが残り少なくなるとスイッチ部分が赤く光るわけですが、従来は逆さ吊りにするとスイッチが下を向いてしまいました。バッテリーが減っていることになかなか気づけないので最近は逆さ吊りをやめていましたが、これならば逆さ吊りもアリですね。

このブラケットとライト本体の嵌め合い部分の造形がかなり大変だったそうです。緩ければガタが出ますし、抜けないほど固くても困る。ちょうどいい具合になるまで何度も試作したとのこと。

ブラケット部分の材質については特にコメントはありませんでしたが、インジェクテッドカーボン(ELITEのVICO Carbonなどに使われる素材)っぽい質感でした。かなり丈夫そう。

また、VOLT800 NEOは、インジケーターの表示も3段階に増えています。

緑: 残量50~100%
オレンジ: 残量20~50%
赤: 残量20%未満

よりバッテリーの残量が分かりやすくなりましたね。ただ、この仕組はVOLT400 NEOには非搭載だそうです。

スイッチ

従来品よりも大きくなり、押しやすくなりました。また、クリック感もより明確になっています。

バッテリー互換性

VOLT800 NEOには「BA-4.8」という大容量バッテリーが搭載されましたが、このバッテリーは「NEO」の付かない従来のVOLTシリーズには使えません。

CATEYEサイトより引用

これについての理由を聞いてみましたが、バッテリー大容量化に伴う安全上の理由だそうです。

従来のVOLT800のライト側の端子は2個。

これに対し、NEOは端子が3個。

追加された1個は温度管理用の端子だそうで、バッテリーが大容量化したのでトラブル防止のために追加された機能とのこと。意地悪で互換性を切っているわけではないということですね。

充電周りの話

結構多くの方が気になっているであろう「充電しながらの点灯は出来るのか?」「外部機器に給電(USB-PD)は出来るのか?」についても聞きました。

回答としては、「どちらも出来ない」でした。理由は以下。

・充電しながらの点灯は、路面からの振動で端子部分が破損したり寿命が短くなる恐れがある。
・充電しながらの点灯は、バッテリーにとって負担が大きく寿命が短くなる恐れがある。
・充電端子が露出するので、雨天時には浸水の可能性が排除できない。

どれも聞けば「確かに」となる話。そもそもカートリッジバッテリーなので、充電が必要なシーンでは替えのバッテリーを持っておけばいいですし、個人的には納得の行く理由でした。

こぼれ話

発表前日にCATEYE公式アカウントが投稿した以下のツイート。

過去のCATEYEからのツイートでは体験したことがないほどに拡散されて、更にはTwitterでトレンド入り。ここまでの反応があるとは思わず、かなり驚かれたそうです。

まとめ

ようやくVOLT800 NEOの実機に触れました。そして、触ったことによって更に欲しくなりました。

なお、VOLT800/400 NEOはしばらく国内販売のみであるとのことです。海外では「ルーメン値が大きい方が受けが良い」&「点灯時間の長さがあまり評価されない」という評価の差があるそうで。

……つまり、日本国内でVOLT800 NEOが売れないと、後継機が出ない可能性もあるということですね。それは困る。しっかり売れて後継機を作ろうと思ってもらわないと!

私は既に1本予約済みですが、多分もう1本買い増すと思っています。しばらく品薄になりそうなので、買い増せるのは少し先になりそうですが。

デリバリーは来年の1月末から2月とのこと。今から待ちきれません。


なお、ワイズロード新橋店には、来週末(12/25)まで、VOLT800/400 NEOの実機が置かれるそうです。

気になっている方は是非見に行ってみてください。

著者情報

年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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