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青森→東京 耐久ラン ④名取→安達
リスタート
1:50、アラーム通り目が覚め、すぐに外に出る。
都市部であるため、思ったより寒くはないがやはり気温は15℃以下。近くにあったコンビニでチーズバーガーを買い、体を温めて再スタートした。
残り距離は半分を切った。
試練の向かい風
しかし、ここで絶望的な事態に直面する。向かい風が強い。
この時間帯の平均風速は毎秒9m。正に進行方向と逆向きに風が吹いており、全くスピードが乗らない。4月の「Fleche」で体験した向かい風と遜色が無いほどの風速である。
あの時は仲間と分担できたが、今回は一人。耐え忍んで進むしか無い。平地なのに、時折スピードが時速15kmを下回る。しかし、踏まないことには残り距離は減ってくれない。ここは我慢の時間だ。
東北の夜の寒さ
白石まで来ると何とか風は弱まったが、体力をかなり消費してしまった。
ヨロヨロとしたスピードで坂を越えると、第5の県・福島県入り。ようやく東北最後の県だ。貝田駅前からダウンヒルに入るが……猛烈に寒い!!気温表示は10℃を切って1桁。さすが内陸の福島県、冷え込みが半端ではない。
あまりにも寒かったため、目の前にあったサンクス福島国見上野台店に緊急ピットイン。冬のロングライドの定番、カップ麺とホットコーヒーを買って体を温める。スタートの青森があまりに暖かかったため油断していたが、見通しが甘かったと言わざるを得ない。なんとか体が温まった所で出発。
故障
ここから、当初の仮眠予定地点であった道の駅「安達」までは30kmほど。
前回の仮眠からまだ100kmと走っていないが、この疲労度だとすぐに眠くなってしまうだろう。……タイムロスにはなるが、道の駅「安達」で再度仮眠を取ろうか。そんなことを思いながらダンシングをした時、
と右足に痛みが走った。この痛みを、自分は知っている。一年半前、さんざん悩まされた膝痛だ。
原因はシューズの足首部分の劣化により、膝がブレることだった。このシューズは買い換えて1年も経っていないはずだが、その間にはTOT、ブルベ、フレッシュといったイベントを共にしている。劣化していても不思議ではなかった。
「シューズは1年毎に交換したほうが良い」――知人の言葉を今更ながらに思い出していた。
こうなってしまうともう無理は出来ない。腫れ物に触るように、丁寧に慎重に走る必要がある。
二度目の仮眠
7:00、すっかり夜も明けた所で、道の駅「安達」に到着。残り距離は255km、目標時間に到着するには、この距離を11時間で走らなければいけない。膝の痛みを抱えた状態で、そのスピードを保つのは厳しい。
(34時間の目標はここで諦めるしか無いか……)
いや、目標だけではない。膝が今より悪化してしまえば、完走すらおぼつかない。
仮眠をして更に遅れを増やしたくない思いもあったが、今は体を回復させることが優先――そう言い聞かせて道の駅の休憩所に入る。
ここの休憩所は暖房が効いていて、実に快適。ベンチに座って目を閉じると、ものの1分ほどで意識が落ちた。