【調査】自転車ブランドの資本関係(2024年1月)

  • 2024年1月10日
  • 2024年1月11日
  • 調査
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自転車ブランド(主にフレーム)の親会社・子会社といった資本関係を調べてみました。

まえがき

ロードバイクには有名なブランドがいくつもあります。

代表的なものを挙げると、TREK・SPECIALIZED・Cannondale・Bianchi・Colnago・Cervelo・Pinarello……。

有名ブランドの中には、実は同じ企業グループに属している場合があります。意外なブランド同士が同じ企業グループに属している場合もあれば、「あのパーツをあのブランドが採用しているのはそういう理由だったのか」という納得もありました。

本記事では2024年1月時点で、有名ブランドの資本関係について調べた結果をまとめたものです。

自転車ブランドの資本関係

自転車ブランドの資本関係の調査結果を示します。

  • 本データは、2024年1月時点でインターネット上で得られる情報(各ブランド公式サイト・Wikipedia等)から構成したものです。
  • 本データは執筆時点でのスナップショットであり、今後の企業買収などによって更新する予定はありません。
  • 本データは誤っている場合があります。
親会社の国籍親会社名子会社名ブランド名ジャンル備考
オランダPon Holdings-Cerveloフレーム
-BBBパーツ
Focus & Kalkhoff HoldingFocusフレーム旧・Derby Cycle(2022年に改名)。
Dorel SportsCannondaleフレーム
Schwinnフレーム
GTフレーム
Mongooseフレーム
Santa Cruzフレーム
Reserveホイール
Accell GroupLapierre BikesLapierreフレーム
Raleigh Bicycle CompanyRaleighフレーム
KogaKOGAフレーム
スペインOrbea-ORBEAフレームMondragon Corporationという組合に所属。
Beistegui Hermanos-BHフレーム2001年までCycleuropeを所有。
イタリアUgo De Rosa & Figli-DE ROSAフレーム
(匿名のファミリー企業)Cicli PinarelloPinarelloフレーム2023年にLVMHグループから売却。
Wilier Triestina-Wilierフレーム
Manifattura Valcismon-Castelliウェア
Sportfulウェア
スウェーデンGRIMALDI INDUSTRICycleuropeBianchiフレーム
オーストリアPierer MobilityFelt BicyclesFELTフレーム
スイスBMC Switzerland-BMCフレーム
ドイツCanyon Bicycles-Canyonフレーム
ベルギーRace Productions-RIDLEYフレーム
Eddy Merckxフレーム
フランスDecathlon-Van Ryselフレーム
TRIBANフレーム
BTWINパーツ
Look Cycle-LOOKフレーム2016年にCORIMAを合併。
CORIMAホイール
Bourrelier Group-MAVICホイール
カナダArgon 18 -ARGON 18 フレーム
アメリカSpecialized Bicycle Components-SpecializedフレームMERIDAが株式の35%を保持(2023年3月時点)。
ROVALパーツ
Trek Bicycle Corporation-TREKフレーム
Gary Fisherフレーム
Bontragerパーツ
Cardinal Cycling GroupTimeTIMEフレームペダル部門はSRAMが所有。
G Joannou CycleJamis BicyclesJAMISフレーム
Quality Bicycle ProductsSalsa CyclesSalsaフレーム
Surly BikesSurlyフレーム
Advanced Sports InternationalFuji BikesFUJIフレーム
KestrelKestrelフレーム
Asobi VenturesGRUPPO SRLChinelliフレーム
Columbusパイプ
台湾美利達工業-MERIDAフレーム
巨大機械工業-GIANTフレーム
Livフレーム
CADEXパーツ
韓国Youngone CorpScott SportsSCOTTフレーム
アラブ首長国連邦Chimera InvestmentsColnago Ernesto & CCOLNAGOフレーム2020年にコルナゴが自社を売却。

各ブランドの現状

いくつか気になったブランドの現状について書いていきます。

一大勢力・Pon Holdings

表を見てもお分かりになる通り、Pon Holdingsは有名なブランドをいくつも所有しているオランダの複合企業体です。

Cervelo・Focus・Cannondale・GTなど、錚々たるフレームメーカーが名を連ねています。

Bikerumor

Today, Pon Holdings said it will acquire Dorel Sports. The m…

元々は2011年にCerveloとFocus(の親会社であるDerby Cycle)を買収し、2021年にCannondaleやGTの親会社であるDorel Sportsを買収しました。

恐らくですが、そのタイミングでDorel Sports傘下のサドルメーカーであったFabricはCannondaleに吸収されたように見えます(今はCannondaleブランドでFabricのサドルが作られている)。

オランダの第二勢力・Accell Group

Lapierre・Raleigh・KOGAを傘下に持つのがAccell Groupです。

Lapierreは何となくフランスのドメスティック企業というイメージがあるので、親会社がオランダというのは少々意外でしたね。KOGAはオランダブランドなので納得です。

そしてKOGAといえばMIYATAとのパートナーシップが有名で、「古賀さん」に由来している人が多いと考える人が多いかもしれません。でも実はKOGAの部分は日本人は関係ないのです。

創業者が「Marion Kowallik」「Andries Gaastra」だったので、その名前から2文字ずつ拝借してKOGAとなったようです。結構自転車ブランドはこのパターンの名付けが多いですね。

PINARELLOはLVMHグループを離脱

PINARELLOはかつて、ルイヴィトン(LVMH)グループの一員でした。

road.cc

2016年12月にLVMHグループによる買収が発表されています。

自転車雑誌サイクルスポーツがお届けする情報サイト|サイクルスポーツ.jp

Lキャタルトンが、イタリアのバイクブランド、ピナレロをプライベートファミリーオフィスに売却したことを発表した。取引条件は…

しかし、2023年6月に匿名のファミリーオフィスにPINARELLOが売却されたことが発表されました。これにより、LVMHグループを離脱した形となっています。

LVMHグループからPINARELLOを買い取った会社の詳細は今もって謎のままです。

RIDLEYとEddy Merckx

RIDLEYとEddy Merckxは、同じ「Race Productions」という企業のブランドです。

2017年、RIDLEYのブランドを持っているRace ProductionsがEddy Merckxを買収。一つの会社のブランドとなりました。どちらもベルギーブランドで、ブランド所有企業もベルギーです。

Eddy Merckxはその前年に大きな赤字を出していたようだったので、事実上の救済という感じだったようですね。

cyclowired

山岳賞を獲得したロマン・バルデ(フランス)のStockeu69、オリヴァー・ナーセンがシャンゼリゼで駆ったスペシャルオー…

一時期、RIDLEYのフレームをリペイントしただけのフレームがEddy Merckxとしてグランツールを走っていたこともありましたが、こういう事情だったということで。

LOOKとCORIMA

フランスのフレームメーカーとして有名なLOOKと、フランスのホイールメーカーとして有名なCORIMA。実は同じ会社のブランドです。

2016年に両社は合併。現在は「Look Cycles」が会社名で、その下にLOOKとCORIMAがあるという形のようでした。

LOOKのフレーム組み立て見本にはよくCORIMAのホイールが付いていますが、そういう関係だったんですね。

やたら親会社の変わるMAVIC

ホイールメーカーとして有名なフランスのMAVICですが、近年もっとも親会社が変わっているブランドでもあります。

  1. Amer Sports (-2018)
  2. M Sports (2019)
  3. 破産?
  4. By Saving (2020)
  5. Bourrelier Group (2020-)

2020年には一度倒産しかかったようですが、フランスの投資会社であるBourrelier Groupに買収され現在に至るようです。

アラブの投資ファンドに売却されたCOLNAGO

イタリアの高級ブランドとして知られるCOLNAGO。

road.cc

Ernesto Colnago will keep small stake in pioneering business…

元々は家族経営の企業でしたが、2020年にアラブ首長国連邦の投資ファンド「Chimera Investments」に売却されています。

なぜアラブ?と思われるかもしれません。アラブ首長国連邦とはつまり、「UAE」のこと。COLNAGOのバイクを駆り、ポガチャルが2度ツールを優勝した「UAE Team Emirates」の国です。

ラグジュアリーさを売りにしていた部分のあったCOLNAGOは最近VxRシリーズでレースブランドとしての色を濃くしていますが、もしかしたらこうした会社の事情も関わっているのかもしれません。

まとめ

自転車ブランドの資本関係の調査結果でした。

意外なブランド同士に繋がりがあり、「そういうことだったのか」と思わせられました。製造工場も分かると更に色々関係性が見えるのでしょうが、そちらは非公開情報なので調べてはいません。

結構ブランドの売り買いは頻繁に行われているようで、今年も多分色々とグループの入れ替わりがあるのではないでしょうか。あくまでも2024年1月現在の情報とお考えください。

著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)