21700バッテリー採用の自転車ライト一覧

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電源に21700バッテリーを採用している自転車ライトを一覧化しました。

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まえがき

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21700バッテリー運用の現状と可能性(Roadbike Advent Calendar 2022 12/11) 21700バッテリー運用の現状と可能性(Roadbike Advent Calendar 2022 12/11) - main.md

ロードバイクアドベントカレンダーの↑の記事を読んで、

「自転車ライトで21700バッテリーを採用した製品はどれくらいあるんだろう?」

と気になって調査をはじめました。

21700バッテリーについて

「21700」というのは、リチウムイオンバッテリーの規格の一つです。

18650と21700

現在、多くの充電式の自転車ライトで使われているのは「18650」というバッテリーです。これより一回り大きいバッテリーが21700バッテリーとなります。

以下に、18650バッテリーと21700バッテリーのスペック比較表を示します。

規格名 容量 重量 大きさ
18650 2000-3500mAh 45-50g 外径:18mm
長さ:67-69mm
21700 3000-5000mAh 70-75g 外径:21mm
長さ:72-74mm

18650とか21700という数字は「直径」「長さ」を表したものです。

18650は「直径18mm」「長さ65mm」で、21700は「直径21mm」「長さ70mm」ということです。上が18650、下が21700。バッテリーが大きくなった分だけ容量も増えますが、その分だけ重量も増えるということです。

Olight Official Store
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OLIGHTのサイトに説明がありますが、21700バッテリーは元々テスラ用にパナソニックが開発したものです。

21700バッテリーの長所・短所

サイズが一回り大きい分、バッテリー容量も21700の方が大きいです。大体18650の1.5倍ほどの容量があります。

バッテリー容量が増えれば、「点灯時間はそのままに、明るさをアップする」ことや「明るさそのままに、点灯時間を長くする」ことが出来ます。

ただし、21700バッテリーの方がサイズが大きいので、それを搭載したライトのサイズも必然的に大きくなります。ハンドル上のスペースには限りがありますので、大きくなるのはあまり歓迎できることではありません。

また、大きくなった分だけ重量も増えます。21700は18650よりも30g前後は重くなります。

18650を1本使用した自転車ライトの重量相場は130-150gほどですが、21700を1本使用した自転車ライトは150-180gほどになるということですね。

自転車ライトにおける21700バッテリー

もともと、ライトのバッテリーとして21700が使われ始めたのはタクティカルライト界隈だったはずです。

自転車界隈で21700バッテリー搭載ライトが脚光を浴びたのは、やはりOLIGHT「RN1500」が最初ではないかと思います。

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2020年10月、なんとなく見つけてきたライトが「300ルーメンで12時間も点灯する」というスペック。それに驚いて紹介した所、ロングライド界隈を中心に大ヒットとなりました。

「300ルーメンで12時間」というのは実は誤魔化しがあることが後に判明しましたが、それでも「Voltシリーズと同様のサイズ感で170ルーメン前後で12時間点灯する」ライトというのは、それまで例がありませんでした。

その最大の理由は「バッテリー容量の大きさ」でした。従来の18650バッテリーではなく、容量の大きな21700バッテリーを採用したことにより、ハンドルに付けられるサイズ感を維持しつつ長時間の点灯が可能になったわけですね。

その後、徐々に21700バッテリーを採用するライトは増えていきました。

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そして2022年秋、ついに自転車ライトのリーダー企業であるCATEYEが21700バッテリー搭載の「VOLT800 NEO」を発表。

今後は更に21700バッテリーを採用する自転車ライトが増えていくことが予想されます。

21700バッテリー採用の自転車ライト一覧

2022年12月12日時点の一覧です。全40本。

対象としたのは、公式サイトのあるライトブランドです。

ブランド製品名商品リンクタイプ電池本数公称容量
[mAh]
ACEBEAMBK10[amazon]内蔵(交換可能)15100
ACEBEAMBK20内蔵(交換可能)2不明
BontragerIon Pro RT内蔵(取り外し不可)15000
BontragerIon Elite R内蔵(取り外し不可)15000
CATEYEVOLT800 NEOカートリッジ14800
FENIXBC26R[amazon]内蔵(交換可能)15000
GacironV20S-1500[Yahoo]内蔵(取り外し不可)14800
GacironV20S-1000[Yahoo]内蔵(取り外し不可)14400
GacironV9SP-1260[amazon]内蔵(取り外し不可)14500
JETBEAMBR10 PRO内蔵(交換可能)15100
knogPWR TRAIL1100L[amazon]カートリッジ15000
LifeLinePavo Motion内蔵(取り外し不可)14800
LUMINTOPB01[amazon]内蔵(交換可能)15000
LupineSL-AX別体410000
MagicshineMONTEER 8000 GALAXY[楽天]別体410000
MagicshineMONTEER 6500 ZEUS別体410000
MagicshineMJ906S[楽天]別体410000
MagicshineSF1800内蔵(取り外し不可)15000
MagicshineRN3000内蔵(取り外し不可)210000
MagicshineRN1500[amazon]内蔵(取り外し不可)15000
MagicshineALLTY1500[楽天]内蔵(取り外し不可)15000
MagicshineALLTY1000[楽天]内蔵(取り外し不可)14000
MagicshineALLTY800[楽天]内蔵(取り外し不可)14000
MOONCANOPUS PRO別体410050
MOONRIGEL POWER[楽天]内蔵(取り外し不可)210000
NITECOREBR25[amazon]内蔵(交換可能)15000
OLIGHTRN1500[amazon]内蔵(取り外し不可)15000
OLIGHTRN1200内蔵(取り外し不可)14000
OLIGHTRN800[amazon]内蔵(取り外し不可)14000
OLIGHTBFL1800[amazon]内蔵(取り外し不可)15000
Outbound LightingDETOUR内蔵(取り外し不可)15000
Outbound LightingTRAIL EVO内蔵(取り外し不可)210000
RAVEMENPR2400内蔵(取り外し不可)28000
RAVEMENCR1000内蔵(取り外し不可)14000
ROCKBROSR3-1000[Yahoo]内蔵(取り外し不可)14800
SupernovaB54 MAX別体35000
TOWILDCL1200 PRO[amazon]内蔵(取り外し不可)15000
TOWILDCL1200[amazon]内蔵(取り外し不可)14000
TOWILDDLite1800内蔵(取り外し不可)15000
TREKCommuter Pro RT内蔵(取り外し不可)14800

気になった製品

一覧化した中で個人的に気になった製品をいくつかピックアップして紹介します。

CATEYE「VOLT800NEO」

言わずとしれた自転車ライトの雄、CATEYEが数ヶ月前に発表した新製品。12月発売予定でしたが、1月以降に伸びてしまいました。

CATEYEサイトより引用

いつの間にか製品紹介ページが出来上がっていました。

名前から判断できる通り、VOLT800の後継版。ただし、バッテリーが18650から21700に変更され、200ルーメン/8時間だったものが12時間に伸びています。電池の容量が増えた分を点灯時間に振ってきたわけですね。明るさを増やす方向ではなく、点灯時間を増やす方向に振ってきたのが個人的には嬉しかったです。

CATEYEサイトより引用

補修部品として、21700バッテリーを内蔵した「BA-4.8」の発売も決定しています。

早く発売されてほしいですね。既に一本予約済みです。

Outbound Lighting「DETOUR」

日本には入ってきていないブランドですが、個人的にかなり気になっているのがアメリカの「Outbound Lighting」というブランドです。

照明設計で活躍してきたエンジニアが既存の自転車ライトに不満を持って「もっと良いものを作ってやる!」ということで始まったブランドだそうで、かなりのこだわりが感じられます。

こちらがロード用ライトの「Detour」。左右にレンズが2つ並んだ構造で、形状はスペシャライズドのFLUXシリーズに良く似ています。

ただ、配光も放熱性能もブラケットに至るまできっちり考えられており、凡百の新興ライトブランドとの格の違いを感じさせてくれます。

今年のボーナスで買おうと思っていたんですが、ハブダイナモ計画を始めてしまったので購入を諦めました。ハブダイナモ計画がうまく行かなかったら、こちらのライトを買うかもしれません。

Supernova「B54 MAX」

ドイツのSupernovaから発売されている、バッテリー別体型のライト、「B54 MAX」です。

Supernovaサイトより引用

こんな感じで、バッテリーパックが別体になっているタイプのライトです。バッテリーパックには、21700が3本内蔵。そこからケーブルが伸びており、ライトに接続されています。

Supernovaサイトより引用

ライトはこちら。

……おや、ちょっと見覚えがありますね。

ライト部分は、私が先日購入した「M99 DY PRO」と同じです。電圧が違うので回路は一部違うはずですが、レンズやリフレクターは全く同じものだと思われます。

Supernovaはハブダイナモに強いメーカーですが、そういったメーカーはバッテリー別体型のライトを出していますね。ライト部分が使い回せるからだと思うのですが。そうしたメーカーは、今後積極的に21700バッテリーを使っていくと思います。

まとめ

従来よりも「大きい」「重い」代わりに、「明るい」「長持ち」な21700バッテリー採用ライトの紹介でした。

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ただ、先日のアンケートでTOP5に入ったブランドのうち、LEZYNEとGENTOSからはまだ21700採用のライトは出てきていません。

GENTOSは自転車ライトでの採用例はないものの、ヘビーデューティーなライトでは21700の採用例があります。今後自転車ライトにも導入されるかもしれませんね。

まだ現段階では数えられる程度ですが、2~3年もすれば上位機種(明るい)モデルは21700採用のほうが多くなると見ています。

著者情報

年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

 

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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