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買って良かった自転車プロダクト 2022
本記事は、ロードバイク Advent Calendar 2022の21日目記事となります。
2020年から始めた、「今年買って良かった自転車プロダクト」を紹介する記事、今年もやります。
今年も色々「買って良かったもの」はあるのですが、その中でも特に良かったものを厳選してご紹介します。
※ 対象は「自費で購入したもの」のみで、レビュー依頼された提供品は対象外です。
① CATEYE「AMPP300」
今年のお正月に購入したフロントライトです。
良かった点
スペック欄の「8時間(100ルーメン)」に惹かれて購入しました。
AMPPシリーズはそれまで「ルーメン値が大きいだけで点灯時間が短くてロングライダー的には使い物にならない」と思いこんでいました。しかし、このAMPP300は他のAMPPシリーズにはない「8時間」というロングライフモードが存在しています。価格も3850円と非常に手頃。
帰宅してから照度の時間変化を計測してみると、非常にキレイなグラフになりました。しかも、公称よりもかなり長く点灯しています(9時間18分点灯)。
「一定光量」を保てる機能は高級なライト(おおむね1万円以上)に備わっていることは多いのですが、こんな廉価な入門用ライトに備わっているのは正直かなり意外。
実際に走る際にも路面が見やすく、実用性の高いライトだと思えました。
このスペックのライトを3850円で販売するCATEYEには、自転車ライト製造会社の矜持のようなものを感じましたね。これからスポーツ自転車を始める方に最初のライトとして薦めるのに最適なライトだと思います。
なお、本製品は実店舗限定商品です。
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② SHIMANO「RT-CL800」&「K05S-RX」
SHIMANOから今年発売された、ディスクロード用の新しいローター&ブレーキパッドです。
良かった点
どちらも前の世代でイマイチだと感じていた部分を改善しており、正常進化したという印象です。
シマノのローター&パッドはロード用よりもMTB用の方が出来が良いと思っていましたが、この世代に来て(少なくともロードバイク用としては)追い抜いた印象があります。
RT-CL800
まずローター(RT-CL800)。グレード的にはアルテグラグレード。デュラエースグレードのRT-CL900もありますが、重量は同じだったのでお値段の安いRT-CL800を買いました。
こちらを使い始めてから、ローターがパッドと擦れる「シュンシュン」という音がしにくくなりました。
シマノのローターは放熱のために、アルミの芯剤をステンレスの層でサンドイッチする構造を取っています。アルミとステンレスでは熱膨張の具合が異なるため、熱が入ると一時的に変形してしまい(冷めると元に戻る)、パッドと接触して音がなるケースがありました。
サンドイッチ構造自体はRT-CL800も同じなのですが、アームを強化して変形しにくくしたそうです。果たしてアームを強化したところでパッドとの接触を防げるのか?と思っていましたが、実際に使ってみてもほとんどパッドと擦れる音がしなくなったので、効果は出ているのでしょう。
また、従来のローター(SM-RT800)に比べて放熱フィンの面積が減っており、横風で煽られにくくなったようにも感じます。
K05S-RX
新パッドのK05S-RXは「当社比、耐久性50%向上」を謳っています。
実際、前のモデルよりも摩耗がかなり遅いです。走行距離と摩耗度から計算すると10000km程度は使えそう。それでいて制動性能が下がった印象はありません。
これだけパッドが削れないとローターのほうが削れてるんじゃないかと思えるんですが、ローターも特別減っている様子はありません。どんなマジックなんでしょうか?
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③ GARMIN「Forerunner 255s Music」
GARMINのスマートウォッチです。
時計を付ける習慣がなかったのですぐに付けなくなってしまうかと思っていたのですが、4ヶ月ほど着用を継続できています。
良かった点
ほとんどこちらの記事で書いたことの繰り返しです。一言で言えば、「トレーニング外での日常生活も含めた体の状態を客観的に把握可能になったこと」にメリットを感じています。
GARMINのスマートウォッチは、「ボディバッテリー」という機能があり、体力の残量を可視化してくれます。自分の疲れ度合いが客観的に把握可能になりました。
また、寝ている間も身につけることに寄って、睡眠の状態を計測。睡眠の質も判定してくれます。
また、Garminウォッチは手首で取った心拍をサイコンに転送する機能があり、胸バンド式の心拍計が不要になりました。ちょっと心拍の反映が遅いのが玉に瑕ですが、便利です。
目下の悩みは「シリコンバンドで肌がかぶれる」ことですが、ナイロンバンドに交換すると良いという話を聞いたのでこれから試してみる予定です。
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④ Panaracer「AGILEST CL」
Panaracerから今年新たにリリースされたロードタイヤです。
AGILESTは色々なモデルが出ていますが、私はクリンチャーの無印(DuroやLightではない)・ブラックしか使ったことがありません。太さは、25Cと28Cの2種類を使いました。
最初の2本は「AGILEST体験キャンペーン」で提供されましたが、その後5本(25C×3本、28C×2本)を自費で購入しています。
今年は11000kmほど走りましたが、うち7000kmほどはAGILESTで走っています。
良かった点
製品名通りに俊敏(AGILE)に反応してくれるタイヤであることです。
私は別にレースをするわけじゃないんですが、信号からのゼロスタートの反応が悪いタイヤや、加速の反応が悪いタイヤが好きではありません。
その点、AGILESTは加速しようとする動きに遅れること無く付いてきてくれるのが好きです。
また、私は立ち漕ぎをした際にタイヤサイドが潰れてしまうタイヤがあまり好きじゃないんですが、AGILESTはそういった感覚が無いのも気に入っています。
AGILEST(無印)の直系の祖先は「RACE C」だと私は思っています。
このタイヤも非常に良いタイヤで気に入っていたんですが、サイドが潰れてしまう感触がある点だけが気になっていました。AGILESTはその点だけが取り除かれた次期モデルという印象です。
今年のブルベは基本的にAGILESTで走りました。
意外にも良かったのが、AGILEST 28C。
北海道の路面に対応するために、それまでの25Cから28Cに交換してみたわけですが、これが実に良かったです。漕ぎ出しこそ少しモッサリしますが、滑るように走るというか。快適性も高いです。路面から跳ねにくいのも良い。
一方、イマイチな点としては販売時に表面に塗られているワックス。恐らく表面の劣化保護のために塗られているものです。
見た目では分かりませんが、指で触ってみるとペトペトしています。これが小石や路上のゴミを拾いやすいんですよね。「AGILESTを買ったが、下ろしたてなのにパンクした」という人が私の周囲にもいましたが、「下ろしたてだからパンクした」という方が正しいかもしれません。
私は以前購入したBRIDGESTONE「R1X」が同様にゴミを拾いまくった経験から、新品のタイヤは走る前に水拭きをする習慣があります。これが功を奏して、今のところは使い始めてすぐのパンクはありません。
なお、これまで7000km使った中でパンクは1回です。尖った石が刺さり、チューブまで突き抜けていました。
パンクしたタイヤをカットして断面を見てみます。
耐パンクベルトは黄色矢印で示した幅(接地面のみ)なので、ベルトの外ギリギリの所に石が刺さって穴が空いたわけです。守られていない場所なので仕方ないと言えば仕方ないんですが、もう少し耐パンクベルトが広くても……と思わなくもありません。
まぁGP5000も耐パンクベルトの幅は似たようなものなんですが。
なお、28CのAGILESTは25Cよりも耐パンクベルトが幅広の様子。こちらは使用開始から3000kmほどで未だにパンクがありませんが、耐パンクベルトの幅が効いているのかもしれません。
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まとめ
個人的に「今年買って良かった」製品の紹介でした。
例年に比べると「大物が入らなかったな」という感想です。2020年も2021年も、フレームかホイールが入っていました。しかし、今年はどちらも入らず。割りと小さいものばかりになりました。
「あれだけ絶賛してたアルテホイールが入ってないのはどういうこと?」と思われる方もいるかもしれません。
……買った当初は(スポークのテンションは低かったけど)、特に不満はなかったんです。現在でも、性能的な面では不満はありません。ただ、使用開始から半年ほどで異音が出るようになってしまい、その解消にかなり手こずったことから選外としました。その辺りの詳しい話はまた別で記事化しようと思っています。
昨年の「買ってよかった」記事では、こんな話を最後に書きました。
2022年こそ、Volt800の後継製品が出るといいなぁと思ってますが……CATEYEさん、宜しくお願いします!!
「バッテリーを21700 or 26650」「充電をTypeC対応」にするだけで確実に天下を取るライトになると思うんですけどね。
いやー、ここに書いたそのまんまの製品がついに発表されましたね。
VOLT800の後継機、「VOLT800 NEO」が前作から7年経ってようやく登場! 毎年しつこく言い続けた甲斐があったというものです。
当初は年内発売の予定でしたが、生産の都合で来年初頭に延期となりました。早く使いたいです。
恐らく、来年の「買って良かった」のうちの1枠はVOLT800 NEOになるでしょう。
もう一つ、昨年の記事ではこんなことも書きました。
とはいえ、技術的には不可能ではないと思うので、2022年には「小型の電動携帯ポンプが出る!」と希望的観測を書いておきます。
これも実は出ました。予言が2つとも的中して驚いてます。
CYCPLUSというサイコンなどを出している中国メーカーによる「CUBE」という小型電動携帯ポンプです。なんと公称97g。本当にそれで実用に足るなら凄いことです。
……ただクラウドファンディングなので、モノが出来上がってみないと何とも言えません。発売直前になって最初とは似ても似つかないものが出てくる可能性もあります。
こちらも来年の「買って良かった」に入ってくるのか? 実は一つ注文済みなので、続報をお楽しみに。
著者情報
年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。