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買って良かった自転車プロダクト 2023
本記事は、ロードバイク Advent Calendar 2023の20日目記事となります。
2020年から始めた、「今年買って良かった自転車プロダクト」を紹介する記事、今年もやります。
今年も色々「買って良かったもの」はあるのですが、その中でも特に良かったものを厳選してご紹介します。
4年に1度のPBPイヤーということで例年以上に色々買った気がします。
※ 対象は「自費で購入したもの」のみで、レビュー依頼された提供品は対象外です。
① CATEYE「VOLT800 NEO」
ついに今年発売となったVOLT800の後継機です。7年待ちました。
発売前に予約していたものの、発売日に別店舗でもう1本購入。現在、2本持っています。
良かった点
名作の続編は、なかなか前作を超えられないものです。
しかし、VOLT800 NEOは「こうあってほしい」という進化を盛り込みつつ、上下反転機構を搭載するという予想の上を行く改良を加えてきました。
PBPイヤーの1月に発売となってくれたのも良かったです。90時間の間には夜間走行が4回あります。そんな時、バッテリー交換なく12時間以上動作するVOLT800 NEOはこれ以上ない心強いライトでした。
最後までトラブル無く前方を照らし、PBPの時間内完走に大いに貢献してくれました。
7年間待ちましたが、それだけの甲斐はある名作ライトに仕上がったと思います。ここ数年、CATEYEのライトは他メーカーの後塵を拝しているイメージがありましたが、VOLT800 NEOの登場で一気に先頭に躍り出ました。
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② CYCPLUS「CUBE Tiny Pump」
2022年にクラファンを実施。2023年に発売となった、超小型の電動携帯ポンプです。
私的には待ちに待った製品でした。2022年末のクラファンで見かけて「これだ!」と思い、即支援しました。
良かった点
ようやく、手動の携帯ポンプと同程度のサイズ・重量まで小さくなり、かつ実用的な性能を持っている点です。
数年前から電動携帯ポンプは登場していましたが、4~500gという重量級のものばかり。手動の携帯ポンプが100~150g程度であることを考えると、さすがに持ち運ぶには重すぎます。
CYCPLUS「CUBE」は、実測重量97g。サイズ的にもツール缶に入るようになりました。他製品と異なり、口金の出っ張りが少ない点も省スペース化に貢献しています。

実はCUBEの登場よりも前に「nanoFumpa」という、CUBEと同じくらい小型で軽量な製品は登場していました。ただ、動作音が非常に大きく、操作性もイマイチ。
その点、CUBEは動作音は大きいものの抑えられており、操作性も考えられていました。後発製品として、よく研究されている印象です。
唯一の弱点は「使用中、手で抑えている必要がある」ということ。かなり本体が振動するので、手で持ち続けるのは辛かったのです。
しかしそれも、後から発売された延長ホースによって解消されました。カバーと延長ホースを含んでも総重量は136g。これで外出先でのパンク時のポンピングから解放されるのだから素晴らしい。
何年も前から「次は電動携帯ポンプの時代が来る」と言い続けていたので、ようやくその幕開けとなる製品が出てきてホッとしています。
課題はバッテリーの持ちでしょうか。25Cタイヤだと6気圧×2本持つか持たないかといった所なので、そのあたりの改善を望みます。
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③ UZM「ろんぐらいだぁすとーりーず! サイクル反射ベスト」
漫画「ろんぐらいだぁすとーりーず!(以下、”ろ!”)」の作中に登場する反射ベストをグッズ化したものです。
ブルベでは反射ベストの着用が義務(国内では終日、海外では各国ルールによる)となっているため、その性能や使い心地は気になるポイントです。
モデルとなっているのはPBPベスト(L2S Visioplus)と思われますが、独自の改善が加えられて使い勝手が上がっています。
この製品はいつでも売っているものではなく、たまに受注生産されるものです。今年はPBPイヤーだからなのか?2023年初頭に再販されました。
良かった点
ジャージと同じ記事を採用しているため、生地の伸縮性が高く動きやすいのが一つ。あと、フィット感が高いので走行中にバタつかず、空気抵抗も通常の反射ベストより小さいのが美点です。

PBPオフィシャルベストにも採用されているL2SのVisioplus。反射材の配置はかなり良いのですが生地の伸縮性は低く、縫製も割りと雑です。ファスナーも安価なものを使っているようで、割とすぐ壊れてしまいます。
「ろ!」の反射ベストは反射材の配置は踏襲しつつ、生地やファスナーといった部材は上等なものを使用しています。フィット感が良く、壊れにくい。
PBPでは反射材の面積が一定以上であることが求められますが、このベストは十分な面積を有しています。
スポーツ用、中でも自転車用の反射ベストを作っているメーカーはかなり少なく、少なくとも私が知る中では部材や縫製の品質は最も高いです。
2023年PBPでは、公式ベストではなく「ろ!」反射ベストを採用。着心地もそうですが、バックポケットが付いているので補給食等を入れることが出来て便利でした。
また、妻が私を見分ける良い目印になっていたようです。大半の人はPBP公式ベストで走りますからね。背中のFORTUNAは目立っていたとのことです。
ただ、国内では冬以外に使うとちょっと暑いはず。湿度の低いフランスではちょうど良かったです。今大会は非常に暑かったので、基本的に夜と早朝しか着ませんでしたが……(PBPでは昼間の反射ベスト着用義務はなし)。
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④ Garmin「EDGE840 Solar」
2023年4月に発売となった、Garminの最新GPSサイクルコンピューターです。
ディスプレイにソーラーパネルが仕込まれており、晴天下で走行すると稼働時間を増やせる点が最大のトピックでした。
ここまでに書いた3製品と比べると不満点は多いんですが、良かった点も多かったので「買って良かったもの」にラインナップしました。
良かった点
何と言っても稼働時間が長いことです。
それなりに省電力な設定にすれば、内蔵バッテリーで40時間動作。あとはソーラー充電により、プラス数時間は動作します。
今年の前半はいくつかのサイクルコンピューターをテストしましたが、その中で総合的に優秀だったのはEdge840 Solarでした。
今年の大一番であったPBPにもサブのサイクルコンピューターとして投入。88時間18分でゴールしましたが、道中の充電は1回のみで済んだ上にバッテリー残量が50%近く残りました。PC内での仮眠中はスイッチを切っていましたが、60-70時間くらいは動いていたはず。相当なロングライフであると言えます。
GPSサイコンの多くは15-20時間程度しか動作しないものが多いですが、その場合にPBPを完走するまでには3-4回の充電が必要となりますし、そのためのモバイルバッテリーを持ち歩く必要があります(=荷物が増える)。それらを持たなくて済むというのは、数百gの軽量化に相当するわけです。
「消すことの出来ないバーチャルパートナー」「バックライトの暗さ」「夜間のマップ背景色が白色」といった点は何とかして欲しいところですが、稼働時間だけでも人にオススメできるサイコンでした。
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まとめ
個人的に「今年買って良かった」製品の紹介でした。
PBPで活躍してくれた製品が3/4。個人的には4年に1度の大舞台ということで、何か買う時には「PBPでどうだろう」と考えることは多いです。その本番で結果を出してくれた製品はやっぱり評価が高くなりますね。1200kmの運用で問題が出ないというのは、それだけで凄いことですし。
CYCPLUS CUBEは唯一PBPには投入していない製品ですが、ようやく実用レベルの小ささ・軽さ・性能を持った電動携帯ポンプが出てきたということで「買って良かった」と思っています。
昨年の「買ってよかった」記事では、こんな話を最後に書きました。
恐らく、来年の「買って良かった」のうちの1枠はVOLT800 NEOになるでしょう。
これはまさにその通りになりました。
CYCPLUSというサイコンなどを出している中国メーカーによる「CUBE」という小型電動携帯ポンプです。なんと公称97g。本当にそれで実用に足るなら凄いことです。
……ただクラウドファンディングなので、モノが出来上がってみないと何とも言えません。発売直前になって最初とは似ても似つかないものが出てくる可能性もあります。
こちらも来年の「買って良かった」に入ってくるのか? 実は一つ注文済みなので、続報をお楽しみに。
こちらもその通りに。期待した製品が、期待に違わぬ or 期待以上ということは中々稀なので素晴らしいことです。
来年も色々と心躍るNEWアイテムが発売されることを祈っています。個人的にはグロータックのEQUALレバーに期待。
著者情報
年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。