ロングライド予定表の作成・運用法

  • 2020年3月2日
  • 2020年3月3日
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ブルベやファストラン等、目標時間のあるサイクリングを完走したい場合に効果的な「予定表」の作成方法と運用方法を紹介します。

紹介するのは私が使っているフォーマットなので、人によっては項目の要・不要があると思います。ただ、考え方は一般的に活用できるはずです。

入手場所

拙作の予定表のフォーマットを以下にアップしました。

「timetable_for_longride」が、予定表のフォーマットです。以下の解説は、このフォーマットを元にしたものです。

予定表の概要

ルートをいくつかの区間に分けて、各CP(チェックポイント)への目標到達時刻を一覧化したものです(下記は、「東京大阪キャノンボール」挑戦時のサンプル、サンプルとして上記ファイルにも収録)。

この予定表を作ることによって、「走行前」「走行中」「走行後」にそれぞれ以下のようなメリットがあります。

走行前のメリット

定めた計画に無理が無いかを事前に検証可能。また、休憩地点を予めリストアップ出来るメリットもあります。さらに、どの地点を夜間に通過するかなども確認可能です。

走行中のメリット

印刷して持ち歩くことで、計画に対してどれだけ余裕があるか/遅れているかを確認可能。休憩時間を増やすか、それとも巡航速度を上げるかなど、対策を取るための材料になります。

走行後のメリット

予定に対して実績を記入することで、自分の現在の能力を確認可能。そして、それは次回の走行前の計画のためのデータとなります。

横文字で言えば「PDCAサイクル」という奴ですね。

導入動機

「東京大阪キャノンボール」挑戦時に初導入しました。24時間で550kmという設定は、一般にかなり厳しいものです。

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そんな困難な計画を達成するために何が必要か? 色々考えましたが、仕事でも良く使う「WBS(Work Breakdown Structure)」のようなものを作れば良いのではないかと思いつきました。

WBSは普通、「タスク名」「期日」「アウトプット」などを記入します。

これに対して、私が作った予定表は「CP名」「到達時刻」「速度」を記入するものでした。

実際、計画段階でかなり厳しい挑戦であることが自覚出来ました。そして、実走段階では、常に予定とのズレを把握し、休憩時間の増減やペースの変更に役立ちました。さらに、走行後の実績データを併せて残すことで、自分の現在の能力を把握することも出来ました。

以後、目標時間のあるロングライドの場合には、予定表を必ず作成しています。気ままに走りたい時には作成しません。時間に追われて走るのは結構疲れるので。

フォーマット解説

予定表のフォーマットを解説します。

ファイル形式はExcelシートです。設けている項目は、

・CP(チェックポイント)名(*)
・区間距離
・累計距離(*)
・到達時刻(*)
・区間時間
・累計時間
・区間時速
・累計時速

の8個。このうち、記入するのは(*)が付いた項目だけです。残りの項目は数式を使って自動計算しています。

その他に、オプションとして太陽と月に関するデータを記入することも有ります。これは、各地点での明るさを想定するために使います。自動で計算が出来ないので、以下のようなサイトで走行地点でのデータを調べて手動で記入します。

作成手順

私が予定表を記入する場合の手順です。

① CPを決める

記入するCPをどこにするかを決めます。

私がCPに設定するのは以下のような場所です。

・スタート地点
・ゴール地点
・休憩予定の場所(コンビ二など)
・ブルベのPC
・峠の登り口
・峠の最高点
・峠の降りきった場所

② CPを記入する

決めた「CP名」と、スタートからの「累計距離」を、予定表に記入します。

この時にポイントとなるのは、「休憩が入るCPは2行分記入する」ことです。通過地点であれば、到達時刻と出発時刻は等しくなりますが、休憩地点では、

到着時刻 + 休憩時間 = 出発時刻

となります。予定表は、休憩時間をマネージメントするのも目的の一つなので、休憩時間分の行を追加で設ける必要があります。

③ 到達時刻を記入する

各CPの「到達時刻」を記入します。

「到達時刻」を記入すると、「区間時間」「累計時間」「区間時速」「累計時速」も自動で記入されます。確認すべきは「区間時速」です。コースプロファイルから見て、自分がその速度で本当に走りきれるか?をここで考えます。

峠の登り口や頂上にCPを設定するのはこれが理由です。

区間のコースプロファイルが「平坦」「登り」「下り」と単純化されていると、「区間時速」の目標が立てやすいのです。過去の自分がそのコースプロファイルで、どれくらいで走れたかを参考に、その速度に区間時速が近づくように、「到達時刻」を設定します。

④ 到達時刻の修正

全てのCPの「到達時刻」を記入すると、最後はゴールの「到達時刻」を記入することになります。「到達時刻」が「目標時間」ぴったりであれば良いのですが、実際には差が出ます。

目標時間に届いていなかったり、逆に早く着きすぎる場合には、到達時刻の修正を行います。区間速度を上げるには限界があるので、大抵削られるのは休憩時間だったりするのですが……。


以上で完成です。

使用例(走行中)

完成した予定表は印刷して、いつでも確認できるようにしておきます。

私は上のようなクリアケースに入れて、トップチューブバッグに格納しています。休憩時や信号停止のタイミングで確認します。

例えば、予定から2分遅れている場合は、「次の休憩を2分間短くしてリカバリーしよう」といった対策を立てます。逆に、予定から10分先行していて体が休息を求めている場合は、「次の休憩を5分伸ばして回復に充てよう」とすることも出来ます。

最終的にゴール到達時刻が目標時間に近づくように、走りながら調整していきます。

使用例(走行後)

走行が終わった後には、GPSデータなどで実績の記入を行うことで、反省と次回の計画のために情報を残すことが出来ます。

私の場合は、計画の横に実績の欄を追加して、比較して見られるようにしています。単純に、計画用のシートと実績用シートは別に作ってもよいと思います。

実績を見ると、「この区間が遅い」「休憩時間が多すぎる」等の自分のクセが見えてくるはずです。逆に、「この休憩でもう少し休んでいれば良かった」「名物グルメを食べている時間があった」などといったことも見えてきたりします。

次回、同じコースを走る場合には、「過去の自分はこの区間をこのペースで走っていた」ことが解るので、より精度の高い見積りを行うことが可能です。

まとめ

手間は掛かりますが、ロングライドに向けて予定表を作ることは、目標に近づくために有効な手法だと思います。

今回は私なりのフォーマットの予定表を紹介しましたが、これが正解とは思っていません。もっと効果的な予定表の作り方があれば是非教えて欲しいです。

なお、私の経験だと、予定表通りに走れるのは長くても2日まで。以後は何らかの理由で予定は崩れます。ただ、目安にはなるので、やはり予定表は必ず作ることにしています。

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エンジニアリングの世界では、「最終的な成果の半分以上は設計で決まる」とよく言われますが、これはロングライドにも適用できる話ではないかと思っています。ご活用ください。

追記: 区間時速記入タイプのフォーマット

「到達時刻を記入するよりも、区間時速の見積を記入する派です」という方が多かったので、そちらのバージョンも作成しました。下記からダウンロード可能です。

「timetable_for_longride_speed」が、予定表のフォーマットです。

使い方はあまり元のフォーマットと変わりませんが、「到達時刻」の列が自動計算になっており、代わりに「休憩時間」「区間時速」を手動で記入する方式になっています。

こちらの方が分かりやすい方はこちらをご利用ください。

レビュアー情報

年齢: 35歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。