サイクルモード東京2023 参加レポート(前編・西ホール)

この記事は約 11分で読めます。

去年に引き続き、東京ビッグサイトでの開催となった「サイクルモード東京」。国内自転車界最大のイベントのレポートです。

前編は西ホールのブース、後編は南ホールのブースと駐輪場について書きます。

目次

サイクルモード東京

幕張メッセから東京ビッグサイトに会場を移した昨年のサイクルモード。2023年も東京ビッグサイトでの開催となりました。

個人的なサイクルモードの意義

私が初めてサイクルモードに行ったのは10年以上前のこと。当時はロードバイクに試乗するのが目的でした。

いつしか興味はフレームよりもパーツの方に行ってしまい、現在では新しいパーツの情報入手と、作り手の方の話を聞くことを目当てに会場に行っています。

漫画家の方に作品の制作秘話を直接聞くことは難しいですが、自転車のパーツの設計思想などはサイクルモードに行けば作り手に直接聞くことが出来ます。そして、「こういう製品が欲しい」ということを伝える機会にもなります。

ここ最近はLarouteのインタビューなどでメーカーの方と話す機会もありましたが、こうした展示会でユーザーから直接聞く意見というのは次に作る製品のヒントとなることも多いそうです。

東京ビッグサイトへ

今年は土日の両日ともに会場へ赴きました。

土曜日はあいにくの雨。コミケの時と同じく、りんかい線で東京ビッグサイトに赴きました。

日曜日は晴れたので、自走で会場まで赴きました。

1年に1度のこの雰囲気。サイクルモードはやっぱり良いですね。

ブース紹介(西ホール)

ほぼ全てのブースを回ったと思いますが、その中で気になった・面白かったブースを紹介します。

本記事では西ホールのブースを紹介します。

Panaracer

まずは、NEWタイヤ「AGILEST DURO TLR」を発表したPanaracerから。

ブースには「”ALL ROAD” for Panaracer」の文字。舗装路だけではなく、あらゆる路面に積極的に取り組んでいく姿勢が見て取れます。

4象限マトリクスで表されたタイヤの特性図。目的に合ったタイヤの選び方が分かりやすいですね。

こちらが新作のAGILEST DURO TLR。

構造的にはクリンチャーにおける無印AGILESTに近い(トレッド下のみに耐パンクベルト入り)とのこと。「AGILEST TLR」は耐パンクベルト無しという攻めた作りだったので、ある意味このDURO TLRこそがノーマルモデルと言えるかもしれません。重量は25Cで240gと軽量に収まっています。

Panaracerブース前では、Laroute編集部の皆様とバッタリ。

「CATEYEブースに先日お話した高浦さんと塚本さんがいらっしゃいますよ」と安井さんからお話を聞き、CATEYEブースに向かいました。

CATEYE

VOLT800 NEOをリリースしたばかりのCATEYE。

やはり新作の「NEO」の注目度は高いようで、多くの人が集まっていました。

ブースでは、高浦さん・塚本さんにご挨拶。直接お話できて良かったです。

フロントライトについてはVOLT800 NEOで満足してしまったので、次は「こんなテールライトが欲しい!」というお話をさせて頂きました。毎度、要望ばかりでスミマセン……。

こちらは旧VOLT800/VOLT800 NEO/GVOLT100の配光が比較出来る装置。配光が主観でイメージできてよいですね。

VOLT NEOの上下付け替えゲームという企画も。20秒以内にブラケットアダプタを付け替えられればタオルがもらえます。

12秒で成功してタオルを頂きました。ちなみに最短記録は9秒だそうです。

CATEYEブースでは、6月にRAAM(4800kmのアメリカ大陸横断レース)に参加する落合さん・サポートメンバーの森脇さんによるトークショーも開催。ライトの運用方法などをお話しいただき、参考になりました。

聞きに集まっていた人の半分くらいは恐らくブルベ常連の人たちだったと思われます。

落合さんの実車(macchi cycles)も展示されました。奥にあるのは日本縦断のギネスレコード証書です。

CYCOLOGY

入り口近くでひときわ目立っていた派手なカラーリングのウェアブランド「CYCOLOGY」。

私はこちらのブランドのバーテープを使っています。

最近は無地のバーテープが増えていますが、こういう派手な柄のバーテープブランドは常にあって欲しいですね。

エイト

六角レンチの専門ブランド「エイト」。

今回の新製品は軽量な携帯工具「KPH-1」。

1.5mm~6mmまでのレンチが揃って公称重量は100g。1.5mmスタートというのが珍しいですね。実際にネジも締めてみましたが、使い勝手は良さそうでした。

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グロータック/Magene

EQUALブレーキからコンポーネントの世界に入ってきたグロータック。最近は中国のMageneブランドを扱い始めました。

サイクルモードを前にいくつかのMageneの新製品が発表されました。

一つがこちらのTPUチューブ。TubolitoやRevoloopと同じような製品ではありますが、価格は1650円(税込)。他社の半額です。

TPUチューブは熱に弱いものが多いのですが、他社よりも高温まで耐えられるそうです。

もう一つがこちらのクランク型パワーメーター。チェーンリングは付属しませんが、43560円(税込)とかなり安い。

参考出品されていたEQUALペダル。Larouteの記事を見て俄然興味が湧いています。

こちらも参考出品のEQUALレバー。機械式変速・ワイヤー引きブレーキのレバーです。握り心地は良い感じ。フリクション変速はちょっと難しく感じますが、面白かったです。

OGK KABUTO

ヘルメット努力義務化でめちゃめちゃ売上が増えているらしいOGK。

私も最近OGKの「REZZA-2」を買ったのですが、インナーパッドについて要望があったので、ブースにいたスタッフの方に要望を伝えました。ノーマルパッド、出てほしいです。

AERO-R2の新色「マットレッド」も展示されていました。AERO-R2は持っていますが、これが出るまで待てばよかったです。ちょっと後悔。

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ABUS

丈夫な鍵で有名なABUSですが、最近はヘルメットブランドとしても認知されてきています。マチュー・ファンデルブールもABUSのヘルメットユーザー。

私は頭の形に合うヘルメットが少ないんですが、ABUSはストレスがなかったです。見た目もカッコいいし、そこそこ軽い。

そして安全性のアピールもしっかりされている所が良かったですね。ヘルメットの本懐はそこですから。

KPLUS

3連続でヘルメットブランドで「KPLUS」。最近ヘルメットを買ったもので、私の中でヘルメットが熱かったりします。

KPLUSは台湾ブランドということもあり、アジア人の頭にフィットする帽体です。私も問題なし。

ただ……ちょっと重いんですよね。私の頭の周長は61cmほどあり、KPLUSではLサイズ。KPUSの場合、Lサイズの重量はどれを選んでも300gを超えます。

軽すぎても怖いんですが、重すぎても長距離で首が疲れるわけで。Lサイズで250-60gのヘルメットが出てきてくれればよいのですが。

PINARELLO

言わずとしれた有名フレームブランド「PINARELLO」。

今回はアワーレコードを昨年8月に更新したフィリッポ・ガンナの実車が展示されていました。

記録も凄いけど、サドルの高さがとにかくすごい。ガンナの身長は193cmですが、1m超えてるんじゃないか?というサドル高。

試乗コーナーにズラッと並ぶPINARELLO。一体これで総額いくらなのか……。

三ヶ島ペタル

多摩湖の北に会社を構える「三ヶ島ペタル」。

先日、当サイトで行った「ビンディングペダルアンケート」で高い支持を得ていたことから、現物を見たくなって立ち寄りました。

触ってみたかったのは、こちらのペダルボディを取り外せる「EzySuperior」という機構を搭載したモデルです。

簡単な操作でペダルボディを外すことが出来ました。輪行の際にペダルを外しやすいということで人気とのこと。

ハドラス

フレームのコーティング剤として最近聞くようになった「ハドラス」。

ブースでは、KINANの選手が製品を案内してくれました。

興味深かったのが、シューズへのコーティングです。

てっきりフレームのコーティング剤のメーカーと思っていましたが、シューズやヘルメット用もあるとのこと。雨天ライドで浸水を遅らせるのに役立ちそうですね。

Santic

ウェアメーカー「Santic」。私はここの長袖ジャージが好きで愛用しています。

Amazonで売っている激安ウェアメーカーというイメージですが、実は実業団チームにウェアも供給している専門メーカーです。

国内ではチーム右京、海外ではGUSTOなどにジャージを供給。

こうした高級ラインのウェアは一般販売はしていないそうなんですが、ゆくゆくは販売したいとのこと。

シューズもやっているとは知りませんでした。中々良さそう。

東京サンエス

庶民の味方、東京サンエス。

SOMAのフレームや……

キャラダイスのバッグ類を展示。

新製品としては、サンエス初?のステム一体型ハンドルが置かれていました。

サンエスらしく、他のメーカーよりも幅が狭いモデルとなってますね。しかし340mmはさすがに狭すぎるような気もしますが。価格は未定。

Qファクターが48mmしかない「ロードトリップ48」。重量も軽くてちょっと気になるペダルです。

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TRISPORTS

マニアックブランドを多数扱うトライスポーツ。

今回も面白いものが色々ありました。

フレームに色々オリジナルの文字や柄を書ける「スポーツペン」。

超軽量パーツで心配になってしまうDARIMO。

iGPSPORTのサイコンもスペースは小さいながら展示されていました。

ブースで一番目を引いたのは、こちらのgeluのサドル。「スプリング」付き軽量カーボンサドルで、公称重量は80gです。軽すぎる。

KiLEY

レトロなライトを多数扱う「キーレイ」。

メインとなる商品は、見た目はクラシカルながら実はUSB充電式というライトたち。

外は古くても中身は新しい。スタイルにこだわるツーリング派の人に良さそうです。

オーストリッチ

国内のバッグブランドの雄「オーストリッチ」。

最近はバイクパッキンググッズに力を入れています。新城選手のサイン入りフロントバッグも置かれていました。

これといった新製品はありませんでしたが、新カラーの製品がいっぱい。ブースにいらした伊美社長曰く、「最近は商品のトレンドサイクルが早いので、色々と限定カラーを出している」とのこと。

限定カラーの「AKANE」。オレンジ気味に見えますが、もう少し濃い目の和風の赤です。欲しい。

妻は「ビビッドなピンクが欲しい!」と言ってました。

ハンドメイドバイシクルコレクション

ハンドメイド自転車のブランドが出展しているコーナーが入口近くにありました。

macchi cycles

まずは滋賀のmacchiさん。落合さんのRAAM挑戦自転車もこちらのバイクになる予定だそうです。

グラファイトデザインのカーボンパイプを使ったハイブリッド車。いつ見てもカッコいい。

こちらはシマノレーシングで活躍した木村圭佑さんの実車。CYCOLOGYのバーテープがマッチしてますね。

CHERUBIM

東京・町田のケルビム。今回はチタンバイクを展示するとありましたが、見当たらず。

こちらはスチールのフラグシップ「RACER」。鉄だけどケーブル完全内装。時代ですね。

WELD ONE

特徴的なチタンフレームを製造するWELD ONE。今回はトラックレーサーが展示されていました。

 

EQUILIBRIUM

ラトビア人ビルダーのブラッドさんが制作するエクイリブリウム。こちらもケーブル完全内装モデル。

Cycle Sports

出版系のブースは大体南ホールにあったんですが、何故か西ホールに配置されていたサイスポブース。

ケルビムの今野氏のトークショーなどが行われていました。ブースになかったチタンフレーム、こちらにあったんですね。

インタビュアーをしていた中島編集長とは割りと昔からの知り合いなんですが、2日目に食事コーナーの隣のテーブルに偶然いらっしゃったので久々にお話しました。

リアルイベントはこうした偶然の出会いがあるのが良いですね。

まとめ

サイクルモード東京2023、西ホールのブース紹介でした。

今回もフレームブランドはほとんど見ずに、パーツブランドばかりを見ていました。

後編では、南ホールのブースと試乗コースの様子を書いていきます。

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著者情報

年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

 

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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