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サイクルモード東京2023 参加レポート(後編・南ホール&駐輪場)
去年に引き続き、東京ビッグサイトでの開催となった「サイクルモード東京」。国内自転車界最大のイベントのレポートです。
後編は南ホールのブースと駐輪場について書きます。
西ホールのブースを紹介した前編の記事は↑です。
ブース紹介(南ホール)
ほぼ全てのブースを回ったと思いますが、その中で気になった・面白かったブースを紹介します。
本記事では南ホールのブースを紹介します。
GARMIN
南ホールの入り口の前に鎮座するGARMINブース。EDGE540/840が発表された直後ということもあり、全てのブースの中で一番賑わっていた印象があります。
私もEDGE540/840のどれかを買おうと思っていたので、実機を触ったり、スタッフの方に確認しながら検討を行いました。
その検討内容は↑の記事にまとめています。
結局、1日目の帰宅後にEDGE840 Solarを注文しました。
2日目は、竹谷賢二さんによるEDGE540/840の新機能についての説明を聞きました。新機能への理解が深まった気がします。
Bryton
サイクルモード直前に新機種「Rider 750 SE」を発表したBryton。Garminへの対抗心むき出しです。ちなみに、日本のサイコン市場ではGARMINに次ぐ2位がBryton。
GARMINに比べるとモデルのリリースが早く、年に数回新機種が出ているイメージがあります。
今回発表された「Rider 750 SE」は、「カラー液晶」「タッチパネル」を搭載していながら、35750円という戦略的価格に設定されています。EDGE840 Solarが74800円なので、ほぼ半額。
ただ、スタッフの方によると地図をユーザー側で入れらない……と聞いたんですが、公式サイトを見るとダウンロードはできそうですね。なかなか良いモデルかもしれません。
trimm
最近はGARMINがソーラー充電を導入しましたが、GPSサイコンにおいてソーラー充電の元祖といえば「trimm」です。今回のサイクルモードには珍しく出展していました。
こちらが元祖ソーラー充電サイコン「ONE lite」。通常でランタイム50時間という驚異的なバッテリー寿命を持っています。それに加えてソーラー充電付き。
ユーザーの方によると、晴れた日ならば「バッテリー残量が減らない(というか増えていく)」らしいです。発電量が消費量を上回るということですね。GARMINの方はそれほどの効率は実現できていません。
こちらは来年リリース予定らしい新作サイコン「VIVID」。アルミのケースで着せ替えが出来るのが特徴。
SHIMANO
GARMINと同じく南ホールの入り口に陣取ったシマノ。土のある展示を見ると、鼻腔の奥に何やら香りが蘇ります……(今回は特に臭いませんでした)。
今回のシマノブースで一番注目を集めていたかもしれないのが「模倣品」コーナー。最近、通販サイトで偽物が増えているようです。
正規品判定アプリなるものが用意されているとのこと。
今回のサイクルモードはヘルメットを色々見ようと思っていたので、LAZERのヘルメットも見学。
こちらのヘルメット、後頭部の金属板みたいな部分がアジャスターになっています。最初は操作方法が分かりませんでした。
DURA-ACEフレーム。どこのフレームだろう?
日本風洞
最近、静岡県に一般の人でも使える風洞実験施設を作って話題となっている「日本風洞」。ガチンコサイクルTVの取材を受けていました。
今回も会場に風洞実験装置を置いていました。バイクラ山口編集長が何やら計測してもらっている様子。
SUPERNOVA
ドイツのライトブランド「SUPERNOVA」。インターテックのブース内に展示コーナーがありました。
注目は、現在最強のハブダイナモ用ライト「M99 DY PRO」。これはまだ日本では売っていなかったはずですが、売られるようになるんですね。
私は一足先に入手して試していますが、ライトとしては素晴らしいの一言。動力が自分の脚力じゃなければ良かったのに……とは思うのですが、こちらにはハブダイナモ版ではなくe-bikeの電源から電力をとって使えるバージョンも展示されていました。
CONTINENTAL
ロードタイヤでは恐らくシェアトップを誇るCONTINENTAL。
今回は新しくリリースされた「GP5000 AS TR」を見学。ASは「All Season」で、GP5000 S TRの耐パンク性能を強化したチューブレスレディタイヤ。GP5000 S TRでパンクして直せずに酷い目に遭った私としては気になります。
ただ、最小28Cで335gは、チューブレスレディタイヤとしては重すぎますね……。シーラント不要でこのくらいの重量なら納得なんですが。
GOODYEAR
世界的なタイヤメーカーとしては後発(2018年)で自転車用タイヤに参入してきたグッドイヤー。今回の展示の中心はグラベル用タイヤでしたが、私はロード用タイヤに注目。
この春、グッドイヤーはロード用タイヤのラインナップを一新しました。
登場時から新ETRTOっぽいスペックでしたが、より一層現代的なスペックとなりました。
TOWILD
最近、Amazonで売られているライトの中で人気を集めているTOWILDも出展していました。周辺には中国・深センを拠点とする電子機器企業が多かったです。
ピンボケになってしまいましたが、こちらは最新作のDLite1800。上下に2つのLEDを持ち、上側がハイビーム・下側がロービームを受け持つライトです。
ISOが2015年に改定され、ロービーム・ハイビームを兼ね備えたライトの規格が出来ましたが、恐らくそれに準拠しているのでしょう。壁にも照射してみましたが、綺麗にロービームとハイビームが分かれていました。
こちらは赤黒グラデーションのCL1200 Pro。
TOWILDは中華ライトの中ではレンズの設計にこだわりをもっているようで、出来が良いです。OLIGHTの弱点(レンズ設計がいまいち)を潰している感じなので、今後CATEYEの牙城を脅かすとしたらTOWILDかもしれません。
IFGOSPORT
同じく深センのIFGOSPORT。主にドイツ向けのライトを制作している企業で、StVZO(ドイツ道路交通法)に準拠したライトを多数ラインナップ。
日本ではまだ販売がないようですが、数カ月後からAmazonで販売予定とのこと。
目を引いたのが、こちらの横長のライト。レンズの設計が凝ってますね。e-bike用らしく、形状的にはSUPERNOVAのM99に良く似ています。
もう一つ目を引いたのが、横長のテールライト「IGS-T02」。
type-C端子搭載で、バッテリーも900mAhと大型なテールライトです。2日連続でブースに行ったら「サンプルです」と頂いてしまいました。
壁に恐竜などの模様が出現する子供向けライトも。ライト自体も動物の形をしています。こういう遊び心があるのは良いですね。
Peak Design
カメラやスマホを自転車に取り付けるためのマウントをラインナップするPeak Design。元々はキックスターターで始まったブランドだそうです。
バネによるロックと、磁石によるロックで二重になってるのが面白かったです。付ける時は磁石で適正な位置に導かれ、バネでしっかりとロックされます。
ハンドルにスマホを付けることはあまりしないんですが、面白い発想のアイテムでした。
ZEFAL
BMCのブース……は、高くて買えないので横目に見つつ。
私の目的は脇にひっそり置かれたゼファールのコーナー。最近のゼファールの小物は面白いんですよね。
個人的にはこちらの泥除けが非常に良かったのですが、展示されてなかったのは残念。PR Internationalさんも、もっとZefalをアピールしていって欲しいですね。老舗ブランドですけど、最近頑張ってると思います。
太陽誘電
群馬の太陽誘電が出展していました。太陽誘電といえばCDやDVDといたメディアが思い浮かびますが、自転車関連事業もやっていたとは知りませんでした。
電動アシスト自転車の回生充電システムを手掛けているようですね。
ブースには、2022年の全日本TTチャンピオンである群馬グリフィンの金子宗平選手が。特製のステッカーを頂きました。
昨年までは大学生だった金子選手、この4月から就職で太陽誘電に入社されたとのことです。実は1枚目の写真にも金子選手のジャージが展示されていました。
BTB輪行箱
飛行機輪行用の輪行箱を販売する「BTB輪行箱」。
今年の夏はフランスまで飛行機輪行をするので、ラインナップを一通り眺めました。やはりよく考えられた構造に見えます。
GHISALLO
最近、フレーム分野での躍進が目覚ましいフカヤのGHISALLO。
今回はエンデュランスロード・GE-110の限定カラーが展示されていました。ラメ入りのホワイトカラーです。差し色は金。よく見ると、ダボ穴の縁も金色に塗られていますね。凝ってる。
AVEDIO
最近本社が移転したAVEDIO。私の夜練コースにあった本社がもぬけの殻になっていて悲しい。
AVEDIOといえば豊富なカラーアイテムでしたが、最近はちょっと減りました。
数年前からLYNXというバイクパッキングアイテムを扱い始めています。なかなか防水性が高そう。
CANYON
例のアニメイラスト入りバイクが飾られたCANYONブース。
割とカラフルなフレームが多かった気がするのですが、CANYON的なトレンドでしょうか。
密かに欲しかったバーエンドベルは売っていませんでした(売り切れ?)。
TOTEM
大手ブランドのOEMを手掛けることで有名なTOTEMがかなり大きなブースを出していてびっくりしました。
UPLANDはAmazonでアルミフレームを見かけたことがある気がしますが、TOTEMのブランドだったんですね。カーボンフレームは割りとトレンドを抑えた形状をしてます。
こちらはグラベルフレーム。ダボ穴たくさん。
北総観光連盟
観光系のブースも色々ありましたが、ひときわ目を引いたのは弱虫ペダルのイラストが描かれた「北総観光連盟」です。
サイクルモードの前週にちょうどブルベでこの辺りを走ったばかりだったので、風景を思い描きながらブースを見ました。……しかし、この坂道くんの手足、長くない?
駐輪場
サイクルモードには10年以上通っていますが、今回は初めて自走で会場に行ってみました。
盗難が怖いので基本的には公共交通機関で行くべきだと思うのですが、ビッグサイトに会場を移してからの「サイクルモード駐輪場はセキュリティがしっかりしている」と聞いて試してみることにしました。
あまり詳しい方式を書くとセキュリティホールを突かれてしまうかもしれないので、サラッとレポートします。
盗難されても諦めが付くように、通勤用のクロスバイクで会場に向かいました。
駐輪場に到着。
自転車を預ける際には身分証明書が必要になります。そして、申込みの書類も記入することになります。これが割符のようになっていて、返却の際に必要になります。利用料金は無料。
スタンドのない自転車用に、タイヤを差し込む方式のスタンドが用意されています。
無料の駐輪場ではありましたが、なかなか力の入った駐輪場でした。
盗難のリスクは0にならないとは思うんですが、イベント側としての最大限の努力が感じられる駐輪場だと思います。
まとめ
サイクルモードの南ホールのブースレポートでした。
今回のサイクルモードはフレームメーカーの出展が減った印象があります。試乗コースが大きいのに走っている自転車も少ないように感じました。私も結局試乗はゼロ。ほぼパーツを見ていました。
コロナも一段落し、パーツ系のブースには新製品がいろいろあって面白かったです。
印象的なのは中国系のブースの増加。特に深センの電子機器の企業が多かったように思います。日本ではあまり盛り上がっていないe-bike系のブースが多かったですが、今後日本でも盛り上がるんでしょうか?
次回のサイクルモードも東京ビッグサイトで開催。2024年4月6日と7日だそうで、今から楽しみです。
著者情報
年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。