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CYCPLUS「AS2 PRO」購入
CYSPLUSの新しい電動携帯ポンプ「AS2 PRO」を購入しました。
前作は空気圧表示のないシンプルなモデルでしたが、今作は液晶が付いて現在の空気圧を表示可能となっています。
購入まで
最初は買うつもりがなかったのですが、色々あって買うことにしました。
製品発表
製品発表が行われたのは、CYCPLUS公式アカウント……ではなく、日本の代理店をやっているワールドサイクルのアカウントでした。2/13のことです。
cycplusの電動ポンプに、液晶モニター付きが新登場。バッテリー容量は1.4倍。最大120psiまで入ります。それでいてサイズは5mm高くなっただけ。楽々ホースも付属します。この小ささで、100psiをこえてもぐんぐん空気が入って、指定空気圧でピタッと自動停止するって凄い。https://t.co/xMevRBWKUX pic.twitter.com/hXDZqafPr0
— WORLDCYCLE_R250 (@WORLDCYCLE_BLOG) February 13, 2024
気にはなりましたが、液晶が付いて空気圧が分かるようになっただけ。バッテリー容量が上がったといっても、前作(AS2)もロードタイヤ2本分くらいは使えましたし、それが3本になった所でそこまで意味があるとは思えませんでした。
この手の初物はとりあえず手を出す私ですが、16300円という値段を見てちょっと考えてしまったのも事実です。
台北ショーで勘違いを悟る
3/8に台北ショーを見てきました。ショーのレポートはこちらです。

メインの会場とは別のE-BIKEのブースが集まる展示会場に行ってみると、そちらにCYCPLUSのブースがありました。

CYCPLUSのブースでは大きく新作の「AS2 PRO」「AS2 MAX」の画像が貼られていましたが、肝心の現物はなし。置いてあったのは前作のCUBE(モデル名: AS2)のみでした。係員の方に聞いてみると「売り切れで持ってこられなかった」とのこと。随分すごい人気らしい。
そして置いてあったスペック表を眺めて気づいたのですが……あれ、パワーもアップしてる?

注目していただきたいのは「Inflation Speed」の欄。
前作のCUBE(AS2)が「2.5分で100PSI(6.8気圧)まで」なのに対し、AS2 PROは「2分で120PSI(8.2気圧)まで」に進化しています。
私も小型の電動携帯ポンプはいくつか使ってきましたが、5気圧を超える辺りから一気に気圧が伸びなくなります。手で空気を入れても5気圧から先には一気に重くなった経験がある方も多いと思いますが、この先はかなりのパワーが必要なのです。前作AS2は150秒の充填で6.5気圧までは行きましたが、ここが限界という印象でした。
しかし、AS2 PROは「8.2気圧まで行けるぜ」と言っているわけです。400gクラスの電動携帯ポンプならそれくらいのパワーを持ったものも多いですが、100gクラスの携帯ポンプは普通はそこまでパワーがありません。AS2は6.8気圧、nanoFumpaも5.5気圧が限界です。AS2 PROは5mmサイズが大きくなっただけで、8.2気圧まで上げられるパワーを手に入れたと書いているのです。
携帯ポンプマニアとしたことが、バッテリーの容量に踊らされて本質に気づいていませんでした。AS2 PROの凄い所は、バッテリー容量でも液晶でもなく(どちらも嬉しい変化ですが)、その小ささからは考えにくい大パワーだったのです。
パワーが大きいということは、実用気圧までより短い時間で充填可能ということ。AS2では「ちょっと実用気圧まで入るのが遅いな」と思っていた不満点が解消されることになります。
帰国後、即購入
勘違いに気づいた私は、帰国して即ワーサイに注文を入れました。
昨日再入荷したcycplusの超小型電動ポンプ。昨年の台北ショーでは台湾の問屋の隅に展示してあるだけでしたが、今年は本気の巨大メーカーブースです。口金のでっぱりのないデザインは、シンプルで美しい。液晶付きはもはや現代最強の携帯空気入れでしょう。https://t.co/xMevRBWKUX#cycplus pic.twitter.com/mz20VSa7To
— WORLDCYCLE_R250 (@WORLDCYCLE_BLOG) March 8, 2024
ちょうど台湾にいる間に再入荷されており、在庫が補充されていたところでした。
CYCPLUS「AS2 PRO」

注文から2日ほどで届きました。
とりあえず家で使ってみてのファーストインプレッションを書いていきます。

ちなみに前作(AS2)のインプレ記事はこちらです。
パッケージ

裏面にはスペック表示が。ワット総量(Wh)が書かれるようになりましたね。AS2に比べて少しパッケージが大きくなっています。

パッケージの中身はこちら。
- 説明書(7ヵ国語)
- 本体(シリコンケース取付済)
- Type-Cケーブル
- 予備パッキン
- 米式バルブ用ノズルピン
- 延長ホース
- 延長ホース用仏式アダプタ
- ボール用ノズル
- 防水バッグ
前作に比べて随分と盛りだくさんになりました。
嬉しいのは、最初から延長ホースが付いてくる点。前は別売りだったんですけどね。熱に弱いTPUチューブを使う人が増えたことから、付属するようになったようです。
予備パッキンが付いてるのも良心的です。防水バッグはちょっと丈夫なジップロックという質感。
重量

公称120gで実測119g。偽りはないと言ってよいでしょう。シリコンケースが付くと+19gです。
大きさ
「前作より大きくなった」というイメージが合ったのですが……箱から取り出すと、あまり大きさが変わらない印象。


並べてみるとこんな感じ。確かに大きくはなっていますが、縦に少し大きくなっただけ。十分コンパクトです。

口金の出っ張りも少ないタイプなので、ツールケースにもちゃんと入ります。
充電
Type-C端子を採用しています。
公称充電時間は、前作より10分伸びて30分。実測はしていませんが、前作も公称値と同等の時間で充電が終わっていたので今回も大丈夫なはず。そのうち実測します。
CYCPLUS公式によると、200回の充放電のあとでも問題なく使用できることを確認しているようでした。
空気充填
使用方法は前作よりも直感的になりました。
- 電源ボタンを長押しして電源を入れる。
- +ボタンと-ボタンで目標気圧を設定する(最大120PSIまで)。
- 電源ボタンを短く押すと充填開始。
- 目標気圧に達すると、電源が自動的に切れる。
デフォルトの空気圧表示はPSIですが、+ボタンと-ボタンを同時押しするとBAR(気圧)表示に切り替えられます。

この単位設定は再起動しても保存されていました。
充填の様子を動画に撮ってみました。0→1気圧は目に見えてタイヤが膨らむのが分かりました。
そして、指定した気圧になるとピタッと停止します。
充填能力
内幅17mmのリムに、前提内幅17mmの25Cタイヤを取り付けた状態でテストしました。

目標気圧は110PSI(7.6気圧)です。

もはや懐かしさを感じるレーゼロカーボンです。タオルを敷いているのは、少しでも音と振動を吸収するため。
先程の動画が充填の際の実際の様子で、約94秒で自動的に電源が切れました。前作では動作させた秒数で気圧を推測して止めていましたが、勝手に止まるのは便利ですね……。

念のため、パナレーサーの空気圧計で気圧を確認しましたが、108.6PSIでした。中々AS2 PROの気圧計は正確なようです。この手のポンプの空気圧計はでたらめな事も多いのですが。
そして、この気圧まで普通に入ってしまうことが凄い。今どきはここまで高い気圧に上げることはなかなかないですが、これだけのパワーがあればロードの実用気圧(5~6気圧程度)までの充填速度もかなり早くなります。
音
音は前作より大きくなっています。パワーアップしたので致し方ないですかね。
(追記)
音量を測定しました。
機種 | 音量 |
---|---|
AS2 | 65.0dB |
AS2 PRO | 70.0dB |
5dBほどAS2 PROのほうが音が大きかったです。音量の差で言うと1.78倍の差になります。結構うるさいですね。
熱
熱も持ちやすくなっているかと思ったのですが、前作よりも熱さは感じず。短い時間で終わったからかもしれませんが。
その代わり、ちょっと独特な香りが部屋の中に漂いましたが……実際使うのは野外のはずなのであんまり気にしなくても良いとは思います。
電池の持ち
先程の条件で110PSIまで25Cタイヤを充填してみましたが、2セットの充填までは完了できました。3セット目は10PSIまで上がった時点で電源が落ちました。
当初、ワールドサイクルのサイトには「700 x 25Cタイヤ/120PSI/3本まで可能」という記載が合ったと思うのですが、今見たら「110PSI/2本まで可能」に変わってましたね。CYCPLUS公式もそうなっていますし、実測した結果も2本が限界だと思います。
とはいえ、今どきはここまでの高圧に上げることは稀です。25Cで6気圧までなら3~4セットは行けるはず。出先のパンク修理用としては十分な能力だと思います。
モバイルバッテリーを持っていれば、一度パンク後に充電状態にしておけば次のパンクにも備えられるでしょう。
延長ホース
最初から付いているのは本当にありがたい。これが付いているとずっと手で持ってなくても良いですし、バルブにも負担がかからないので。ちなみにホースの重量は24g。

前作用の延長ホースが発売された際に、私は以下のように書いていました。
個人的には一番評価していた電動携帯ポンプ「CUBE」ですが、より完璧に近づいた印象です。
それを最初から付けてくるのは、本当に「分かってる」感がありますね。
その他の用途
これだけ充填能力が高いならば、飛行機輪行(タイヤの空気を抜くように言われる)の後でタイヤをふくらませる用途にも最適です。バッテリー容量的にもモバイルバッテリーよりは小さいので余裕なはず。
まとめ
さっさと買えばよかったです。それくらい素晴らしかった。
単なる見かけ上のスペックアップだけではなく、空気充填時間も早くなっているし、ユーザビリティも向上しています。本当にユーザー目線に立った改良がなされており、自転車製品にはなかなかない順当な進化を遂げています。

値段は少々お高いですが、2019年段階で181gのmini Fumpaが25000円だったことを考えると、120gで液晶の付いた電動携帯ポンプが16000円というのは結構驚きではあります。
私は4年前にこんな記事を書きました。

その結びに書いたのが以下の文章です。
今後は「電動携帯ポンプ」の時代が来るのではないかと思っています。
どんどん太くなってエアボリュームが増えるタイヤに人力で空気を入れるのは、もはや難しくなってくるはず。となると、電気の力を使うことになるのではないかな?と。
この「AS2 PRO」の登場で、「電動携帯ポンプの時代が来た」と私は感じました。

現在、CYCPLUS製品の5%割引クーポンコードが発行されています。
対象:ストア内すべての製品
回数制限: なし
著者情報
年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。