デカトロン幕張 自転車乗り目線レポート

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2020年5月、幕張にオープンしたフランス発のスポーツ用品店「デカトロン」。

先週末にようやく行くことが出来たので、自転車乗り目線でレポートを書いてみます。

店内の写真撮影・インターネットへの投稿については許可を頂いております。
目次

経緯

先週末のこと。土曜日に山岳コースの200kmを走った我々夫婦は日曜も昼頃までグダグダしておりました。

このまま一日が終わるのも悔しいので「とりあえず外に出よう」となったけれど、特に私には思いつくネタもなく。そんな時に妻から出たアイデアが、

「デカトロン幕張に行きたい」

というものでした。

私も非常に興味がある場所だったので「じゃあ行こう!」と即決。準備をして幕張へと向かいました。

デカトロンとの出会い

デカトロン。PBPでフランスに行った際に初めて私はその存在を知りました。

2019年のPBPの走行中も、私は他の参加者の装備を色々とチェックしていました。日本では流通していない面白い装備があったら通販で買おうと思っていたのです。存在を知らなければ調べることも出来ませんからね。

 

そんな中よく見かけた謎のブランドがこちらの「BTWIN」でした。ビトウィン?って読むのでしょうか。日本では全く見かけたことがないブランドです。

トップチューブバッグにフレームバッグ、フロントバッグやサドルバッグなど、一通りのBTWINブランドの製品を見かけました。これは一体どこの製品なのだろう?

ゴール後に調べてみると、このBTWINはデカトロンのプライベートブランドであることが分かりました。

デカトロンについて

デカトロンはスポーツ用品の巨人と言われるフランスの企業です。店舗を持ちつつ、オリジナルの自社製品を売っています。

日本で似た業態なのはモンベルあたりでしょうか。有名ブランドはほとんど置かれておらず、ほぼ全てがプライベートブランドの製品で占められています。



日本向けのオンラインストアもあります。3980円以上の購入で送料無料です。

デカトロンの国内展開

現在、デカトロンの店舗は国内2店舗。兵庫・西宮と千葉・幕張です。

 

日経クロストレンド
ついに日本上陸 スポーツ用品店の巨人「デカトロン」とは何者か 世界51カ国に約1500店。売上高1兆3000億円(2018年度)で業界1位の巨人が、ついに日本へ上陸する。フランス発、世界最大のスポーツ用品店「デカトロン(Decathlon)」だ。...

私がPBPに参加した2019年には、実は兵庫県に日本一号店がオープンしていました。この段階では全然知らず。

 

デカトロン日本公式オンラインスト...

2020年5月、幕張に日本2号店がオープン。このニュースを目にして私も行ってみたいとは思っていましたが、時は自粛真っ只中。幕張は遠くて行くことは叶いませんでした。

すっかりその存在を忘れていたところを、妻の提案で思い出すことになったわけです。

訪問レポート

JR海浜幕張駅から徒歩8分ほど、イオン幕張の一階にデカトロンが入っています。

外観

どでかい「DECATHLON」の看板。

この段になってようやく、デカトロン=デカスロン(十種競技)であったことに気付きました。武井壮が昔やっていたやつ。十種類の陸上競技を行い、その総合点数を競うものですね。優勝者は「キングオブアスリート」と呼ばれます。

企業コンセプトが「すべてのスポーツをひとつのストアで」だそうで、確かに納得の店名というわけです。ちなみにデカトロンは、デカスロンのフランス語発音ということでした。

 

入口前にはキャンプ用品の野外展示もあります。

エントランス

入り口を入ると早速自転車の展示が。……クロスバイクのスポークがモランボン組のような、すごい変な組み方なのが気になります……。ウェアはシックで中々良さそう。

 

かなり広いフロアが、スポーツジャンルごとに仕切られています。ボルダリングやスイミング、キャンプ用品なども。

 

自転車に使えそうなトレラン用品のコーナーも。ヘッドランプはちょっとランタイムが短いかな。

自転車用品売り場

さて、主目的の自転車用品売り場。あらゆるスポーツの売り場がありますが、自転車用品売り場の面積はかなり広く取られています。

下記のブースが存在しています。

・ロードバイク
・トレッキングバイク & MTB
・アーバンバイク & 折りたたみ自転車
・キッズバイク
・バイクアパレル
・バイクバッグ
・バイクアクセサリー

 

ロードバイク

まずはロードバイクのブース。とりあえず全体的にお安く、下は5万円近辺、一番高くても15万円くらいです。異様に安い。

エントリーグレードは「TRIBAN」というブランド、上位グレードは「VAN RYSEL」というブランドで展開されているようです。

TRIBANブランドは廉価だけあって、2000年代前半のGIANTのフレームのような無骨な雰囲気。アルミフレームの溶接ビードも特に隠す様子もありませんが、乗り潰すには悪くなさそう。

 

VAN RYSELブランドのほうはAG2Rのユースチームも使っているらしく、高性能をアピール。こちらはなんとUCI認証も得ています。

そういえばリムブレーキロードばかりではありましたね。グラベルロードにはディスクブレーキのものもありましたが……。

デカトロンではオリジナルのローラー台も販売していて、試乗コーナーもありました。

トレッキングバイク & MTB

MTBコーナー。私はMTBは詳しくないので、軽く見ただけ。

バイクアパレル

ウインドブレーカーやレインジャケット等も充実。

ただ、透湿性や耐水圧等のスペックや縫製のクオリティはモンベルと比べると見劣りします。値段もモンベルの半額くらいなので、そこは割り切るべきなのですが。製品クオリティと値段的にはワークマンに近い気はしますが、自転車アパレルを始めたばかりのワークマンよりはデザインが洗練されています。

ブルベに使うには物足りないものの、本格的な雨の中を走らない想定ならば使えそうだと感じました。

 

オリジナルのヘルメットもあります。EN1078(CE)認証済み。

帽体はやはりヨーロッパ的で、横幅は狭めでした。OGKならLサイズで私は入りますが、こちらのヘルメットはLは入らず。XLでぴったりでしたが、前後は少し余りましたね。

 

作りの良さそうなサイクリングソックスが390円(税込)だったので買ってみました。

バイクアクセサリー

前後のライトは充実。ただし、ほとんどが充電式でロングライドにはランタイムが足りません。

興味深いのは、反射ベストが複数展開されていること。夜間の自転車乗車時に反射ベスト着用が義務付けられているフランス発祥の店なだけはあります。

 

ポンプコーナー。ポンプマニア的には欲しいと思えるものは無し。ただ、かなり安いです。

サイクリングバッグ

個人的に一番見たかったコーナー。

サドルバッグはもとより、トップチューブバッグやフィードバッグ、フロントバッグやパニアバッグなど多種多彩。こちらのバリエーションはモンベルに勝りますね。

 

私は防水サドルバッグが気になって購入。2490円(税込)です。安い……。

その他

写真はありませんが、クロスバイク的なものや折りたたみ自転車もありました。

「面白いな」と思ったのはオリジナルのビンディングペダルもあること。両面SPD対応のものもありました。ただ、持ってみたら強烈に重かったので買うには至らず。

修理ブースも

今回は写真を撮っていませんが、自転車の修理を請け負う「ワークショップ」なるコーナーもありました。スタッフが常駐していて自転車のメンテナンスもやってくれるようですね。

購入品レポート

今回私が購入したデカトロン製品の紹介です。色々と面白い製品はあったのですが、購入に至ったのは2品のみでした。

実際に使ったわけではないので断言は出来ませんが、個人的なデカトロン製品の印象は「最低限の品質は満たしているけれど、市場にある一線級のものに匹敵する製品はあまり無い」というものです。

誤解を恐れずに言えば、「二軍として使えるものは多いけど、一軍として使えるものは多くない」という感じですね。入門者が一通りのものを安く揃えるのには良いのですが、ある程度の装備が揃っている人だと購入意欲が湧く製品は多くはないと思います。

ブルベでは持っていく製品が完走とリタイヤを左右することがよくあるので、基本的には「一軍の製品」しか持っていきません。そして、我が家には買ったけれど使ってみたらイマイチで二軍になってしまったものが色々あるので、一軍になりそうもないものは購買意欲が沸かなかったのです。

そんな中、「これはもしかすると一軍になりうるかも?」と感じたのが、今回購入した2製品です。

防水サドルバッグ

先に紹介した防水サドルバッグ。税込2490円です。

大型サドルバッグほどのサイズはなく、容量は2.5リットル。泊りがけのサイクリングには足りない容量ですが、日帰りサイクリングにはちょうどよいサイズ感です。

 

重量は驚きの112g。めちゃめちゃ軽いです。モンベルのULサドルポーチよりは重いですが、デカトロンのほうは完全防水なので目をつぶれる範囲。

私は日帰りサイクリングではオルトリーブのサドルバッグMをよく使うんですが、オルトリーブのサドルバッグってサドルレールにアタッチメントを取り付ける必要があるんですよね。カーボンレールに使ってはいけないと書かれてはいませんが、形状的に取り付けるのは不安に感じていました。

この防水サドルバッグはサドルレールにアタッチメントを付ける必要はなく、左右のベルクロで固定します。これならばレールの材質を考慮する必要はありません。

 

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まだ手元には届いていませんが、こちらのシマノの軽量サドルバッグと同じ構造です。これは安定性を多少犠牲にしますが、軽量化にはかなり貢献していますね。

 

左がデカトロン、右がオルトリーブM。オルトリーブに比べるとデカトロンのほうがサイズ感はひと回り小さく見えます。

 

オルトリーブのサドルバッグ(旧版)にはこのようなネジの張り出しがあり、実効容量を減らしていました(現行版は改良されています)。

 

デカトロンのサドルバッグは内側に凹凸がほとんどありません。縫製部分もしっかりとシールされており、防水性能は高そうです。

 

ただ、仕上げのクオリティはイマイチですね。ストラップ自体は左右中央に付いているのですが、ストラップを上から抑える布は中心とは言えない位置に付いています。この辺のクオリティは値段なりですね。

実用上は問題なさそうですが、出来れば実際に店で現物を見て仕上げの良いものを購入したほうが良いと思います。

サイクリングソックス

サイクリングソックス。こちらはサドルバッグほど性能に着目して買ったわけではなく、単に税込390円という値段にしては作りが良さそうだったのが理由です。

生地は薄め。実際に履いてみましたが履き心地がよく蒸れにくいですね。着圧とか特別な機能があるわけではないですが、夏場の夜練に使う用途にはぴったりな製品です。

まとめ

最終的に買ったものは少なかったのですが、デカトロンの店内を見回ったのは非常に楽しかったです。ちょっとしたテーマパークに来た印象でした。

広い店内にゆったりと配置された棚。そして棚にびっしりと並ぶ製品群。そしてどれも非常に安い。

特に10万円そこそこのロードバイク完成車はちょっと驚きましたね。PBPでは自転車の飛行機輪行でトラブルがあって困りましたし、いっそ現地でこれらの自転車を買ってもいいんじゃないかと考えてしまいました。現実的にはポジション合わせなどが大変そうなのでやることはなさそうですが。

話に聞くところによると、過去にPBPのために渡仏した人がフランスで自転車を盗難されてしまい、デカトロンの自転車を購入して参加したという前例もあるそうです。あまり考えたくはないですが、そういった選択肢があることを覚えておくと良さそうですね。


製品全体の印象としては、前述のようにシリアスな用途には物足りなさを感じるかな、という印象。ただ、日常的な用途で使うには十分な製品が多そうです。日本で言うワークマンのイージスシリーズに近いと思います。

防水サドルバッグのようにキラリと光る製品もあるので、また新製品が出てきたタイミングでデカトロンを再訪したいと思っています。

最寄り駅は海浜幕張なので、サイクルモード再開の暁には帰り道に寄りたいですね。

 



著者情報

年齢: 36歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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