【調査】サイクルボトルの外径の違い

この記事は約 8分で読めます。

サイクルボトルについて、ブランド・モデルごとの外径の違いを調べました。

目次

まえがき

まずはこの調査の経緯などを。

この記事の調査内容

日々なんとなく使っているサイクルボトル。実はブランド・モデル・年式によって微妙な外径の違いがあります

外径が違うと、ボトルケージとの相性にも差が出てくることになります。抜き差しのしやすさ・段差などでの脱落のしやすさが変わってくるわけですね。

本記事では、我が家にあるサイクルボトルの外径を実測し、その結果からボトルとボトルケージ選びの注意点を考察します。

前提となる話

一般に、「サイクルボトルの直径は75mmが標準である」と言われています。

この数字が何に由来するかは調べても良く分かりませんでした。大抵の工業製品はISOやJISといった規格で寸法を定められていますが、サイクルボトルに関してはそういった規格が見つかりません。

ただ、ボトルの外径が決まらないとボトルケージの寸法も決められないことになります。恐らく「大体75mmで作ること」という暗黙の了解が業界内のブランドで共有され、その下でボトルとボトルケージが製造されているものと想像します。

この話を踏まえて以下の内容をお読みください。

外径の測定方法

巻き尺を用いて、ボトルの底から10cmの場所の周長を測定し、「周長÷3.14」から直径(外径)を求めます。底から10cmの場所を指定したのは、大抵のボトルケージがホールドするのがその辺りだからです。

最初はノギスで外径を直接測定しようとしたんですが、ジョー(ノギスの先端)の長さが足りなかったので、周長からの間接測定となりました。

測定対象は、我が家にあった14本のボトルです。

  1. GIANT「POURFAST DOUBLESPRING」
  2. CAMELBAK「Podium」
  3. CAMELBAK「Podium ICE」
  4. ELITE「Elite Nanogelite Thermo 500ml」
  5. ELITE「FLY TEX 950」
  6. ELITE「FLY TEX 550」
  7. ZEFAL「PBP Bottle 2015」
  8. ZEFAL「PBP Bottle 2019」
  9. ZEFAL「PBP Bottle 2023」
  10. SPECIALIZED「PURIST WATERGATE」
  11. SPECIALIZED「PURIST INSULATED WATERGATE」
  12. CRAFT「16SS WATER BOTTLE」
  13. KASOKU「ろんぐらいだぁす!サイクルボトル」
  14. Thermos「FJF-580」

測定結果

測定結果です。

ブランドモデル年式周長直径備考
GIANTPOURFAST DOUBLESPRING2020238.0 75.8
CAMELBAKPodium2021238.0 75.8
CAMELBAKPodium ICE2021236.0 75.1
ELITEElite Nanogelite Thermo 500ml2014234.0 74.5
ELITEFLY TEX 9502023238.0 75.8
ELITEFLY TEX 5502023238.0 75.8
ZEFALPBP Bottle 20152015233.0 74.2 中身はPremier 75。
ZEFALPBP Bottle 20192019242.0 77.0 中身はSense 80。
ZEFALPBP Bottle 20232023238.0 75.8 中身はSense Pro 80。
SPECIALIZEDPURIST WATERGATE2017239.5 76.2
SPECIALIZEDPURIST INSULATED WATERGATE2017241.0 76.7
CRAFT16SS WATER BOTTLE2016240.0 76.4 製造はTacx。
KASOKUろんぐらいだぁす!サイクルボトル2013234.0 74.5
ThermosFJF-5802020230.0 73.2 ステンレス製ハードボトル。

ブランドごとに色分けしたグラフも示します。

考察

測定結果から気がついたことについて、ブランドごとに考えてみます。

ELITE

一番特徴的なブランドがELITEです。

74mmで統一されたブランド

ELITEは、唯一「うちは外径74mmを基準に作っているよ」と明言しているブランドです。

ELITEのサイトの商品説明を以下に示します。

「Diameter: 74mm」と、ボトル&ボトルケージの両方で宣言されています。

これは、一般的に標準と言われている75mmよりも1mm小さいことに注意が必要です

仮に75mm基準で作られた他社のボトルケージにELITEのボトルを入れると緩くて脱落する可能性があります。逆に、ELITEのボトルケージに他社のボトルを入れようとするとキツくて入らない可能性があるわけです。

実際、ELITEの「CUSTOM RACE PLUS」にELITE以外のボトルを入れようとすると、キツくて入らないことがあります。

ELITEのボトルケージは他社よりもストライクゾーンを狭めにして、自ブランドのボトルをしっかりホールドして脱落を防ぐことを重視しているように見えます。

ただし実測は少し太め

ただ、ELITEのボトルを実測してみたところ、公称値とは差があることが分かりました。

2014年と少し古い年式の「Nanogelite Thermo」ボトルは、外径74.5mmと他社よりかなり細めです(それでも公称よりは少し太い)。

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しかし、2019年以降に発売された「FLY」シリーズのボトルは外径75.8mmと他社と同程度の太さになっていました。

それまでそれなりに硬かったELITEのボトルですが、FLYボトル以降は総じて柔らかい方向性に変わりました。柔らかい上に細いと脱落の危険性があるため、少し太くしたのではないかと見ています。

とはいえ、ELITEのボトルはELITEのボトルケージにはすんなりと入ってくれます。やはりそこは同じブランド内では整合性が図られているのでしょう。

Zefal

振れ幅が大きいのがZefalです。

PBPボトルは毎回太さが違う

フランス企業であるZefalはPBPのサポートをやっているようで、毎回Zefalが製造したボトルを参加賞にもらえます。私は2015年・2019年・2023年と参加したので3本の参加賞ボトルがあるんですが……

74.2mm・77.0mm・75.8mmと外径はバラバラ。2019年大会のボトルは我が家にある中で一番太かったので、人によってはボトルケージに収まらなかったんじゃないかと思います(私は使わずにお土産として持ち帰った)。

公称値もバラバラ

Zefalもサイトにボトルの太さの公称値が書いてあるんですが、ボトルごとに外径が異なっています。

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例えば「SENSE SOFT 80」というボトルは公称の外径74mm。

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一方、「SENSE PRO 50」というボトルは公称の外径が76mmと太め。でも、同じモデルの大きいサイズは外径74mm。統一感がありませんね。

CAMELBAK

日本でも愛用者が多いCAMELBAKですが、実はモデルごとに幅が違っていました。

保温性で太さが異なる?

まずは保温機能の無いデフォルトモデルの「Podium」。こちらは外径75.8mmと一般的な太さ。

一方、かなり高い保温性を持つ「Podium Ice」は外径75.1mmと若干ですが細めです。保温のための材料が入ると太くなりそうなものですが、ちょっと不思議です。

年式でも太さが異なる

ややこしいので今回の一覧には載せませんでしたが、モデルチェンジ前の旧型のPodiumボトルはかなり太めでした。

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この世代のものです。大体どれも外径77mmくらいあり、トップクラスの太さでした。ELITEのボトルケージには全く差し込めません。

Thermos

今回実測した中で一つだけ変形しないボトルが、このThermosです。

真空魔法びん構造

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Thermos「FJF-580」は魔法瓶構造をもつハードボトルです。普通のサイクルボトルはボトルケージに入れると少し潰れて直径が小さくなるわけですが、ハードボトルは潰れません。

このため、少し細く作るのが定跡ではあるのですが……数値上でもFJF-580はちょっと細すぎでした。

実際、一般的なボトルケージに差し込むとユルすぎて、走行中はずっとカタカタ音が鳴っています。段差でも若干飛び出しそうで怖い。仕方ないので、私はペットボトルカバーみたいなものを巻いて少し太くして使っています。あと1mm外径が太かったら良かったと思うんですが。

ハードボトルはボトルケージとの相性問題が大きいので、ボトルケージを慎重に選びましょう。

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まとめ

サイクルボトル外径の実測調査でした。

実測してみると、案外各メーカーバラバラで年式によっても全然太さが違うことが分かりました。……自転車業界、この手の話多すぎません?

ボトルケージはある程度の伸縮性があるので、外径73-77mmの範囲に収まっているボトルであれば特に問題が起きないことが多いです。

一方、「どうやっても入らない組み合わせ」というものもあります。旧型のCAMELBAKのボトルは、ELITEのボトルケージには全く入りません。こうなると実用上は使い物にならないので気をつける必要があります。

無難なのは「ボトルとボトルケージは同じブランドで揃える」ことです。さすがに自社のボトルとボトルケージの整合性は取っているはずですので。

ボトルとボトルケージのブランドを変える場合には、相性が悪いリスクがあることを頭に入れておいてください。

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なお、このボトルの周長データは結構前に計測を終えていたのですが、記事にするのを忘れていました。記事化を思い立ったのは、こちらのCAMELBAKのステンレス&チタンボトルの話題を見たから。

外径等のデータは公表されていないようですが、こういったハードボトルはボトルケージとの相性がシビアです。ご購入の際にはご注意を。

著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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