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ディスクロードの異音を解決するまで
先週からINFINITO CV乗車時に異音がすることに気づきました。
段差を越えた時に、「カタタッ」と音が鳴るのです。最初は、段差でチェーンが暴れているのかな?と思ったのですが……。
ロードバイクに乗っていると異音に遭遇することは良くあります。私も何度も経験があるのですが、今回はその中でも最も特定に手間が掛かりましたので、その内容を纏めておきます。
異音に気づく
異音に気づいたのは5月25日の月曜日。
夜練でINFINITO CVに乗っていると、段差を超えた時に音がするようになりました。段差を超えて着地した時に、その衝撃で「カタタッ」という音。ギターの弦が振動するときのような、何かが上下に振動して他の物体に接触しているような音です。この時点ではチェーンが暴れてFDに接触しているのかと考えていました。
静止状態で、サドルを持って後輪をバウンドさせても音は再現されました。どうやら、自転車の後ろ半分で出ている音のようです。BBからリヤホイールのどこかで音がなっているようでした。
一体、何がきっかけで出るようになったのか? 思い当たるのは、前日に購入店であるBIANCHIバイクストア横浜店(以下、BIANCHI横浜店)にて行って頂いたコラムカットと変速調整です。本来はコラムカットのみの予定でしたが、一度内側にチェーン落ちをしたので、変速調整もお願いしたのでした。
その時にチェーンに何かがあってFDと接触するようになったのでは?と、私は推測しました。
近所の店で見てもらう
店舗での作業で異音が出たと考えるならば、その店舗に出向くのが筋。しかし、BIANCHI横浜店はうちからは結構遠いのです(片道一時間程度)。平日にふらっと店に行くのはちょっと辛い。
ということで、一旦近所の馴染みのお店で、FDの調整について見てもらいました。
しかし、チェーンの長さやFDの位置、RDによるチェーンテンションは適正だという判定でした。「チェーンテンションが足りずに段差で暴れるのではないか?」と推測しましたが、それは間違いだったようです。
いつもお世話になっているメカニックさんからはこのようなことを言われました。
「こういう異音って難しいんですよね。一つずつ条件を変えて見ていくしか無い。
ただ、この音は致命的なトラブルではないと思いますよ。」
お礼を言って店を後にしました。
自分で色々と検証
「条件を変えて試してみる」というヒントを頂いたので、家で色々と試してみました。
試したことは以下の通り。基本的には、「付いているものを外していく」という方法でした。
・サドルバッグを外す
・ボトルケージを外す
・シートポストを抜く
・チェーンを外す
・ホイールを別のものに変える(ローター・スプロケ無し)
・クランクを外す
BIANCHI横浜店で見てもらう
そして本日、BIANCHI横浜店へ。自走で店に向かいましたが、その最中にもやっぱり異音は出ていました。
店に着き、担当の店員さんに、改めて異音特定のために試した内容をお話。余計な装備をフレームから外した上で、検証が始められました。
チェーンを固定
まずは、チェーンステーを養生し、チェーンをタイラップで固定して、あらためてチェーンが犯人ではないことを確認。
やはり、「カタタッ」という音はしていました。
シフトケーブルを外す
「じゃあシフトケーブルを外してみましょうか」とのご提案。これで音が消えれば犯人はシフトケーブル。消えなければ、犯人はブレーキケーブル。
ディレイラーからシフトケーブルを外し、ライナーを付けて引き抜き。そしてライナーをピンと張った状態で、もう一度テスト。
「カタタッ」という音は消えていませんでした。
ブレーキケーブルを固定する
となると、犯人はブレーキケーブルの可能性が高くなってきました。しかし、ブレーキケーブルはおいそれと外せるものではありません。油圧ディスクなので、外してしまうと原状復帰がかなり難しくなります。
一旦、ブレーキケーブルにテンションを掛けて張ってみても、やっぱり「カタタッ」という異音は消えませんでした。
この時点で店員さんは「お手上げですね……」と言っていたのですが、そういえば一つだけ試していなかったパーツがありました。スルーアクスルシャフトです。
スルーアクスルを変えてみる
スルーアクスルシャフトというのは、ホイールを固定するための車軸のことです。
スルーアクスルシャフトのネジを受けるのはフレームに埋め込まれたナットなので、フレームの付属品になるんですね。クイックリリースの場合はホイールに付属することが多いのですが、そこはディスクロードのちょっと特殊な点です。
その中でも、INFINITO CVのシャフトは特殊な形状をしています。持ち手の部分を軸の中に収納出来るようになっているのです。
このシャフトが付いてくるのはBIANCHIのディスクロードでも上位機種のみで、Oltre XR4とINFINITO CV(アルテグラ以上)のモデルにしか付いてきません。それ以外のフレームには、DTのRWSのようなレバーが外に出ているタイプのシャフトが付いてきます。
店員さんはそのレバーが外に出ているタイプのスルーアクスルシャフトを持ってきて、試しに交換。そして、ホイールをバウンドさせてみると……
なんと、異音が消えました! 犯人はスルーアクスルシャフトだったのです。
このレバーの部分にガタツキが出ており、その振動が異音となっていたのでした。このレバーを保持するためのイモネジがあるのですが、走行時の振動で少しずつ緩んでいたのでしょう。イモネジを増し締めしたところ、異音が解消されました。てっきりコラムカット&変速調整が契機だと思っていましたが、偶然に時期が重なっただけでした。少しでも疑いを持ってしまったことをお詫びしました。
今後の対策
増し締めで直ったとはいえ、また走行距離が増えるとネジは緩んでくるはず。そうしたらまた異音が出てくることになります。問題を根本解決するためには、別のシャフトに変える必要があります。
シャフトとフレームは相性があるので、できればINFINITO CVの105モデルに付いているシャフトを購入したかったのですが、単品販売は現時点でしていないとのことでした。
INFINITO CVのシャフトは、ネジピッチ1.5mmのE-Thru互換となっています。なので、E-Thru互換のシャフトを変えば使用可能なはず。
ということで、ワンバイエスのシャフトか、Wiggleで売っているBrand-Xというメーカーのシャフトを試して見る予定です。これらは六角レンチで締める形式なので、今回のような異音は絶対に鳴らないはず。
まとめ
以上、異音発見から解消されるまでをお送りしました。
今回はかなり難しかったです。スルーアクスルシャフトという、ディスクロード独特の部品である上に、その中でもかなり特殊なものということで考慮から漏れていました。終わってみれば簡単な話でしたが、本当に異音は難しいですね……。そして、原因の究明に最後まで付き合ってくれたBIANCHI横浜店には最大限に感謝申し上げます。
あまり関係ないですが、私と店員さんが異音対策をしているすぐ隣でOltre XR3 Discの納車時説明が行われていました。
初ロード購入のお客さんっぽかったのですが、非常に説明内容が細かく行き届いていて驚いてしまいました。チェーンの清掃と注油の仕方、簡単なメンテナンスから輪行の仕方まで個別指導。恐らく2時間位は説明に時間を掛けていたと思います。私の納車時には特に説明は必要ないので省いてもらったのですが、ここまで懇切丁寧な内容なら受けておけばよかったですね。
さて、次は「互換スルーアクスルシャフトが本当にINFINITO CVに付くか」が懸念事項。その話はまた追って報告します。
著者情報
年齢: 35歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。