メタルラックで作る4台用ディスプレイスタンド

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アイリスオーヤマのメタルラックシリーズによる、ロードバイクを4台掛けることが出来るディスプレイスタンドの作り方を紹介します。

目次

作成動機

2017年6月、結婚を機に作成をすることになりました。

妻もブルベを嗜む自転車乗り。という事で、当然のことながら家の中は自転車だらけになります。

・私→3台
・妻→3台

の6台体制。もちろん、全て室内保管が前提です。自転車は扶養家族なので!

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既にMINOURAの「クローゼットサイクリスト」と言う2台用のスタンドがあるので、それはそのまま使用。問題は残りの4台の置き場です。2人用物件としてはそれなりに広い所を選んだものの、場所を取らないのに越したことはありません。そこで、さまざまな保管方法を検討しました。

最後まで候補に残ったのは以下の製品です。

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市販で唯一の「縦置き」「4台用」スタンドです。値段は実売37800円とお高めですが、他に代わるものが無かったので、これを買おうと思っていました。しかし、生産元に在庫なし。リニューアルを予定しているものの、リリースまで数か月かかるとのこと。それでは遅い。

こうなれば、残った手段は一つ。4台用スタンドの自作を決めたのでした。

作成過程

以下の流れで作成しました。

要件定義

「4台のロードバイクを、なるべく省スペースで格納したい」と言うのが、今回の要件。さらに、1段階詳細化し、以下を満たすものを作ることにしました。

①4台のロードバイクを格納できること
②自転車は縦置きであること
③横幅は180cm以内に抑えること
④自立式であること
⑤予算は35000円(買おうとしていたスタンドの値段)

素体選び

残念ながら溶接などが行えるわけではないので、素体を選ぶ必要があります。以下の物を候補としました。

①業務用パイプハンガー
②ぶら下がり健康器
③イレクターパイプ
④メタルラック

①は有力候補でしたが、150cm以上の幅を持つパイプハンガーは得てして耐荷重が低め(30kg程度)。パイプは伸びれば伸びるほど剛性が落ちるので仕方ありません。自転車のフレームサイズと同じですね。

②は耐荷重的には120kg前後が相場と、かなり丈夫そうです。ただ、横幅が90cmのものがほとんど。これでは2台しか格納できません。

③は色々出来そうでしたが、購入用サイトの構成が見づらかったので候補から外れてしまいました。

最終的には④を選ぶことにしました。アイリスオーヤマのカスタムメタルラックです。天板やパイプの種類も豊富。オプションパーツも豊富。そしてサイトも見やすい。値段的にも安く収まりそう。

以上から、メタルラックを素体に選択しました。

設計

製作に向けて、設計をしていきます。なるべく床面積を取らず、材料は少なく、それでいて4台の自転車を吊るしても問題の無い耐久性が必要となります。特に、メタルラックは歪みやすいので。

最初にラフスケッチ。

天板にS字フックの片方を引っ掛け、逆側にロードバイクの前輪を引っ掛けて吊るす方式です。S字フックは長さを変えて、ハンドルの高さが互い違いになるようにします。後輪が当たる部分には、何らかのホルダーを付けて車体の横ブレを防止します。

次に、ロードバイクの大きさを計測しました。

横幅が最大になるのはハンドル部分。ハンドル幅にもよりますが、芯-芯40cmだと、バーテープを入れて44cm程度の幅になります。これを横に4台並べると、単純計算で176cmの幅が必要となります。ただし、ハンドルの高さを変えて互い違いには位置すれば、横幅は大幅に削減可能です。前述のKABUTOの4台用スタンドの幅は137cmなので、その程度の横幅があれば十分そうです。

縦幅については、前輪の最前部から、後輪の最後部までの長さとなります。私のロードバイクの大きさは163cmほどでした。S字フックの長さを30cmとし、リム高+タイヤ高を5cmとすると、床に後輪を擦らないようにするためには200cm前後の高さが必要となるでしょう。逆に、天板を高くすると吊り下げるときに自転車を高く持ち上げる必要があるので、床に擦らない範囲でなるべく低くする必要があります。

奥行については、タイヤの外径程度の大きさがあれば良いでしょう。700Cのホイールに25Cタイヤで67cmほどになります。

以上より、作るメタルラックの大きさは、

幅: 137cm以上
高: 200cm前後
奥: 67cm前後

としました。

材料調達

基本的な材料は、アイリスオーヤマのカスタムメタルラックのサイトから調達しました。パイプ1本、天板1枚からバラ売りしており、自分で組み合わせて買うことが出来ます。



今回購入したのは以下のパーツです。

①天板(6458円)
 ・150*61cm × 1枚
②ポール(4200円)
 ・199cm × 4本
③補強バー(4964円)
 ・67cm × 4本
 ・150cm × 4本
④足回りパーツ(831円)
 ・転倒防止アジャスター × 1個

天板は値段が高いので、安い補強バーを増やして剛性を確保しています。また、転倒防止のアジャスターも購入しています。

メタルラックの他に購入したのは、以下のものです。

①S字フック(前輪吊り下げ用)(650円)
 ・和気産業 – 15cm長(耐荷重12kg) × 2本
 ・和気産業 – 30cm長(耐荷重12kg) × 2本
②まな板立て(後輪ズレ防止用)(432円)
 ・ダイソー – スチールまな板立て × 4本
③塩ビチューブ(S字フック養生用)(150円)
 ・メーカー不明 1m

S字フックは、自転車の重さを考えると9kgも耐荷重があれば十分なのですが、少し心配。ということで、更に丈夫な12㎏のものを購入しました。S字フックの長さを変えることで、ハンドルを互い違いに配置します。

S字フックに直接ホイールが触れると傷が付きそうだったので、塩ビチューブで保護しています。

後輪がブレることを防止するために、まな板立てを導入。ダイソーで見て丁度良さそうだったので、これを選びました。

材料費は17685円。実際には色々試行錯誤で買っているので、それも含めると20000円ほど掛かっていますが、アイリスオーヤマの通販サイトはポイント還元やクーポンが多めなので、実質18000円ほどで作成出来ました。

組立

普通にメタルラックを組み立てるだけなので、そこまで難しいことはありません。一番難しいのは、10kg以上ある重い天板を2メートルの高さまで持ち上げることですね。二人でやると安心です。今回は妻にも手伝ってもらいました。

あとは、タイヤが壁と接触することを防止するために、補強バーを前輪と後輪の高さに合わせて配置します。ここは現物合わせ。

後輪の来る位置に、まな板立てを設置。タイラップで括り付けています。

転倒防止のアジャスター。壁と逆に倒れ込む方向にモーメントが掛かるので、こういうものは必要ですね。

使用感

実際に四台の自転車を掛けてみました。

安定感

全く問題ありませんでした。足元の転倒防止アジャスターが良い仕事をしてくれているようです。また、補強バーに後輪の荷重が掛かるのも良い所。

後輪をまな板立てで固定したおかげで、自転車自体の横揺れも防げています。

高さ

今回は199cmの高さの天板に、15cmと30cmのS字フックを使って吊るしました。ロードバイクだと全く問題なし。しかし、ホイールベースの長いクロスバイクだと、低い方のフックに掛けた場合には床と後輪のクリアランスがギリギリになります。

女性としては平均的な身長の妻でも、高い方のフックに掛けることは出来たので、高さ199cmはロードバイク用としては適当な高さと言えそうです。

150cm幅にしましたが、4台を吊るすには十分な幅でした。頑張れば5台行けそうです。横同士でぶつかって傷が付いたら嫌なので4台運用の予定です。

奥行

今回は奥行61cmとしました。タイヤの外径が67cmなので多少ははみ出しますが、許容範囲に収まりました。

その他

ちょっと問題なのは、S字フック自体が動いてしまうこと。前輪を引っ掛けるときに、少しでも狙いが外れるとS字フック自体が持ち上がってしまうのです。

そこで、針金でフックを固定。これで動かなくなりました。

また、天板の耐荷重は100kgと余裕があるので(自転車四台で35kg程度)、色々物を置くことが出来ます。ここに物を置ける自転車ラックって他に無いんですよね。

パーツ類をこんな感じで置いています。ちょっと店っぽい?

まとめ

材料調達の段階で余計なものを買ってしまった失敗はあったものの、予算内で要件を達成する4台用スタンドを作成することが出来ました。

より省スペースを追求するなら、120cm幅でも4台用スタンドを作ることは出来そうです。その場合は、ハンドルがスタンドよりも外に出てしまうと思いますが。

「なるべく省スペースに多数の自転車を格納したい」「DIY好き」な方に向く4台用スタンドだと思います。

著者情報

年齢: 35歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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