「電動携帯ポンプの充電端子を塞いではいけない」話

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電動携帯ポンプ(特にCYCPLUS製品)の扱いに関する注意喚起です。

タイヤに空気を充填する際には、充電端子にゴムカバーを付けたり、充電ケーブルを差したままにしないでください。

目次

電動携帯ポンプの充電端子の隠された役割

最近、にわかに使用者が増えている電動携帯ポンプ。

電動携帯ポンプを使う上で、「ついついやってしまうけど、非常に危険な行為」があります。それが、「充電端子を塞いだまま、ポンプを作動させてしまうこと」です。

充電端子を塞ぎたくなるケース

電動携帯ポンプの多くは防水ではありません。

防水ではないバッグに入れた状態で雨に降られた場合や、雨の降る中で使用した場合は故障する可能性が高いです。

そういった事態を防ぐために、「シリコン製の端子カバーを付けよう」と思うのは自然な発想ですが……実はコレ、非常に危険です

同様に、充電ケーブルを差し込んだままで空気の充填を開始するのも、やってはいけない行為です。

以降は、「なぜ危険なのか」を説明していきます。

電動携帯ポンプはどこから空気を吸っているのか?

以下に示す写真は、現状一番数が出ているであろう電動携帯ポンプ、CYCPLUS「AS2 PRO」です。

こちらの口から空気が吐き出され、チューブに充填されます。

では、吐き出す空気は一体どこから吸われているのでしょうか

空気を吐き出す前には、空気を吸い込む必要があります。当たり前ですね。

しかし、本体をあらゆる方向から見ても、穴らしい穴は開いていません。

では、どこから空気を吸っているのか。

答えはここ、充電端子から空気を吸い込んでいます

CYCPLUS「CUBE(AS2)」マニュアルより

この話は私が推測で言っているのではなく、CYCPLUS「AS2」のマニュアルにも書いてある話です。

なぜか後継機種の「AS2 PRO」「AS2 PRO MAX」のマニュアルにはこの話の記載がありませんが、CYCPLUSに問い合わせるとやはり「そこの仕組みはAS2と同じ」とのことでした。記載がない現状は不味い旨を伝えたので、恐らく今後マニュアルにこの話が追記されるはずです。

充電端子を塞いで作動させると……

仮に、この端子を塞いだ状態で空気の充填を開始したとしましょう。

人間に例えれば、口と鼻を塞いだ状態で声を出させ続けるようなもの。無理やり動かせば壊れてしまうはず。

機械的に壊れるだけならばまだマシかもしれません。電動携帯ポンプにはリチウムポリマーバッテリーが含まれています。リチウムポリマーバッテリーはスマホやGarminサイコンにも内蔵されているものですが、扱いを間違えると発火・爆発の危険性があります。特に、電動携帯ポンプは短時間で大電力を消費し、高熱を発する機器です。扱いを間違えると、こうした事故に繋がる可能性があります。

CYCPLUSの電動携帯ポンプは、内部が高温になると自動的にモーターが停止する機構が入っています。しかし、他社もそうであるとは限りません。

全ての電動携帯ポンプに言える話ではない

ただし、「全ての電動携帯ポンプが充電端子から空気を吸い込んでいるのか?」と言われると、そういうわけでもないはずです。充電端子とは別の場所に吸気口を設けている機種もあるでしょう。

それでもこの記事を書いたのは、充電端子を吸気口として使っている機種のシェアが現状高いことが理由です。

前述のCYCPLUSは全機種が充電端子を吸気口としていますし、この手の電動携帯ポンプの元祖であるFumpaも同様です。

Fumpaも充電端子以外にはコレと言って吸気できる穴が見当たらないので、恐らく充電端子を吸気口として使っているはず。

まとめ

「電動携帯ポンプの充電端子を塞いではいけない」という注意喚起でした。

ただ、塞いではいけないのは「タイヤに空気を入れている時」だけです。それ以外の時には充電端子が塞がれていても特に問題はないはず(結露等の別の問題が生じる可能性はありますが)。

「持ち運ぶ時には防水のために充電端子にフタをして、使用時には外す」という運用ならば、多分問題ありません。ただ、使用時にフタを外し忘れることが容易に想像できるので避けたほうが良いとは思います。持ち運び時の防水を考えるならば、外側から防水ケース(ジップロックなど)で電動携帯ポンプを包むべきですね。

恐らく、CYCPLUSの電動携帯ポンプに防水ケース(写真右下)が付属するのはそういった理由があるはず。

そうは言っても、使用時には防水ケースから出す必要があります。その時に雨が降っていたらどうするか。雨を被弾しない場所(屋根のある所)などを探して使用するくらいしか手はなさそうです。


電動携帯ポンプは、正しく使えば非常に便利なものです。運用面で今回示したようなクセはありますが、少しの注意で回避できる場合がほとんど。取扱説明書を良く読み、ご活用ください。

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著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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