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【アンケート結果】ロードバイクのフレームカラー調査
2/23~27まで実施した、「あなたのロードバイクのフレームカラーはどんな構成ですか?」というアンケートの結果発表記事となります。
アンケート内容
「あなたのロードバイクのフレームカラーはどんな構成ですか?」というテーマでアンケートを実施しました。
アンケートの意図
自動車のボディカラーに関しては人気データがありますが、ロードバイクに関してはそうしたデータが存在しなかったためです。
走行性能には直接寄与しないのに、ロードバイク購入時の選択理由で大きな比重を持つのがフレームカラーです。そういったものに関する調査があってもよいのではないか?と。
雑誌のように広い層にリーチは出来ませんが、とりあえず「出来る範囲でやってみよう」ということでアンケートを実施しました。
アンケート開催側の意図としては「フレームに限定したカラー調査」のつもりでした。しかし、設問の設定の仕方が悪かったため、「フレーム以外のパーツを含めたカラー」を選ばれた方も多かったと思われます。その点をご了承の上、結果をお読みください。
次回同じアンケートをする場合には、「フレームカラーに限定している」という点をもっと分かりやすくした設問にする予定です。
なお、今回の記事には何度も「自転車道 vol.1」という書籍の内容の引用が入ります。
ロードバイクに関するマニアックな特集記事が並ぶムック本ですが、この中に「自転車色相学」というロードバイクの色だけに絞った特集が掲載されています。
26ページに渡って「ロードバイクの色」について詳しく語られていますので、興味を持った方は是非読んでみてください。
形式
以下の3問に答えていただく形式で、GoogleFormにて実施しました。
- フレームのメインカラーは何色ですか?(単一選択式)
あなたのロードバイクのフレームにおけるメインカラー(一番大きな面積を占める色)を教えてください。 - フレームのサブカラーは何色ですか?(複数選択式)
あなたのロードバイクのフレームにおけるサブカラー(メインカラー以外の色)を教えてください。複数選択可です。
※選択肢に存在しない場合には、自由記述で追加可能としました。 - アンケート回答への補足や、ロードバイクのフレームカラーへのこだわりがあれば自由に記述してください。
この形式だと「ある1台のフレームについて」の回答しかできません。しかし、ロードバイクは一人で複数台持っている人も多いもの。
ということで、今回は一人で複数回の回答を可能としています。
投票選択肢数
設問1(メインカラー): 15色
設問2(サブカラー): 15色+自由記述
回答数
1153台分
※一人で複数回答が可能であるため、回答人数は不明
アンケートにご協力頂いた皆様に感謝致します。
募集期間
5日間 (2024年2月23日 – 2024年2月27日)
設問1: フレームのメインカラーは?
まずはフレームのメインカラーの回答結果まとめから。
集計結果
# | メインカラー | 票数 |
---|---|---|
1 | ブラック | 372 |
2 | ホワイト | 185 |
3 | ブルー | 163 |
4 | レッド | 107 |
5 | シルバー | 68 |
6 | グレー | 57 |
7 | チェレステ | 42 |
8 | グリーン | 39 |
9 | イエロー | 30 |
10 | パープル | 29 |
11 | オイルスリック・マジョーラ | 17 |
12 | オレンジ | 16 |
13 | ゴールド | 10 |
14 | ピンク | 9 |
14 | ブラウン | 9 |
– | 合計 | 1153 |
回答分布と考察
結果をグラフ形式にまとめるとこうなります。
1位はブラック
1位はブラックで、全体の1/3を占めるという結果になりました。2位のホワイトにダブルスコアを付けています。
フレームもパーツもカーボン一色。性能がいいものを追求すると必然的にカーボンの素材感を出したものとなり、黒中心になりますから。
「自転車道 vol.1」自転車色相学
現代のロードバイクの大半はカーボンフレームであり、カーボンの素の色は黒。その素材感を強調したり、少しでも塗装を抑えて軽量化するためにカーボンそのものの色を出してくるパターンが多いために黒がメインのフレームが多くなることは必然ということになります。恐らく20年前に同様のアンケートを行ったら黒は1位にはならなかったでしょう。
2~4位はトリコロール
2~4位は、ホワイト・ブルー・レッドで、トリコロールカラーになりました。フランス国旗の組み合わせですね。
2010年前後のアルミが全盛でカーボンが「高級品」に位置付けられた時代であれば3Kカーボンの折り目を出したフレームも多かったですが、ここ数年はカーボンであることが当たり前になってきたからか、「カーボンです!」と強調するフレームも減ってきてはいます。
カーボンが半ば当たり前になり、カーボンという素材をユーザーにアピールする必要性がなくなり、「自転車としてどうすれば綺麗に見えるか」という観点に戻ってきているのかもしれません。
「自転車道 vol.1」自転車色相学
最近のカーボンフレームはフラッシュサーフェスできれいな面構成を持っています。その造形的な魅力を引き出すにはソリッドカラー単体で塗ったほうが良いと思うんです。
自転車色相学の記事で例として挙げられていたのは、2016年モデルの赤単色で塗られたTREK「マドン」でした。
最新のGEN7のマドンも引き続き赤単色のカラーリング(正確にはトップチューブ上だけ黒)がラインナップされています。こうした造形を誇るようなフレームでは、黒よりも白や赤といったカラーのほうが引き立つということなのでしょう。
3位にはブルーがランクイン。これまた「自転車道 vol.1」から引用すると青という色について日本色彩研究所の名取氏は以下のように語っています。
青は世界共通で好まれる色です。空と海を連想させ、天気がいい日のシグナルカラー。
「自転車道 vol.1」自転車色相学
(中略)
青いものは自然界にはとても少ないのです。空の青だって、空気に色はついていません。ものの色ではなく、光が作ってくれる色なんです。
抽象的で手が届かないので、永遠性を示している色でもあります。
人間にとっての「ハレの日」カラーが青ということで。しかし、人工物はさておき自然物に青いものが少ないというのは言われてみればその通り。
有名ブランドでも青をコーポレートカラーにしていることは多く、GIANTは青色のフレームを上位モデルにもラインナップしています。GIOSは言うまでもなく「ジオスブルー」ですね。ARGON18もコーポレートカラーは赤ですが、青いフレームも良く作っています。
5位以下の結果
5位と6位は、シルバーとグレー。
金属フレームで、そのまま地の色を出したフレームに乗っている方はここに投票された方が多いと思います。「ステンレス」「チタン」も厳密には違う色ですが、ここに入れていただきました。
個人的にはチェレステはもっと上にランクインしてくると思ったのですが、7位という結果でした。ある意味Bianchi単体での勝負のはずなので、そう考えるとかなり強いですね。
自動車との違い
冒頭に書いた車のボディカラーの割合を示すと、2022年の日本における売上割合は以下の通りだそうです。
- ホワイト(38%)
- ブラック(18%)
- シルバー(10%)
- ブルー(9%)
- グレー(7%)
- レッド(5%)
顔ぶれはロードバイクの場合とあまり変わりませんが、順番は結構違います。
ロードバイクでは2位のホワイトにダブルスコアを付けていたブラックが、自動車では逆にホワイトにダブルスコアを付けられました。これはやっぱりボディ素材の差という部分が大きそうです。
そして、近年自動車業界ではレッドは不人気のようです。残念。1980年代にはレッドが2位だったそうで、そういえば私が幼稚園児の頃には赤い車をよく見かけた気がします。
設問2: フレームのサブカラーは?
次にフレームのサブカラーの回答結果まとめです。
最初に書いた通り、サブカラーは一つのフレームに複数あると思われるため、複数回答を可能にしています。
集計結果
# | サブカラー | 票数 |
---|---|---|
1 | ブラック | 344 |
2 | ホワイト | 246 |
3 | レッド | 240 |
4 | ブルー | 146 |
5 | シルバー | 94 |
6 | グレー | 67 |
7 | イエロー | 61 |
8 | グリーン | 56 |
9 | ゴールド | 44 |
10 | ピンク | 39 |
11 | オレンジ | 35 |
12 | チェレステ | 26 |
13 | 単色(サブカラーなし) | 25 |
14 | パープル | 24 |
15 | オイルスリック・マジョーラ | 9 |
16 | ブラウン | 7 |
17 | プリズム | 4 |
18 | 水色 | 4 |
19 | ライトブルー | 3 |
20 | レインボー | 2 |
21 | カメレオンレイクブルー | 1 |
22 | ガンメタリック | 1 |
23 | クリーム | 1 |
24 | コーラル | 1 |
25 | スカイブルー | 1 |
26 | ターコイズ | 1 |
27 | ネイビー | 1 |
28 | プラチナ | 1 |
29 | ベージュ | 1 |
30 | メッキ | 1 |
31 | ライムグリーン | 1 |
32 | ラマート | 1 |
– | 合計 | 1487 |
回答分布と考察
結果をグラフ形式にまとめるとこうなります。
1位と2位はブラック&ホワイト
1位と2位の顔ぶれはメインカラーの場合と同じく、ブラック&ホワイトでした。
2色目として入れる場合、やはり黒は締まる色かつ無難。多くのブランドが採用しているサブカラーだと思われます。
白も恐らく同様でしょう。あとは、ロゴカラーとして採用されているケースも多いはず。ソリッドカラーのフレームに白いロゴの組み合わせは鉄板ですからね。
ブルーとレッドが入れ替わる
メインカラーでは4位だったレッドですが、サブカラーとしては3位にランクアップ。そして、割合も9→16%と倍近く増えています。
コーポレートカラーやブランドロゴとして赤を使っている場合が多いのが理由かもしれません。
あと、黒ベースに赤を合わせたくなる人が多いというのもあるのかも……私もその一人です。
逆に順位を下げたのはブルーです。メインカラーとしてブルーを使うブランドは多いですが、確かに2色目以降でブルーを使うブランドは珍しいかもしれません。
LOOKのコーポレートカラーでもある「モンドリアン」の組み合わせにはブルーが入ってくるので、LOOK乗りの方はサブカラーに青が入ることが多いはず。
5位以下には個性的な色も
メインカラーでは7位だったチェレステは、サブカラーでは12位まで下落。結構チェレステをサブカラーにしたBianchiのフレームも多かった気はしますが……。
最近はロゴをプリズムやホログラムにしてくるブランドも多く、そういった個性的な色もランクインしました。
私が持っているGE-110も、プリズムカラーのロゴが入っています。
メインカラー×サブカラーの組み合わせ
今回はメインカラーとサブカラーを同時に聞いたので、「どの組み合わせが多いのか?」も集計してみました。
データ形式的にこの処理を行うのがかなり難しく、わざわざこのためだけにExcelマクロを組みました……。
組み合わせの数はかなり膨大(210通り)なので、上位30位までをご紹介します。
集計結果
# | メインカラー×サブカラー | 票数 |
---|---|---|
1 | ブラック×レッド | 123 |
2 | ブラック×ホワイト | 112 |
3 | ホワイト×ブラック | 78 |
4 | レッド×ブラック | 66 |
5 | ホワイト×レッド | 59 |
6 | ブルー×ホワイト | 50 |
7 | ホワイト×ブルー | 50 |
8 | ブラック×ブルー | 48 |
9 | レッド×ホワイト | 46 |
10 | ブルー×ブラック | 40 |
11 | ブラック×シルバー | 34 |
12 | ブラック×グレー | 29 |
13 | チェレステ×ブラック | 28 |
13 | ブラック×ブラック | 28 |
15 | シルバー×ブラック | 25 |
16 | ブラック×グリーン | 23 |
17 | ブラック×イエロー | 21 |
18 | ブルー×シルバー | 19 |
19 | イエロー×ブラック | 16 |
19 | ブルー×ブルー | 16 |
19 | ブルー×レッド | 16 |
22 | グリーン×ブラック | 14 |
23 | グレー×レッド | 13 |
23 | シルバー×レッド | 13 |
23 | ブラック×チェレステ | 13 |
26 | グレー×ブラック | 12 |
26 | ブラック×ピンク | 12 |
28 | ブラック×オレンジ | 11 |
28 | ホワイト×グリーン | 11 |
28 | ホワイト×グレー | 11 |
28 | ホワイト×ピンク | 11 |
考察
組み合わせの結果に対する考察です。
一番多い「黒×赤」
一番多い組み合わせは「メインカラー: ブラック」「サブカラー: レッド」の組み合わせでした。
組み合わせ総数が1500ほどでしたが、その中で約1割がこの組み合わせです。今回はサブカラーを複数選べたので、「ベースが黒で、サブカラーが赤・白・黄色・青」みたいなLOOKのフレームも含まれるわけですが、それにしても凄い割合です。
かくいう私もずっとこの色の組み合わせのフレームばかりを購入しており、今我が家にある完成車状態のロードバイクの3台中2台がこの組み合わせ。
2009年、最初に買ったGHISALLO「GC-3」がこの色だったため、それに合わせてウェアやボトルなどを揃えるうちに他の色が変えなくなってしまったというのが第一の理由。もう一つの理由は、「テールライトは付けなくてはいけないので、どうせ赤は差し色として入るなら最初からフレームに入れてしまえ」というもの。
GC-3は近くで見るとカーボン柄が見て取れるフレームでした。「カーボンであること」を強調するために黒くしていた頃のフレームです。そこに相性の良い赤を入れたフレームは、当時は特に多かった気がします。
2位は「黒×白」
赤×黒から僅差で2位だったのが、「メインカラー: ブラック」「サブカラー: ホワイト」です。こちらも100票以上を獲得。
特にフラグシップフレームであるほど軽量化のために塗装を最小限にすることが多く、そこに白いロゴが入るパターンは鉄板です。
特にスペシャライズドのフレームは伝統的にこのカラーである場合が多いイメージがあります。赤も良く使われますが、S-WORKSは黒字に白文字のイメージです。
3-4位は1-2位の反転
3位は「ホワイト×ブラック」、4位は「レッド×ブラック」でした。1位と2位の反転パターンですね。
ホワイト×ブラックは、LOOKやPINARELLOと言ったフランス社が良く採用するイメージ。
レッド×ブラックは、これまたスペシャライズドっぽいイメージ。BMCもよくやる組み合わせかもしれません。
同色の組み合わせ?
今回の結果を見ると、13位に「ブラック×ブラック」、19位に「ブルー×ブルー」という同色の組み合わせが入っています。
これはどういうことか?と思ったんですが。ブラック×ブラックは、もしかしたら「グロスブラック」と「マットブラック」の組み合わせかもしれません。一時期ステルスカラーのフレームが流行りましたし、マットブラック単色のフレームにグロスブラックロゴという組み合わせも多かったはず。
ブルー×ブルーも、違う系統のブルーを表しているのかもしれませんね。今回、最初から選択肢に用意した色は「ブルー」で一括りにしていました。実際には水色だったり紺っぽい青だったりと色々あるはずで、その組み合わせという可能性もあるだろうなと。
ピンクの入る組み合わせ
妻がピンク好きということで、ピンクの入る組み合わせにも触れておきます。
まずメインカラーがピンクというフレームは、今回のアンケートではかなり少なかったです。たった9票。もう少しいるかと思ったんですが……ちなみにうち2票は妻のはずです。
「自転車道」の色相学の記事では、ピンクや水色はカテゴリで言うと「Friendly」な色として紹介されていました。
柔らかくて親しみやすい雰囲気のカテゴリー。水色やピンクなどの淡い色と白が組み合わされる事が多い。おしゃれでフレンドリーなイメージのカラーリングで、レースというより街乗りとの相性がいい。女性用モデルに良く見られる色合いでもある。
「自転車道 vol.1」自転車色相学
確かに言われてみるとピンクや水色のカラーはエントリーグレードやミドルグレードに多く、シリアスな走りを求めれられるフラグシップグレードにはまず見かけません。
妻のOltre XR4はレース用のフラグシップモデルですが、カラーオーダーでピンクにしてもらいました。本来はなかなかない「ピンクでフラグシップ」を実現したフレームであると言えます。最近はこうしたカラーオーダーが可能なブランドも増えてきましたね。
一方、サブカラーにピンクと言うケースは増えているようで、26位に「ブラック×ピンク」、28位に「ホワイト×ピンク」がランクイン。
ピンクジャージのEFが使うキャノンデールにはピンクが入ってくることが多いですし、ウェアの世界でもRaphaの影響で差し色にピンクを使うブランドが出てくるなど、徐々に増えつつあるようです。
まとめ
「ロードバイクのフレームカラー調査」の集計結果の紹介でした。
狭い範囲でのアンケートではありますが、なかなか興味深い結果になったと思っています。個人的にこだわっていた「黒×赤」がここまでベタな組み合わせだったとは思いませんでしたが。
今回はアンケート記事という特性上、「メジャーなもの」を紹介しましたが、フレームカラーというものは「乗り手の気分を上げるもの」であることが一番なはずです。
またまた自転車道からの一節を紹介します。
安井: 結局、僕ら口では「性能が大事」「走ってナンボ」みたいなことを言うけれど、実は色が占めている割合が凄く大きいんだなぁと。
「自転車道 vol.1」自転車色相学
吉本: 僕は色って性能の一種だと思ってるんです。僕はそれを勝手に「気分性能」と呼んでいるんですが。気分がアガるなら多少のことには目をつぶれます。
気分性能。いい言葉ですね。
このように、「自転車道 vol.1」の自転車色相学の記事には、自転車の色についての話が満載です。フレーム選びの時に「まず色!」と考える方は是非読んでみてください。発見があるはずです。
著者情報
年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。