RWSが壊れた話

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RWSを締め付けた所、ナット側のネジが壊れてしまった話です。

目次

RWSについて

まずはRWSについて軽く説明を。

RWSとは

RWSは、Ratchet Wheel Systemの略です。

DT SWISSが販売しているレバー付きのスキュワーを指します。

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一般的なクイックリリースと寸法は同じで、差し替えて使うことが可能です。

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かつてはGIANTからも販売されており、上位ホイールにはクイックリリースの代わりにRWSが付属していたこともありました。

RWSの長所

私は決戦用のロードバイクに長年RWSを付けています。

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その理由は、「反応性が良くなる感じがする」から。

通常のクイックリリースよりも強い力でホイールをエンドに固定できる(メーカーが言うには普通のクイックリリースの1.5倍の力が掛けられる)ためか、フレームの剛性が上がったかのように感じられます。

微妙な差ではあるのですが、官能性能も一つの性能。ヒルクライムでリズムを取りやすいこともあり、決戦用のロードには取り付けることにしています。

RWSの短所

反応が良くなる感じがする反面、RWSを付けると乗り心地が悪くなる感じもあります

恐らくはエンドがガッチリ固定されてしまうことで、振動も直接伝わりやすくなる……ということだと思うのですが。

ブルベなどのロングライドにおいては振動をなるべく排除したいので、RWSは使っていません。

今回のトラブル

先週末は山梨から新潟・糸魚川まで走る「東京糸魚川ファストラン」に参加してきました。そこに行く際にトラブルが発生。

輪行準備をしていたら……

スタート地点である山梨県の石和温泉までは、輪行で移動します。

駅まで自走し、輪行準備。ホイールを外してエンド金具を取り付け。

いつものようにRWSのレバーを回しながら締め付けていくと、ある程度締めた所で「バキッ!!」と嫌な音がしました。そして、いくら回しても空回りしてしまうRWS。

まさかフレームのエンドが割れたのかと思いましたが、そちらは無事。ではどこがおかしいのか?

ナットを外してみると、シャフトのネジ山に金属のバネのようなものが巻き付いていました。どうやら、ナット側のネジ山を削り取ってしまったように見えます。

ホイールを締め付けられなくては自転車で走ることは出来ません。仕方なく一度家に帰り、クイックリリースを持って再度駅に戻りました。

予定からは一時間ほど遅れましたが、なんとかスタート地点である山梨県の石和温泉にはたどり着けました。

バネ状の金属について

取れたバネ状の金属について見てみます。

とりあえず磁石を近づけてみましたが、くっつきませんでした。少なくとも鉄ではなさそうです。指で何度か折り曲げたら切れてしまったので、恐らくアルミだろうと思われます。

シャフト側は鉄なので、ナット内部のアルミ部分をくりぬいてしまったということでしょうか。

ちなみにRWSはレバーの形が世代で違います。

左が新しい世代、右が古い世代のレバーです。なお、今回トラブルが起きたのは左側の新しい世代のレバー(のナット部分)でした。

意外とよくある事例らしい

このことをTwitterに書いた所、「私も同じことがあった」という反応を多数いただきました。

詳しくは上記ツイートのリプライや引用RT欄を見て頂ければと思いますが、結構な頻度で起きているようです。こういった事例があることを全く知らなかったのでちょっと驚きました。

RWSはかなりの力で締め付ける割に軸が細いので、ナット側が耐えきれないのかもしれませんね。

今回の事例はおそらくオーバートルクなのだと思いますが、クイックにはトルクレンチは使えないので厳密な管理は難しい。

締め付けを弱くすればこうしたトラブルは起きにくくなるはずですが、締め付けを強く出来るのがRWSの利点でもあるので難しいところです。

ナット側のネジ山が鉄だったら問題はなくなる気がするのですが、そうしてないのは何か理由があるのでしょう。

まとめ

RWSのトラブル事例紹介でした。

今回は最寄り駅でのトラブル発生だったので家にクイックリリースを取りに帰れましたが、これが輪行解除後だったら途方に暮れていた可能性が高いです。

使っている際は効果を感じられるアイテムなのですが、こういうトラブルが出るとちょっと怖くなりますね。いつも思いっきり締め付けていましたが、次からは無意識に手加減をしてしまいそうです。

RWSを愛用されている方は、予備のクイックリリース用ナットをお守りとしてツール缶の中に入れておいたほうが良いかもしれません。

著者情報

年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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