ブルベ新規参加者のための装備チェックリスト

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ロードバイク Advent Calendar 2020 2日目

2020年ももうすぐ終わり。ロングライド趣味の方の中には、「来年はブルベを走ってみよう」と考えている方もいるんじゃないかと思います。

本記事はそんな新規参加者の方に向け、「ブルベ参加にあたって必要な装備」をまとめたものです。

目次

本記事執筆のきっかけ

先日、ブルベに初めて参加するという知人が「何を持って走ればよいか分からない」と悩んでいたのがきっかけです。

しかし、ブルベにおける持ち物は多岐にわたります。とても一言で説明できるものではありません。

その時、妻が5年前にブルベに初挑戦する際に、簡単な装備のチェックリストを作って渡したことを思い出しました。

知人にはそのチェックリストの改訂版を渡しました。5年前と今ではブルベのルールも一部変更されており、持つべき装備も変わっているためです。

本記事では、知人に渡したチェックリストを元に、ブルベ参加にあたって必要な装備を一覧形式でまとめています。参加の際に、ご参考に見ていただければと思います。

注意事項

本記事のチェックリストをご利用いただくにあたっての注意事項です。お読みの上、ご利用ください。

  • 本記事で紹介している装備は、執筆者が考える必要なものを一覧化したものです。
    人によっては、このリストにないものを持って走る方もいらっしゃいます(携帯ウォシュレットとか)。
  • 本記事は、必要と思われる装備を出来る限り多くリストアップしています。
    人によっては不要なものも含まれていることをご理解ください。
  • 本記事は、国内で開催される200~600kmまでのBRMへの参加を想定しています。
    1000km以上のブルベや海外ブルベでは、状況に合わせた装備の追加が必要となります。
  • 本記事は、2020年12月1日現在の国内BRMのルールを元に作成しています。
    ルールは適宜改定されるので、BRM参加時には主催団体のホームページを必ずご確認ください。
  • 本記事のリストでは、ルール上必須である装備の背景色を赤色団体によっては必須である装備の背景色を黄色にしています。
    ブルベでは、大本のBRMのルールに加えて、各地の主催団体(オダックス埼玉、オダックス近畿、AR日本橋など)が追加したルール(ローカルルールと呼ばれる)に従う必要があります。
    参加するブルベの主催団体のホームページは必ず確認するようにしましょう。

A. 持ち物リスト

本記事では、「A. 持ち物リスト」「B. 身に付けるものリスト」の2種類に分けてチェックリストを作成しています。

まずは、身に付けない「A. 持ち物リスト」です。

 

分類 名前 製品例
車体 サイクルコンピューター Garmin eTrex 30x
キューシートホルダー
フロントライト CATEYE VOLT800
ベル CATEYE OH-2400
テールライト CATEYE TIGHT
反射板 AJ神奈川 三角リフレクタ
バックミラー B&M サイクルスター
ドリンクボトル CAMELBAK ポディウム
泥除け BBB スリムガードフェンダー
機材トラブル 輪行セット OSTRICH SL-100
ワイヤーロック
携帯ポンプ TOPEAK ROADIE TT
CO2ボンベ+口金 LEZYNE CONTROL DRIVE
瞬間パンク修理剤 マルニ クイックショット
タイヤレバー Panaracer タイヤレバー
チューブ用パッチ Parktool スーパーパッチ
タイヤ用パッチ Parktool タイヤブート
携帯工具 PB SWISS BIKE TOOL
予備タイヤ
予備チューブ Panaracer R’Air
予備ブレーキシュー 普段使っているもの
予備ブレーキパッド 普段使っているもの
予備ディレイラーハンガー 普段使っているもの
チェーンコネクタ KMC ミッシングリンク
タイラップ インシュロック リピートタイ
瞬間接着剤 東亞合成 アロンアルファ
チェーンオイル Vipro’s muon
身体トラブル 補給食
サプリメント 味の素 アミノバイタルプロ etc
痛み止め軟膏 ノバルティス ボルタレン
シャモアクリーム アースブルー プロテクトJ1
歯磨きセット
日焼け止め CATEYE CYCLiST EYE
リップクリーム
使い捨てカイロ
電源系 モバイルバッテリー Anker Astro E1
予備電池
予備ライト
充電ケーブル
USB ACアダプタ Anker PowerPort mini
その他 ブルベカード
権利放棄書
ブルベカードケース ランドヌ東京 ブルベカードケース
ボールペン
キューシート
スマートフォン
現金
電子マネー
保険証
エマージェンシーカード
クレジットカード

 

このリストでは、目的別にカテゴリ分けをしてみました。

なお、本リストには各種バッグ(サドルバッグ・フロントバッグなど)の記載はあえて省いています。どんなバッグを付けるか、どのバッグに何を入れるかは個性が出る所で、一概に「これ!」とは言い切れないためです。

ここから、各カテゴリごとに解説していきます。

車体

自転車の車体に取り付ける装備です。ブルベのルールと言うよりは、道路交通法上で必須な装備が多いですね。

フロントライト・テールライト・ベルは法律上必須の装備です。ライトについては、ローカルルールで最低装備個数が指定されている(フロントライト2個以上など)ことも多いので、確認が必要です。これに加えて、テールライトは自転車本体(シートステー・シートポスト・サドル下など)に固定することが求められます。サドルバッグなど、揺れる場所に付けていると車検時に注意されることがあります。

 

反射板やバックミラーは法律上では必須ではありませんが、ブルベ参加者の中には付けている人が多いですね。安全に寄与する装備は多少重くなっても付けるべきだと思います。

 

雨のブルベでは、泥除けの装着が推奨されます。自分を汚れから守るだけではなく、他の参加者への配慮として、付けることを検討してください。

機材トラブル対処

ブルベで持つ荷物の中で最も多いのは、機材トラブルに対処するための荷物だと思っています。

機材トラブルの頻度として多いのは、「パンク」「ネジの緩み」「チェーンオイル切れ」あたりでしょうか。これらのトラブルに対処出来る装備は必須です。チェーンオイルは200km・300km程度で切れることは稀ですが、400km以上持つオイルは少ないです。400km以上のブルベに参加する時にはチェーンオイルも携行したほうが良いでしょう。

レアケースな機材トラブルとしては、「チェーン切れ」「タイヤバースト」「ブレーキシュー切れ」などなど。他にも「スポーク折れ」に備えて予備スポークを持つ人もいます。

そして、その場で対処できないトラブルが起きた場合には、リタイヤのために「輪行セット」が必要となります。撤退のための準備をしておくのもランドヌールの嗜みだと私は思います。ゴミ袋輪行はやめましょう。

身体トラブル対処

機材トラブルと並んで、備えなければならないのが身体トラブルです。長距離を走るとさまざまなトラブルが体に発生するものです。

補給食は必須です。取り出しにくい所に入れると食べるのが億劫になり、気づけばハンガーノック……なんてこともあるので、私はフロントバッグに大量に食べ物を詰め込んでいることが多いです。別に補給食は自転車用のジェルやエナジーバーである必要はなく、コンビニで買えるお菓子でも十分だと思います。

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あると良いのが、サプリメント。個人的なおすすめはアミノ酸サプリである「アミノバイタルプロ」です。100kmごとに飲むと筋肉の疲れが溜まりにくいですね。あとは、足攣りに備えて「芍薬甘草湯」なども持っておくと安心です。

身体トラブルで多いのは、「尻・股擦れ」や「痛み」です。

尻・股擦れは、シャモアクリームを持つのが定石です。シャモアクリームは数時間で効果が切れるので、塗り治せるように小分けにしたクリームを持つのが良いでしょう。

痛みや肩こりに備えて、こういったゲル状の塗り薬を持っておくのも良いと思います。ただし、痛みを抑えて走り続けるのは故障リスクがあるので、あまりに続くようならばリタイヤするのが賢明です。

晴れた昼間に走行する際には、「日焼け止め」「リップクリーム」もあったほうが良いです。リップクリームは唇の日焼けを防止してくれます。塗らないと翌日になって唇がボロボロになることも……。

電源系

電気を使わないで走る自転車ですが、周辺には電気を使う機器が沢山あります。

サイクルコンピュータ、スマートフォン、ライト等々。そうしたものを充電するためにモバイルバッテリーと各種ケーブルが必要です。電池で動く機器には予備電池も必要でしょう。もっとも、単3電池や単4電池ならばコンビニで手に入りますが。ボタン電池とかコイン電池はすぐには手に入らないことがあります。

また、600kmブルベではホテルに宿泊することもあります。そこで充電するためのUSB用ACアダプタも必要です。

その他

ブルベで一番重要な持ち物は何かと言えば「ブルベカード」です。

ブルベカードは、スタートからゴールまで身につけて走り、完走認定を受けるために必要なものです。完走後、ブルベカードはフランスに送られ(?)、認定シールが貼られて返却されます。紛失は即失格です。

ブルベカードは「当日受付時に配布」または「事前に郵送」の2ケースがほとんどです。最近は電子式ブルベカードも登場しています。主催団体のルールを確認しておきましょう。

ブルベカードは多くの場合、紙製です。当然、濡れれば文字が潰れたり破けたりします。そういったことにならないよう、防水のブルベカードケースが必要です。持つことを義務付けている主催団体もいくつかあります。ブルベカードの大きさは、多くの場合81mm×130mm(もっと大きい場合もある)。大きめのスマートフォン防水ケースならば入ることが多いので、そうしたケースを使う人も多いです。

団体によっては、権利放棄書という紙を提出することを求められることもあります。大抵は団体のサイトにPDFが置かれており、それを印刷して署名・捺印して提出することになります。内容としては、トラブル時に主催者への責任を問わないと言ったものが多いです。

ブルベ中にブルベカードに通過時間を書いたり、必要事項を記入するためにボールペンを持つことを義務付けている団体もあります。

リタイヤ時に主催者に連絡するために、スマートフォンも準必須装備と言ってもよいでしょう。電子ブルベカードを採用している団体では必須装備です。

キューシートは、最近ではPDFで提供されることも多く、スマートフォンから確認することも可能です。しかし、紙に印刷して持っておいたほうが安心です。

その他、食事や撤退のために現金・クレジットカードは最低限持っておきましょう。電子マネーがあると、会計の時間が節約できて便利です。

あと、深刻な怪我をした時などに備えて「健康保険証」「エマージェンシーカード」も持っておいたほうが良いです。出先で病院に入るケースは無いとは言えません。

B. 身に付けるものリスト

次は、「身に付けるもの」リストです。ウェアやヘルメットなどを一覧化しています。

 

 

部位 名前 製品例
ヘルメット KABUTO ZENARD
ヘルメットライト(前) GENTOS ヘッドウォーズ
ヘルメットライト(後) CATEYE WEARABLE MINI
サイクルキャップ mont-bell ジオライン サイクルキャップ
サイクルバンダナ HALO バンダナ
アイウェア
ネックウォーマー
バラクラバ mont-bell ジオラインL.W.バラクラバ
マスク
心拍センサー CATEYE HR-11
インナーウェア
腹巻き mont-bell サイクルウエストウォーマー
サイクルジャージ
ウインドブレーカー KAPELMUUR クリアレインジャケット
レインジャケット mont-bell サイクルレインジャケット
反射ベスト オダックス埼玉 ADX-V
アームウォーマー PEARL IZUMI アームウォーマー
インナーグローブ イチーナ プロミラングローブ
サイクルグローブ PEARL IZUMI アンバウンドグローブ
レイングローブ ショーワグローブ テムレス
サイクルパンツ
レインパンツ mont-bell バーサライトサイクルパンツ
レッグウォーマー PEARL IZUMI レッグウォーマー
反射アンクルバンド mont-bell リフレクティブ サイクルバンド
サイクルソックス
サイクルシューズ
シューズカバー BBB シューズカバー
レインシューズカバー mont-bell レインシューズカバー

 

このリストでは、頭から足まで身に付ける部位別にカテゴリ分けしてみました。

ウインドブレーカーやレインウェアは、スタート時は着ないでサドルバッグの中……ということも多いのですが、最初から着て走る場合もあるので、こちらのリストに「身に付けるもの」は全て統一してあります。

ここから、各カテゴリごとに解説していきます。

頭・顔につけるものは多いです。

まず、ルール上で義務となっているのが「ヘルメット」です。レースと違ってJCF認証が必ずしも必要なわけではないですが、信頼できるメーカーのものを選びましょう。

革製のヘルメット(カスクと呼ばれる、ヘルメットメーカーのKASKとは別)はヘルメットと見なされません。

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昨今、ローカルルールで必須となっていることが多いのが「ヘルメットライト(尾灯)」。夜間の被視認性を高めるために必要です。

もうひとつ、ご時世的にしばらくは「マスク」の所持が必須となると思います。走行中に付ける必要はないと思いますが、コンビニや各種施設への立ち寄り時にはマスクが必要となります。

その他、ネックウォーマーはサドルバッグに忍ばせておくと、夜間寒い時に役立ちます。

胴体に身につけるものも結構あります。

ルール上必須なのは、「反射ベスト」です。主催団体によっては「反射タスキ」が許可されていることもありますが、昨今はローカルルールでベスト形状のものをを必須にしている団体が多くなっています。

また、反射ベストの色や反射剤の面積を指定している主催団体もあります。ローカルルールをよく確認しましょう。

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春や秋といった昼夜の気温差が大きい季節には、「ウインドブレーカー」「腹巻き」が役に立ちます。雨用の「レインジャケット」を防寒用に兼用すると荷物を減らせます。

腕はあまり付けるものはありません。アームウォーマーくらい。腕時計を付けたい人もいるかもしれませんね。

手に付けるのは、もちろんグローブ。

パッド入りの自転車用グローブが良いのはいうまでもありませんが、インナーグローブがあると役立つ場面も多いです。寒さへの対策や、若干ではありますがクッションが増えますので。

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雨の日はレイングローブが必要になります。私が使っているのはテムレスというゴム手袋。かなり小さくなるのでサドルバッグに突っ込んであります。あまりにも寒い時にはオーバーグローブにもなります。

脚です。パッド入のいわゆる「レーパン」で参加する人がほとんど。ただ、たまにジーンズでブルベに参加する人もいますが、なかなか難易度が高いのでオススメはしません。

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また、こういった反射剤付きの裾バンドは上下に移動するため被視認性が高く、安全性に寄与します。

足首から下の装備です。

基本的にはソックスとシューズ。寒い場合はシューズカバーを付けます。シューズはビンディングシューズを使う方が多いですが、必須ではありません。あえてフラットペダルで走るという人も多いです。

禁止装備

ブルベには、少ないですが禁止装備も存在します。

電動アシスト

電動アシスト自転車・E-Bikeなどのアシスト機能付きの自転車はブルベには参加できません。

DHバー

急ブレーキに対応できないという理由から、ハンドルに付けるエクステンション(DHバー・エアロバー)は、主催団体によっては禁止されています。

チェックリストのダウンロード

Excel形式でのチェックリストを用意しました。ダウンロードしてご利用ください。

まとめ

ブルベに必要な装備を一通り紹介しました。

今回は取っ掛かりとして「とりあえずこれだけあれば何とかなる」装備は網羅したつもりです。

ただ、ここに書かれた全てのものを持って走ったら重くて仕方ないでしょうし、人によっては「これが無くて困った」という事が起こるでしょう。なので、一旦は自分で「要りそうなもの」だけをこの中から選んで走り、走り終わった後で装備の取捨選択を行うことが必要になります。それがロングライドの楽しみの一つでもありますね。

この一覧が、来年からブルベに参加する方の一助になれば幸いです。どこかのブルベでお会いしましょう。

著者情報

年齢: 36歳 (レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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